理想は毎日毎月見直すこと?経営計画を見直すタイミングとは

    記事公開日: 2023.05.19

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    経営計画の見直しはなぜ必要なのか

    みなさんの会社には経営計画はあるでしょうか。経営をするうえにおいて、経営計画はなくてはならないものです。また、経営計画は立てたというだけではいけません。

     

    大手企業であっても中期経営計画は3年~5年スパンでの目標をたてており、外部環境の変化や会社の取り巻く環境、計画の進み具合によって見直しや、一から計画を作成し直す場合があります。

     

    ここでは、なぜ経営計画の見直しが必要なのかを解説していきます。

    業績の変化に対応するため

    まず1つ目の理由として挙げられるのは、「業績の変化に対応するため」です。中期経営計画は3~年~5年後の目標をかかげ、それに向かった計画をたてたものですが、3年~5年の間、目標通りに業績が進むとは限りません。

     

    業績が計画と大幅にズレが生じてしまい、目標達成が見るからに難しいとなった場合は、計画内容を変更し、業績の変化に対応させる必要があります。また、かなりのズレで修正が難しい場合は、最初から中期経営計画を作成する場合もあります。

    外部環境の変化に対応するため

    次に見直さなくてはいけない理由として挙げられるのは、「外部環境の変化に対応するため」です。先ほどもお伝えした通り、経営計画のなかでも中期経営計画は3年~5年後の売上などの数値目標を設定したものになります。

     

    この数年間を考えればおわかりかと思いますが、新型コロナウイルスや戦争などの影響により企業を取り巻く環境は大きく変化しています。業種によっては大幅な利益をもたらした企業(衛生用品製造業、通信・IT業、ゲーム開発・販売業、物流業など)もあるかと思いますが、多くの企業(特に生活娯楽関連業、宿泊業、飲食サービス業など)は業績が落ち込んだと思います。

     

    目標達成が明らかに難しいような外部環境の変化があった場合は、対応するために経営計画も見直しをする必要があります。

     早期の計画達成に備えるため

     最後の見直し理由として挙げられるのは、今までとは異なり良い理由です。「早期計画達成に備えるため」に見直しをするということもあります。先ほどもあげた通りですが、新型コロナウイルスの影響で、予想外に利益を計上した企業もあります。そのような企業は計画の期間よりもはやくに目標達成する場合も考えられます。このような場合は、期間終了まで待たずに、一から経営計画を立て直すことが一般的です。

    経営計画の見直しが必要な場面とは 

    経営計画の見直しをする理由を挙げましたが、経営計画にはスパンとタイミングが重要となってきます。基本的には毎日でも見直してほしいですが、決算書などの資料を見て、業績と予測のズレを分析するためには時間がかかります。毎日とはならなくとも、月一でチェックできると良いと思います。ここでは、経営計画の見直しが必要な場面を4つ紹介していきますので、経営計画の見直すべきタイミングを理解していきましょう。

    業績が伸び悩んでいるとき

    経営計画の見直しが必要な場面の一つ目は、「業績が伸び悩んでいるとき」です。例えば、飲食業で今まで流行っていたタピオカドリンクを中心に販売していたとすると、流行が終わった後、なかなか売れなくなってしまうことが考えられます。その場合は、そのままタピオカドリンク中心で業績を伸ばしていくよりも、計画を変更して別の商品に切り替えていくことの方が企業成長のために良い策だと考えられます。

    経営理念を変更するとき

    経営計画の見直し必要な場面の二つ目は、「経営理念を変更するとき」です。経営理念とは、経営者の信念に基づき、企業の根本となる活動方針を明文化したものを指し、企業によっては、「ミッション・ビジョン・バリュー」などと呼ばれています。経営理念の変更というと、つまり、企業が最終的に目指す将来の姿が変わるということです。その場合は、目指すべき目標に向けて、最初から経営計画を立て直していく必要があります。

    大規模な設備投資をおこなうとき

    次に、経営計画の見直しが必要な場面は、「大規模な設備投資をおこなうとき」です。新型コロナウイルスの影響で、飲食業ではイートインよりもテイクアウトの普及が進みました。そこで、店舗の数は減らして、デリバリー用のバイクを多く設備として投資した企業も多くあるのではないでしょうか。その場合、経営計画として、レストランの店舗数を増やしての事業拡大ではなく、デリバリーアプリを開発し普及させることでの事業拡大に経営計画を見直していくことが必要になります。

    当初の経営計画と大きくズレが生じているとき

    最後にあげられる見直しが必要な場面は「当初の経営計画と大きくズレが生じているとき」です。前章でもお伝えしましたが、業績の変化や外部環境の変化で経営計画と大きくズレが生じている場合には見直しが必要となります。特に計画達成が難しいと分かっていてそのまま業務を進めていた場合、売上は足りずに、経費は計画通りに使ってしまい、資金繰りがうまくいかないというような状況にもなりかねません。

     

    大幅に業績が良かった場合でも、当初の計画のままでは従業員のモチベーションが下がってしまうことにつながる場合もありますので、当初の経営計画と大きくズレが生じている場合は、早期に見直しが必要です。

    経営計画を見直すタイミングは大きく分けて2つしかない

    経営計画を見直す場面をお伝えしてきましたが、タイミングは大きく分けて2つしかありません。

    1つ目は「事業内外における環境に変化がある場合」、2つ目は「定期的な見直し」です。ここでは、この2つのタイミングでわけて詳しく解説していきます。

    事業内外における環境に変化がある場合

     経営計画を見直すタイミングの1つ目は、「事業内外における環境に変化がある場合」です。先ほど述べたように事業内容や外部環境に変化があった場合は、経営計画の再作成をするタイミングになります。しかし、経営計画を頻繁に変更してしまうと、従業員にとってはどのように進んでいけば良いか方向性が曖昧になってしまいますので、一年に何回も立て直すことはおすすめしません。

    定期的な見直し

     経営計画を見直すタイミングの2つ目は、「定期的な見直し」です。毎期必ず1回は中期経営計画を見直すことをお進めします。また、経営計画と業績のズレについては少なくとも毎月チェックすることで、予測と実績で大きなズレがなく着地することができます。近年では、新型コロナウイルスや戦争の影響で、経営環境や事業環境が大きく変化していますので、計画通りに進まなことも多いと思います。見直しをスケジュールに取り入れることによって企業の経営理念なども再度見直すことが可能になります。

    経営計画の見直し方法とは

    ここまで経営計画を見直す必要性とタイミングをお伝えしてきました。それでは、いざ経営計画の見直しです。ここからは経営計画の見直し方法を解説していきますので、自社の経営計画見直しの際に活かしてください。経営計画の見直し方法は、「現在の経営計画を修正」する方法と「経営計画を一から作り直す」方法があります。

    現在の経営計画を修正する

    まず、「現在の経営計画を修正」する方法です。経営計画と業績を比較した際、大きなズレがなく順調に計画が進んでいる場合には、現在たててある経営計画を参考にしながら数字を積み上げていく方法となります。

     

    例えば、売上の減少が予測されている場合は、当初の計画から下方修正します。逆に、売上増を目指すための投資をする場合は、その他の経費を見直し・費用の圧縮をしたうえで、投資にどのくらいかけるか、どのくらいかけたら売上がアップするのかを計画します。計画の修正には、資金残高もセットで行うことが重要なポイントとなります。

    経営計画を一から作り直す

    もう一つの方法は、「経営計画を一から作り直す」という方法です。企業をとりまく環境が大きく変化した場合などでは、経営理念などのビジョンを再度描き、その上で逆算して経営計画を作成し直す方法です。例えば、取り扱う商品やサービスの変更、事業内容の大幅な変更などは経営計画の修正ではなく、一から作り直す方がベターです。

    経営計画の見直し事例3

    最後に経営計画を見直しした、大手企業の事例を紹介していきます。

     

    ここで紹介するのは、「NTTグループ」、「マツダ株式会社」、「株式会社アテクト」です。自社の経営計画見直しの際、参考にしていただければと思います。

    ①NTTグループ

    NTTグループ(日本電信電話株式会社)」は、2018116日に発表した中期経営戦略を2021928日に見直ししました。NTTグループの中期経営戦略見直しの背景には、新型コロナウイルスの感染拡大で、世界の分断が加速し、リモート・分散型社会が拡大したことがありました。それに伴い、監視社会などが課題となり、また、経済安全保障の重要性などが求められる社会へと大きく変化しました。

     

    このような社会の大きな変化に対応するために、「"Your Value Partner"として、事業活動を通じてパートナーの皆さまとともに社会的課題の解決をめざす」というビジョンを掲げて見直しをしました。NTTグループが見直した経営計画の内容は3点です。

     

    • 国内/グローバル事業の強化
    • 新たな経営スタイルへの変革
    • 企業価値の向上

     

    となります。

    マツダ株式会社

    次に紹介するのは、自動車の会社である「マツダ株式会社」です。マツダ株式会社は20203月期~20263月期の中期経営計画を見直ししています。その背景も、NTTグループ同様に新型コロナウイルスのパンデミックが影響しています。

     

    新型コロナウイルスの影響で、マツダ株式会社が想定した外部環境の変化は、グローバルの環境規制強化と加速、CASE時代の新しい価値創造競争、働き方の変化と効率化の両立、販売やサービスへの顧客要望・行動の変化です。そこでマツダ株式会社は下記5点の見直しをしました。

     

    • ブランド価値向上への投資
    • ブランド価値を低下させる支出の抑制
    • 固定費/原価低減を加速し損益分岐点台数を低減
    • 遅れている領域への投資、新たな領域への投資開始
    • 協業強化(CASE対応、新たな仲間作り)

     

    となります。

    株式会社アテクト

    最後に紹介するのは、半導体資材事業、衛生検査器材事業、PIM事業を行っている「株式会社アテクト」です。株式会社アテクトは、2019510日に掲げた20203月期~20243月期の中期経営戦略『NP5Y-Challenge50』を2021511日に見直ししました。

     

    見直しの理由としては、やはり新型コロナウイルの影響で、株式会社アテクトは3期ぶりに業績が減収となったことで見直すことを試みました。株式会社アテクト場合は、全ての事業が落ちてしまったわけではなく、PIM事業が大きく遅延しているなかで、半導体資材事業と衛生検査器材事業は大幅な受注増になっていました。そこで、新中期経営戦略『VISION25/30』を掲げています。

     

    • 現有戦力(ヒト・モノ・カネ)により収益拡大させることによる財務健全化
    • 4大製品投入による成長戦略の促進
    • 成長事業への選択と集中(事業ポートフォリオの再編)
    • 経営体制刷新(執行役員制の導入)
    • ESG経営(事業活動を通じたSDGs達成への貢献)

     

    となります。

    まとめ:経営計画の見直しは定期的な実施と、早期の対策が重要となる

    経営計画は毎月実績と計画のズレを確認し、見直しは定期的に行うようにしましょう。

     

    計画と実績のズレや外部環境の変化には早めに気がつき、早期に対応することが事業拡大の重要なポイントとなります。経営計画の見直しをスケジュール化し、早期に対策できる環境作りを行っていきましょう。

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