事業計画の評価はどうおこなう?事業計画の評価方法と基礎知識を徹底解説

    記事公開日: 2023.10.18

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    事業計画はなぜ必要なのか

    事業計画書はなんのために作成するのでしょうか。事業計画書は融資審査の際に必要な書類となります。

     

    また、自社の事業内容を客観的に見直すきっかけにもなる書類なので、事業が行き詰まってしまった時はコンサルタントに提出する書類としても事業計画書は役立ちます。作成する理由を一つひとつ解説していきます。

    事業内容を明確化するため

     事業計画書を作成する一つ目の理由は、「事業内容を明確化するため」です。事業計画書はどんな事業で、どんな収益モデルになっているのかを言語化・可視化していくものです。

     

    売上目標や事業の目標など、経営者が頭で考えていたことを書き出していくことになるので、ビジネスパートナー、投資家、金融機関、専門家、社員など事業に関わる人たちに経営者の考え(事業の方向性や根拠)を共有することができます。

     

    そうすることで、関わる人たちと歩みを合わせて事業運営をしていくことができるようになります。そのため、事業計画書は誰が呼んでも分かりやすく、納得できるように、すべての事柄を具体的かつ明確に記載する必要があります。

    金融機関などから融資を受けるため

    事業計画書を作成する二つ目の理由は、「金融機関などから融資を受けるため」です。事業計画書は資金調達する際、金融機関に提出する融資審査の資料として役に立ちます。金融機関の審査では「返済能力があるのか」という点を重視しています。

     

    そのため、借りる側がいくら口頭で「返せます」と言っても根拠がないため信用されません。事業計画書は事業の進め方や収益モデル、その根拠を具体的かつ明確に記載することが重要です。

     

    また、融資審査には経営者の熱意も大切な判断基準となりますので、内容もさることながら、融資審査の担当者に自信の情熱が伝わるように記載していきましょう。

    事業の方向性を共有するため

    事業計画書を作成する三つ目の理由は、「事業の方向性を共有するため」です。事業計画書は社内・社外どちらにも情報を知らせるために作成します。事業計画書は、事業そのものが実現可能かどうかもしっかり見極め、事業そのものの優位性や独自性をしっかり検証するようにしましょう。

    経営者の思考整理のため

     事業計画書を作成する四つ目の理由は、「経営者の思考整理のため」です。先ほどもお伝えした通り、事業計画書は経営者の頭のなかを整理して、社内外の方に事業の方向性などを知らせるためのものです。

     

    作成するにあたり、経営者自身の思考整理も可能になります。事業計画書を作成する際、「誰」に「どのような事業」を「何のため」におこないたいか、そして「どんな収益モデル」にしていくのかをしっかり頭のなかで整理して、言語化・可視化するようにします。

    事業計画に掲載すべき項目10

    ここからは事業計画書を作成していきましょう。事業計画書には記載すべき項目は10あります。

     

    ①社名や住所

    ②経営者の経歴

    ③事業内容

    ④会社の理念・ビジョン

    ⑤自社の強み(セールスポイント)

    ⑥市場における自社の状況

    ⑦資金計画

    ⑧収支計画

    ⑨将来計画

    ⑩その他

    それでは、基本項目を詳しく解説していきます

    社名や住所

    事業計画書に記載すべき項目の一つ目は、「社名や住所」です。事業計画書では事業内容を記載する前に、会社の概要を整理します。

     

    社名、屋号、所在地、電話番号を記載します。また、ウェブサイトのURL、メールアドレス、代表者名、株主構成などもあわせて記載していきます。

    経営者の経歴

    事業計画書に記載すべき項目の二つ目は、「経営者の経歴」です。企業は創業段階の場合、実績や信用もありません。経営者自身の経歴やスキル、人柄などを知ると経営者への信頼に繋がります。

     

    企業がおこなう事業の内容や、経営者の経験・人脈・実績を示し、自分自身をどのように売り込むかを考えて具体的に記載していきましょう。また、事業計画書を作成するために経営者自身の経歴を書き出します。そのため、自分自身を見つめ直す機会になりますので、些細なことでも気づきがあれば書き出しておきましょう。

    事業内容

     事業計画書に記載すべき項目の三つ目は、「事業内容」です。事業内容を記載する際、まずは事業のテーマや名称を記載していきます。自社が何をおこなっていて、何を目指しているのかを分かりやすくまとめることが大切です。

     

    事業名は短く、できれば20文字程度に収めて、覚えやすいものになっているかチェックしましょう。その後、おおまかな事業内容が分かるように、「誰」に向けて、「何」を「どのように」提供するのかを、シンプルにまとめます。詳しい内容はあとの項目で記載します。

    会社の理念・ビジョン

    事業計画書に記載すべき項目の四つ目は、「会社の理念・ビジョン」です。会社の理念やビジョンは、会社がどうしてこの事業をおこないたいと思ったのか、事業を通して社会に何を提供したいのか、社会をどんな風に変えたいと思っているのかを世の中に伝えるものです。自社の熱意や他社との違いをしっかり伝えられる理念・ビジョンを考え、顧客や協力者を引きつける事業計画書にしていきましょう。

    自社の強み(セールスポイント)   

    事業計画書に記載すべき項目の五つ目は、「自社の強み(セールスポイント)」です。企業が提供する商品やサービスで唯一無二であるというものはほとんどありません。そのため、「自社と他社の違い」「自社の方が優れているという強み」を見つけて、自社の事業をアピールしていきましょう。セールスポイントは誰にでも分かりやすいような表現で専門用語は使わずに記載するように心がけましょう。

    市場における自社の状況

    事業計画書に記載すべき項目の六つ目は、「市場における自社の状況」です。市場の現状や今後の見通しを分析するとともに、競合他社の状況を調べます。そして、新規でその事業に参入する企業として、自社はどのような強みがあるのかを記載します。

     

    また、経済情勢や法の制度など企業をとりまく外部環境も事業と関係が深いことなので背景として触れる必要があります。この分析については、客観的な統計や数字を用いてまとめるようにします。

    資金計画

    事業計画書に記載すべき項目の七つ目は、「資金計画」です。前述の通り、事業計画書は金融機関から融資の審査を受ける資料としても活用されています。そのため、資金計画をしっかりと記載するのは最重要事項となります。

     

    事業計画を実行するためにはどのくらいの資金が必要となり、その資金をどのように調達する予定なのかを記載します。これは、実際に見積もりを取り、根拠のある数字を記載することが大切となります。

    収支計画

    事業計画書に記載すべき項目の八つ目は、「収支計画」です。収支計画は総額だけではなく、見積もりの根拠(1日の顧客数、平均客単価など)を示すことが大切になります。

     

    売上高を算出し、売上原価、必要経費(人件費、家賃、水道光熱費など必ずかかってくるもの)などを計算することで、利益を算出しておきます。顧客数については、市場の分析や同業他社の実績を参考にして設定すると良いでしょう。

    将来計画

     事業計画書に記載すべき項目の九つ目は、「将来計画」です。社を将来的にどう発展させていきたいのか、社会にどのように貢献していきたいのかといった将来の計画を記載します。ここでは将来性のある企業であるということをしっかりと伝えていきましょう。

    その他

    最後に、記載すべき項目で紹介していないものを挙げます。「販売戦略」「主要な取引先・顧客」「社内体制」です。どんな商品・サービスを誰に対してどのように提供していくかを記載する際、どのような販売経路で、どのようなプロモーションをして顧客に認知してもらうのかを記載しましょう。

     

    また、どこの取引先のシェア率が高いかを記載することで、より透明性の高い事業計画書になります。最後に社内体制については、どのように経営判断し役割を分担しているか社内組織図を書くことで、他者にも業務内容が理解しやすくなります。

    事業計画の評価方法の枠組みとは

    それでは、事業計画はどのように評価していくのでしょうか。事業の評価は、事業活動の実態や成果を分析・測定して、機関や施設、団体などの目的・目標別に照らし合わせて価値判断をしていくことです。ここからは、事業計画の評価方法と枠組みを解説していきます。

    評価対象は事業計画の進捗状況

    事業計画の評価方法として、「事業計画の進捗状況」を確認します。この際に、事業計画全体の進捗状況を評価するために、事業ごとにわけた個別レベルの進捗状況とあわせて、個別事業をまとめた、施策・計画レベルの進捗状況を点検・評価していくことが重要になってきます。

    評価の視点は利用者目線であることが望ましい

    事業計画の評価は、「誰が」「何を」「いつ」「どのような方法で」「何を基準に」評価するかという観点が大事になってきますが、事業計画の評価は、利用者目線であることが望ましいとされています。

     

    利用者の視点に立って柔軟な取り組みであるかを評価するために、事業計画が計画通りに進捗しているかだけを評価するのではなく、利用者の視点による評価指標を設定していくことが望まれます。そうすることで、PDCAサイクルと呼ばれる計画-実施-評価-改善検討というサイクルの実効性を高めることができます。

    評価方法は成果指標を用いることが望ましい

    事業計画の評価方法は、成果指標を用いるといいとされています。成果指標とは、「認知度→利用度→達成度」のような改善点がどこにあるのかを把握できるものです。成果指標を設定し、成果を段階的に把握・評価していけるようにしましょう。

     

    事業計画の実施中であっても意識調査、マーケティング調査、モニター調査などを活用し、期間ごとに進捗状況の確認、事業計画の評価をおこなっていくことがベストです。

    事業の成長過程ごとの課題とは

    企業の実施する事業には成長過程ごとに別の課題が生まれてきます。事業の成長過程ごとにわけてどのような課題がでてくるかを解説していきますので、自社に当てはめて改善策を検討してください。

    創業期~成長期

    まずは、「創業期~成長期」についての事業課題について解説していきます。創業期~成長期には事業の核となる商品もしくはサービスがまだしっかりとできあがっていません。また、事業を開始したばかりでは、人材や設備も不足していますし、事業をすすめるための資金も不足していることが多いです。

    成熟期

    次に、「成熟期」の事業課題を解説します。成熟期は事業領域が一番拡大している時期を指します。既存の事業の成長が鈍ってきます。

     

    また、競合商品・サービスとの差別化がしにくくなったり、新規事業の開発が進まなくなったりします。この時期では、既存の事業を客観的に見極め、新規事業を取り入れるために方向性などを決めて、社内体制を整備していくことが必要になってきます。

    衰退期または転換期

    最後に、「衰退期または転換期」の事業課題を解説します。衰退期・転換期とは事業を再生していく時期をさします。この時期は、業績が下がり続けており、資金繰りが難しくなってきます。

     

    また、何をやってもうまくいかないという時期でもありますので窮境の要因を特定することが大切になってきます。その後、課題に優先順位を付けて対応していきます。資金繰りが難しくなっているので、金融機関などから融資を受ける交渉をしていかなくてはいけません。

    事業計画の成長過程ごとの活用方法とは

    事業計画の成長課程ごとに課題があることを述べてきましたが、ここからは成長過程ごとの事業計画の活用方法を解説していきます。ここでの活用方法はあくまでも一例にすぎないので、自社の課題としっかり向き合った上で参考にしてください。

    創業期~成長期

    まずは、「創業期~成長期」での事業計画の活用方法です。創業期~成長期の課題は、商品やサービスが未確立なこと、人材・資材が不足していること、資金が不足していることとお伝えしました。

     

    そのため、商品やサービスを検証していくスケジュールをしっかり決めて社内外の調整をすること、事業計画をもとにした採用戦略をおこなっていくこと、事業計画をもとにした融資もしくは投資してくれる方との交渉などが必要となってきます。

    成熟期

    次に、「成熟期」での活用方法です。成熟期には従業員が同じ業務を毎日こなすだけの日々を送り、事業の改善や新しい事業に向けた動きがしにくくなっています。そのため、事業計画を活用して、再度、企業の目標や事業の目的を社内全体で共有していくことが大切です。

     

    この時期は他部門とのコミュニケーションがとりにくくなっていることも多いので、事業計画の共有・見直しをする機会をもった際に、様々な部門で連携・協力して目標達成に向けて取り組んでいける体制にしていきましょう。

    衰退期または転換期

    最後に、「衰退期または転換期」での活用方法です。この時期は、社員のモチベーションもあがらず、当事者意識を持って課題に取り組んでいる者も少なくなっています。また、業績が悪化している原因が特定できず、しなくてはいけないことの優先順位がつけられていないことが多くあります。

     

    そのため、悪化した状況からぬけだせずに、資金繰りも難しくなっていきます。この時期には、早急に改善策を検討し、迅速かつ的確な対応が大切になってきます。事業計画を見直し、在庫の圧縮、コストの削減、営業体制の再構築をしていきましょう。

    実現可能で評価の高い事業計画とするために気をつけること

    実現可能で評価の高い事業計画とするために気をつけるべきところを紹介していきます。下記8点になります。

     

    ①要点を整理してまとめること

    ②様式を統一すること

    ③グラフや表を用いて視覚的に見やすくすること

    ④競合企業と市場についての調査をおこなうこと

    ⑤根拠資料を必ず準備すること

    ⑥第三者からのフィードバックを受けること

    6W2Hに気をつけること

    ⑧整合性のある内容にすること

    要点を整理してまとめること

    実現可能で評価の高い事業計画とするために気をつけるべきことの一つ目は、「要点を整理してまとめること」です。事業計画書はダラダラと記載していると、他人が読んだ時に分かりにくい文章になってしまいます。

     

    他人に伝わらなくては事業計画書を作成しても意味がありません。適宜ポイントをまとめて、簡潔に記載していくようにしましょう。

    様式を統一すること

    実現可能で評価の高い事業計画とするために気をつけるべきことの二つ目は、「様式を統一すること」です。フォーマットを統一させるためには、文字サイズと文字のフォントを統一するということです。そこが統一されていないと読む人にずさんな印象を与えてしまいます。

     

    タイトルと本文は文字サイズを変更させると分かりやすくなるので、タイトルは12pt、本文は10ptなどと決めておくようにしましょう。一方で、文字のフォントや形式はタイトルや本文であっても統一するようにしましょう。

    グラフや表を用いて視覚的に見やすくすること

    実現可能で評価の高い事業計画とするために気をつけるべきことの三つ目は、「グラフや表を用いて視覚的に見やすくすること」です。文章だけでなく、図表を入れて一目で分かりやすいようにしましょう。

     

    また、視覚的に見やすい工夫をするということはデータを図表で表すことになるので説得力も増します。事業計画書は他者に説明するだけでなく経営者自身が自社の事業を可視化するためでもあります。自身が振り返った時に分かりやすいように、「見やすい工夫」をするようにしましょう。

    競合企業と市場についての調査をおこなうこと

    実現可能で評価の高い事業計画とするために気をつけるべきことの四つ目は、「競合企業と市場についての調査をおこなうこと」です。唯一無二の事業というのはほぼなく、事業を始めるにあたり競合はつきものです。

     

    競合調査・市場調査をしっかりおこないまとめることも事業計画書では大切なポイントとなります。商品やサービスの品質、技術、商品の価格、販売方法などを、当社の弱みや強みと比較して総合的に分析しましょう。

    根拠資料を必ず準備すること

    実現可能で評価の高い事業計画とするために気をつけるべきことの五つ目は、「根拠資料を必ず準備すること」です。事業計画書に記載する事柄には根拠が必要です。収支見込みについては特に根拠が求められます。

     

    事業計画書のなかの資金計画では売上や利益の計画が強気すぎると説得力がかけてしまいますし、弱気すぎれば経営を維持することができないと見られてしまいます。バランスを考えつつ、つじつまが合うように作成していく必要があります。

    第三者からのフィードバックを受けること

    実現可能で評価の高い事業計画とするために気をつけるべきことの六つ目は、「第三者からのフィードバックを受けること」です。事業計画書が一旦できあがった段階で、専門知識を持った第三者(同業他社、金融機関の知人や担当者、公認会計士など)に依頼して、経営者だけでは気がつかなかったことや、資金調達する際に修正した方が良い点など、アドバイスをもらうようにしましょう。

    6W2Hに気をつけること

    実現可能で評価の高い事業計画とするために気をつけるべきことの七つ目は、「6W2Hに気をつけること」です。

     

    6W2H」とは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「Whom(だれに)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How much(いくらで)」という英単語の頭文字をとって表記された、ビジネスの基本となるフレームワークです。事業計画書では、「6W2H」に注意して、要点をわかりやすくまとめることで、読みやすさが格段にアップします。

    整合性のある内容にすること

     実現可能で評価の高い事業計画とするために気をつけるべきことの八つ目は、「整合性のある内容にすること」です。

     

    先ほど、事業計画書には根拠資料を必ず準備しましょうとお伝えしました。事業の内容を記載する際、収支見込みや資金計画などについてはしっかり整合性のとれているものを記載しなくては、説得力のない事業計画書になってしまいます。記載している内容は整合性のとれたものになっているか、確認して作成をすすめるようにしましょう。

    まとめ    事業計画をたてた後は適切な基準のもとで評価していこう

    事業計画は策定するだけではいけません。事業計画をたてた後にどのように評価していくかをしっかり理解し、適切な基準のもとで評価していくようにしましょう。

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