事業計画書を作成する際、他社の作成事例を参考にすることには、様々なメリットがあります。
しかし、
「参考になる事例が見つからない」
「他社の事例を、自社の事業計画書に活かす方法が分からない」
など、悩まれている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、参考になる事例の探し方や、事例を自社の事業計画書作成に活用するための方法を解説していきます。
最後まで記事をご覧いただき実行に移せば、ご自社の事業計画書をより精度の高いものにできるはずですよ。
1.事業計画書の事例をチェックしたい人におすすめのサイト2選
事業計画書は企業の機密文書にあたるため、事例を確認できる機会は限られます。そんな中、他社事例を参考にしたい方におすすめな、2つのサイトをご紹介します。
日本政策金融公庫 ー 創業計画書記入例
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
日本政策金融公庫のウェブサイトでは、融資申込時に必要な書類が無料でダウンロードできるようになっています。
その書式の中に、「創業計画書記入例」という欄があります。洋風居酒屋、ソフトウェア開発業、介護サービスなど、全9業種の記入例が掲載されており、自社の事業に近い計画を参考にできます。
中小企業基盤整備機構 ー 事業計画書の作成例
https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list5/5-1-3.html
J-Net21は、独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するウェブサイトです。
中小企業への支援を目的に、経営者に役立つ情報を提供しています。
J-Net21には、起業マニュアルのひとつとして事業計画書の作成例が掲載されています。飲食業、小売業、サービス業の3業種ですが、それぞれ約10ページのしっかりとした内容のため、とても参考になります。
2.事業計画書の事例を参考にする際の2つのポイント
ここでは、他社の事業計画書を参考にする際のポイントを紹介します。どのような点に着目すれば良いか分からないという人は、ぜひチェックしてみてください。
項目を真似る
1つ目は、他社の事業計画書の項目を真似ることです。項目を真似するだけで、事業計画書の骨組みができあがるからです。
事業計画書に含めるべき要素はおおよそ決まっているため。読みやすいと感じる事例を真似れば問題ありません。
金融機関や補助金の担当者は、一般的な事業計画書の骨組みを見慣れています。そのため、基本的な骨組みは一緒にしてあげた方が、内容がすんなりと入ってきやすくなります。
見せ方など表現方法を真似る
2つ目は、表やグラフ、フローチャートなどを活用した、表現方法を真似ることです。なぜなら、事業計画書は書くことが目的ではなく、読んでもらうことが目的だからです。
実際、あなたが見やすいと思った事業計画書は、それを審査する担当者にとっても見やすい場合が多いです。そこで、見やすい事業計画書を参考にして、自社の事業計画書も表現を工夫すれば、担当者に読んでもらいやすくなるでしょう。
同じことを書いても結果が変わるであれば、多少時間はかかったとしても、見せ方を変えることは有効だと言えます。
3.事例を参考にするメリット・デメリット
他社の事例を参考にすることは、自社の事業計画書の精度を高めるうえで、非常に効果的です。その一方、注意すべき点もあります。事例を適切に活かすためにも、メリットとデメリットは整理しておくことをおすすめします。
メリット①必要な項目が分かる
事業計画書に必要な項目が分かることは、事例を参考にする大きなメリットです。情報の過不足を無くし、適切な事業計画書を作成することにつながるからです。
逆に、一から自分で作成しようと思うと、どうしても抜け漏れが発生したり、不要な情報を掲載してしまうことがあります。
必要な項目を把握していれば、後からチェックする手間も省けます。
メリット②時間の節約になる
他社の事例を参考にすることで、時間の節約になります。仮に、白紙の状態から事業計画書を作成するとなると、多大な時間を要します。
1分1秒でも惜しい経営者にとっては、時間の節約につながるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
メリット③他社の戦略を学べる
他社の事業計画書からは、その会社の戦略も学べます。会社の数値や、経営者の考えについて、細かく記載されているからです。
自社以外のことを詳しく知る機会は多くはないため、優れた戦略があれば、そのまま自社に取り入れるのも良いでしょう。
デメリット①同業種の事例を探すのは難しい
同業種の事例を探すことは、難しい場合が多いです。そもそも、事業計画書は企業にとって機密文書にあたるため、公開されているケースが少ないからです。
もちろん、他業種から学べることはたくさんありますが、できれば、自社と同じ業種の事例を参考にしたいものです。
デメリット②そもそもの前提が違いすぎる場合がある
事業計画書としては参考になっても、そもそも自社と前提が違いすぎる場合があります。そのため、学びにはなっても、実務には落とし込めないこともあります。
例えば、広告施策が上手くいっている企業があったとしても、潤沢な資金があるからこそ取れる施策な可能性もあります。
上手くいっているからといって、必ずしも自社で取り入れられるわけではないため、慎重に判断しなくてはいけません。
デメリット③イレギュラー事項に対応できない
他社の事例を参考にしたとしても、基本的な事業計画書の構造が分かっていなければ、応用が利きません。そのため、ちょっとしたイレギュラー事項が発生したときに、対応できないことがあります。
例えば、金融機関向けに作った計画を、そのまま社員に見せても内容は伝わりにくいでしょう。事業計画書は本来、作る相手に応じて、見せ方を変える必要があります。
相手を無視して形だけを整えても、成果につながる事業計画書にはなりにくいでしょう。
4.個別の事業計画書を相談する方法
他社の事例は、事業計画書を作成する際の参考になりますが、精度の高い事業計画書を作成するには足りない点もあります。
個別具体的な相談をしたい場合は、各種支援機関を頼ることが重要です。ここでは、事業計画書について個別相談ができる、4つの方法をご紹介します。
金融機関
金融機関は、相談先の1つとして、真っ先に挙がります。というのも、事業計画書を作る目的自体が、融資を申し込む場合が多いからです。
金融機関の担当者は、普段から事業計画書を見慣れているため、作成についてもアドバイスをくれるはずです。ただし、金融機関の担当者が1社あたりにかけられる時間は、それほど多くありません。
そのため、みっちり作成指導を受けたい方は、あまり向いていないでしょう。
会計事務所
普段から会社の数字を見ている会計事務所も、相談先としてはおすすめです。金融機関と違って1社あたりに割ける時間も多く、専門的なアドバイスをもらえるでしょう。
ただし、中には事業計画書の作成に慣れていなかったり、そのような支援サービスを行っていない事務所もあります。そのため、自社が求めている計画作成を支援してくれるかは、事前に確認しておくべきです。
商工会議所
創業者向けの支援や経営相談などを受け付けている商工会議所でも、事業計画書の作成について相談できます。相談の受付方法などは商工会議所によって異なるので、まずは問い合わせてみると良いでしょう。
ただし、担当してくれる方がその道のエキスパートであるとは限らないので、全てを鵜呑みにするのは危険かもしれません。
計画作成を支援するサービス
計画の作成を支援してくれる、専門サービスを受けるのも良いでしょう。専門的な知見を有した担当者から、計画作成に特化したサービスを受けられるからです。
なお、当社においても、「経営計画作成25時間合宿」と銘打って、3日間にわたる計画作成支援を実施しています。母体が会計事務所ということもあり、数字的な根拠を元にした、根拠のある戦略を立てられる点が、大変好評をいただいております。
「経営計画作成25時間合宿の詳細はこちら」
https://service.kodato.com/camp/normal
まとめ
今回は、他社の事例を参考にしながら、事業計画書の作成を進める方法について、ご紹介してきました。他社から学ぶことは非常に有効ですが、ちょっとしたコツがいります。
とは言え、まずは自分が良いと感じた事業計画書を参考に、真似から始めてみることをおすすめします。
そして、いざ、作り始めてみて難しいと感じたら、今回ご紹介したような相談先に、頼ってみるのはいかがでしょうか。
なお、最後まで記事をご覧いただいた皆さんには、計画作成の支援をしてくれる、支援会社がまとまった一覧をプレゼントさせていただきます。
ぜひ、ご自社に合った、支援先をご検討されてみてください。
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