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    KPI指標とは?業績改善に貢献するKPIの重要性、KGIとの違い、設定の仕方を紹介

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    記事公開日: 2022.09.12

    最近、KPIといわれる経営指標を使って業績改善を図る動きが再び注目を集めています。一体KPIとはどのようなものなのでしょうか?KPIの意味やKGIとの関係、KPIが有効な背景、設定方法、最新の活用方法などをご紹介します。

    1. KPIとは

    KPIとは、「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。目標達成のための管理指標として、広く使われるものです。

    例:客数を〇〇人以上にする、客単価を××円以上にする など

    KPIとKGI・KSFの関係

    KPIと一緒によく取り上げられるのが「KGI」「KSF」です。

    これらは全て業績管理の要素で、KPIと深い関連性があります。KGI・KSFの意味も確認しておきましょう。

     

    ・KGI(Key Goal Indicator:重要業績評価指標)

    企業経営を行う上での最終目標

    例:売上高〇〇億円、利益額××万円、製品シェア〇% など

     

    ・KSF(Key Success Factor:重要成功要因)

    最終目標を達成するための具体的な行動項目のこと。企業経営を成功させるための重要要因。

    例:客数の増加、客単価アップ など

     

    まず最終目標であるKGIを定め、KGIを達成するために対策が必要な項目をKSFとして決定し、KSFに対する具体的な数値目標をKPIとして設定する、というステップで決めていきます。

    2. KPIが注目される背景

    業績管理へのKPIの活用は以前から行われていましたが、近年、以下のような背景から注目度が高まっています。

    インターネットビジネスの普及

    ネット通販を始めとするインターネット関連ビジネスの普及が、KPIが注目される理由の1つです。ネットビジネスでは、顧客からのアプローチ内容(ホームページの閲覧履歴や問い合わせ、セールに対する反応など)がデジタルデータで記録されることが多く、KPIを設定しやすいという理由があります。

    製品ライフサイクル短命化への対応

    製品ライフサイクルとは、製品が市場に投入されてやがて売れなくなり、市場から無くなるまでの期間のことです。近年、製品ライフサイクルが非常に短くなっており、苦労して開発した製品があっという間に売れなくなってしまうという現象が起きています。

     

    この現象は、スマートフォンの普及により、インターネットが身近になったことが影響しています。製品の性能や価格の比較がしやすくなることで模倣品が出るスピードが早くなり、ライバル製品に追随されるまでの時間も短くなっています。

     

    そして、製品の短命化と同時に短期間で収益を上げることが必須となったため、より効果的に目標達成を目指せるKPIへの注目が集まっています。

    安倍政権時代から政府、地方自治体も活用

    KPIの活用は、企業活動だけにとどまりません。2013年、安倍晋三元首相は成長戦略を推進するために策定した日本再興戦略で、初めて政策目標に対してKPIを採用。その後、地方公共団体においても様々な政策分野で、KPIが活用されるようになりました。

     

    参考:内閣府 「第3の矢」の基本的な考え方と今後に向けた戦略

    https://www.japan.go.jp/letters/message/abenomics/3j.html

    3. KPIのメリット

    KPIを実際に活用すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

    業績目標達成に貢献

    KPIを活用すると、進捗を最初から最後まで数値で把握でき、随時対策がとれるため、目標の達成確率が高まります。さらに、目標達成後も、どのKPI値が功を奏したのか分析することで、「成功モデル」として社内で蓄積することが可能です。

    人事評価制度に活用できる

    KPIは人事評価制度にも威力を発揮します。KPIを人事評価に利用した場合、達成度が明確なうえ、感情やイメージなどのあいまいな評価を排除できるため、労使双方で納得しやすくなります。

     

    また、業績に対する貢献度が実感できるため、社員の動機付けにも役立つでしょう。

    4. KPIの設定方法

    実際にKPIを自社で活用するためには、どのようにしたら良いのでしょうか。ここでは、KPIを設定する方法やポイントを解説します。

    設定のポイントは「SMART」

    KPIは、プロジェクトや業績管理、能力開発などによく使われるSMART基準を使うとスムーズに設定できます。その要素は、以下のようなものです。

     

    (1) 具体的(Specific)・・・・・・・・具体的な改善項目を示す

    (2) 測定可能(Measurable)・・・・・達成度を、数値を使って定量化する

    (3) 割当てられる(Assignable)・・・誰が担当するか明確にする

    (4) 現実的(Realistic)・・・・・・・現実的な手段かどうかを確認する

    (5) 期限のある(Time-related)・・・いつまでに結果を出すかを決める

    漏れなく、重複なく

    成功要因(KSF)を分析してKPIを設定する場合は、重要な要因を取りこぼさないことが大切です。KGIの達成が最終目標のため、KGIと関係の薄い対策を実行しても成果は得られず、社員の意欲も削がれてしまいます。また、KPIの重複にも注意しましょう。

    KPIの設定手順

    ポイントを押さえたら、実際にKPIを設定していきましょう。

     

    (1)ビジネスプロセスの分析

    まずは、顧客が企業やその製品に出会ってから購入に至るまで、あるいは顧客として離脱するまでのプロセスを洗い出してみます。これは、最終目標を達成するための重要要因(KSF)を炙り出すための、重要な前提作業です。

     

    BtoBビジネスを例にとると、顧客へのアプローチ(展示会、電話営業、DM、HPなど)、アポイント、ニーズの探索、提案書の提出、見積書提出、クロージング、納品、入金、アフターフォローに至るまでの各シーンにおいて、顧客に対しどのような行動パターンがあるかを分析します。

     

    (2)KSFの設定(数式化、ツリー化)

    次に、ビジネスプロセスを踏まえた上で、最終目標(KGI)を達成するための、成功要因(KSF)を調べていきます。成功要因を導き出す際は、以下のようなツリー構造で分析すると良いでしょう。

     

    【ネットショップを行う企業の事例】

    2022-01-31 12_28_36-【チェック済み】kpi 指標_原稿.docx - Google ドキュメント

    (3) KPIの設定(数値化)

    成功要因(KSF)を調べ上げたら、次に数値化を行います。

     

    例えば、SEO対策という成功要因をKPI化(数値化)する場合には、「〇〇さんを責任者として、費用〇〇円以内で、Googleで〇月〇日までに検索順位5位以内を目指す」という具体的な数値目標を設定します。

     

    これを人事評価制度にも活用する場合は、さらに細かく達成基準を設定することをおすすめします。例えば、「1位の場合100点、3位以内の場合は80点、5位以内は70点、10位以内は50点」というように、未達であっても成果を測定できるようにしておくと良いでしょう。

    5. KPIの最新活用方法

    KPIの肝は「プロセスを重視する」という点にあるため、目標設定や人事評価だけでなく、ビジネスの第一線でも活用されています。その活用方法の一部をご紹介します。

    MA(マーケティング・オートメーション)

    マーケティング・オートメーションとは、一言でいうと、「見込み客を半自動的に獲得するツール」のことです。営業活動の中で、マーケティング部門のスタッフが、原則的に顧客と対面することなく、以下の工程を専門的に行います。

     

    (1) 見込み客の発掘

    展示会や問い合わせ、メール、資料請求、セミナーなどの方法を通じて、見込み客を探し出します。従来の電話帳をもとにしたアポイント電話ではなく、デジタルなツールを多く用いることが特徴です。

     

    (2) 見込み客の育成

    問合せのあった顧客に対して、対面での商談や購入決定に向けて、動機付けを図っていくステップです。見込み客の反応やタイミングに応じて、セミナーの案内や資料の送付などを行い、見込み客をホットな状態にしていきます。

     

    MAにはスコア機能があります。例えば、自社HPを閲覧すれば+5点、メールを開けば+2点、資料請求すれば+4点など、見込み客獲得の効果をスコア化します。これにより、顧客別にどの程度の受注確率があるか数値化が可能です。

     

    (3) フィールドセールスへの引き渡し

    見込み客に充分購買意欲が高まったら、フィールドセールスといわれる対面の営業部隊に引き継ぎ、クロージングしていきます。

     

    これらのマーケティング活動には、KPIの考え方が脈々と流れています。ビジネスプロセス分析に基づき、どのようなマーケティングツールが有効かを検証し、効果的に組み合わせていく流れは、KPIの考え方を集客に応用したものと言えるでしょう。

    SFA(セールス・フォース・オートメーション)

    SFAは、「Sales Force Automation」の略語で、日本語では「営業支援システム」などと呼ばれています。営業効率を上げられることから、近年注目されているツールです。

     

    主にクラウドサービスとして提供されており、マーケティング部門から引き継いだ見込み客に対し、提案や見積などの商談からクレーム対応に至るまで、顧客とのやり取りを可視化できます。

     

    今まで営業担当者に集約されていた情報やプロセスを見えるようにした点に、KPIの考え方が反映されていると言えます。

     

    SFAのメリットは、以下の点です。

     

    ・チャンスロスを防ぐ

    SFAの活用により、営業担当者が商談に集中でき、顧客の獲得機会を逃がしにくくなります。

     

    従来型の営業は、見込み客の開拓から商談、納品、回収、クレーム対応まで、ありとあらゆるシーンに携わるため、何らかのトラブルが発生すると新規の営業活動がストップし、企業に損失をもたらしました。

     

    SFAを活用すると、顧客とのやり取りを全て記録しているためいつでもピンチヒッターを投入できます。

     

    ・見込み先管理が容易になる

    SFAはインターネットを経由して営業の進捗状況が共有できるため、24時間365日、どこからでもデータのメンテナンスができます。

     

    ・営業の属人化を防ぐ

    営業に関わる情報や事例を蓄積していける点も大きなメリットと言えるでしょう。

     

    従来型の営業では、いわゆるトップセールスパーソンと言われる人たちが退職した時、本来企業の資産となるべきスキルや成功事例などが蓄積されず、流失してしまっていました。

     

    SFAで顧客へのアプローチから商談成立、納品後の顧客の状態まで詳細に記録していくことで、営業手法のノウハウが蓄積され、特定のスターに頼らない営業活動が可能になります。

    金融商品の比較

    2017年3月、金融庁では企業の資金運用や家計の安定的な資産形成を実現するため、「顧客本位の業務運営に関する原則」を策定・公表しました。

     

    これは、資金を株式投資などに委託する「投資信託」について、それぞれの金融事業者が投資信託の取組方針を策定・公表するだけでなく、顧客本位の業務運営を客観的に評価できるようにするための成果指標(KPI)や、リスク・手数料等に見合ったリターンがどの程度生じているか比較可能な共通KPIを公表し、「見える化」しています。

     

    参考:金融庁 投資信託の販売会社における比較可能な共通KPIについて

    https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20180629-3/20180629-3.html

    まとめ

    KPIは、企業目標を達成するためのプロセスに着目した経営手法です。店舗や工場を増やせば業績は右肩上がりだった高度成長期には、KPIは余り必要とされませんでした。

     

    しかし、製品の寿命が短くなった現代は、目標達成のために戦略的に収益を上げなくてはいけません。どのように環境が変化しても着実に目標達成するために、プロセスを迅速に改善する仕組みであるKPIを活用していきたいものです。

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