事業計画とはなに?事業計画の目的や必要な項目など基本的な概要を解説

    記事公開日: 2023.09.13

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    事業計画書とは

    事業計画書とは、企業の事業内容や経営戦略を社内外に説明するための書類です。収益の見込みや今後どのように事業を運営していくのかなどを詳しくまとめていきます。

     

    具体的に言えば、「誰」に「何」を「どのように」提供するのか、それをする「根拠」や「強み」は何か、どれくらいの「利益」を見込んでいるのか、事業を運営するにあたりどれくらいの「資金」が必要となるかを、誰でも分かるようにまとめます。

     

    また、事業計画書を簡単に説明すると経営者が考えている事業戦略を文章としてまとめて誰でも分かるようにしたものを指します。頭の中でだけ考えていると事業計画は曖昧なもので終わってしまいますが、文章にまとめると必要なことが明確になります。

     

    そして、文章にまとめる時に誰に対して伝えたいのかを考えるとより訴求力が高い事業計画書になります。

    事業計画書は何のために作成するのか

    それでは、事業計画書は何のために作成するのでしょうか。事業計画書は融資審査の際に必要な書類となります。

     

    また、自社の事業内容を客観的に見直すきっかけにもなる書類なので、事業が行き詰まってしまった時はコンサルタントに提出する書類としても事業計画書は役立ちます。作成する理由を一つひとつ解説していきます。

    事業内容を明確化するため

    事業計画書を作成する一つ目の理由は、「事業内容を明確化するため」です。事業計画書はどんな事業で、どんな収益モデルになっているのかを言語化・可視化していくものです。

     

    売上目標や事業の目標など、経営者が頭で考えていたことを書き出していくことになるので、ビジネスパートナー、投資家、金融機関、専門家、社員など事業に関わる人たちに経営者の考え(事業の方向性や根拠)を共有することができます。

     

    そうすることで、関わる人たちと歩みを合わせて事業運営をしていくことができるようになります。そのため、事業計画書は誰が読んでも分かりやすく、納得できるように、すべての事柄を具体的かつ明確に記載する必要があります。

    金融機関などから融資を受けるため

    事業計画書を作成する二つ目の理由は、「金融機関などから融資を受けるため」です。事業計画書は資金調達する際、金融機関に融資審査の資料として役に立ちます。金融機関の審査では「返済能力があるのか」という点を重視しています。

     

    そのため、借りる側がいくら口頭で「返せます」と言っても根拠がないため信用はできません。事業計画書は事業の進め方や収益モデル、その根拠を具体的かつ明確に記載することが重要です。

     

    また、融資審査には経営者の熱意も大切な判断基準となりますので、事業内容に加えて、融資審査の担当者に経営者自身の情熱が伝わるように記載していきましょう。

    事業の方向性を共有するため

    事業計画書を作成する三つ目の理由は、「事業の方向性を共有するため」です。事業計画書は社内・社外どちらにも情報を知らせるために作成します。

     

    事業計画書は、事業そのものが実現可能かどうかもしっかり見極め、事業そのものの優位性や独自性をしっかり検証するようにしましょう。

    経営者の思考整理のため

    事業計画書を作成する四つ目の理由は、「経営者の思考整理のため」です。先ほどもお伝えした通り、事業計画書は経営者の頭のなかを整理して、社内外の方に事業の方向性などを知らせるためのものです。

     

    作成するにあたり、経営者自身の思考整理も可能になります。事業計画書を作成する際、「誰」に「どのような事業」を「何のため」におこないたいか、そして「どんな収益モデル」にしていくのかをしっかり頭のなかで整理して、言語化・可視化するようにします。

    事業計画書に記載すべき項目とは

    ここからは事業計画書を作成していきましょう。事業計画書には記載すべき記載項目は10あります。

     

    ①社名や住所

    ②経営者の経歴

    ③事業内容

    ④会社の理念・ビジョン

    ⑤自社の強み(セールスポイント)

    ⑥市場における自社の状況

    ⑦資金計画

    ⑧収支計画

    ⑨将来計画

    ⑩その他

     

    それでは、記載項目を詳しく解説していきます。

    社名や住所

     事業計画書に記載すべき項目の一つ目は、「社名や住所」です。事業計画書では事業内容を記載する前に、会社の概要を整理します。社名、屋号、所在地、電話番号を記載します。また、ウェブサイトのURL、メールアドレス、代表者名、株主構成などもあわせて記載していきます。

    経営者の経歴

    事業計画書に記載すべき項目の二つ目は、「経営者の経歴」です。企業は創業段階の場合、実績や信用もありません。

     

    経営者自身の経歴やスキル、人柄などを知ると経営者を信用することに繋がります。企業がおこなう事業の内容や、経営者の経験・人脈・実績を示し、自分自身をどのように売り込むかを考えて具体的に記載していきましょう。

     

    また、事業計画書を作成するために経営者自身の経歴を書き出します。そのため、自分自身を見つめ直す機会になりますので、些細なことでも気づきがあれば書き出しておきましょう。

    事業内容

    事業計画書に記載すべき項目の三つ目は、「事業内容」です。事業内容を記載する際、まずは事業のテーマや名称を記載していきます。

     

    自社が何をおこなっていて、何を目指しているのかを分かりやすくまとめることが大切です。事業名は短く、できれば20文字程度に収めて、覚えやすいものになっているかチェックしましょう。

     

    その後、おおまかな事業内容が分かるように、「誰」に向けて、「何」を「どのように」提供するのかを、シンプルにまとめます。

    会社の理念・ビジョン

    事業計画書に記載すべき項目の四つ目は、「会社の理念・ビジョン」です。会社の理念やビジョンは、会社がどうしてこの事業をおこないたいと思ったのか、事業を通して社会に何を提供したいのか、社会をどんな風に変えたいと思っているのかを世の中に伝えるものです。

     

    自社の熱意や他社との違いをしっかり伝えられる理念・ビジョンを考え、顧客や協力者を引きつける事業計画書にしていきましょう。

    自社の強み(セールスポイント)

    事業計画書に記載すべき項目の五つ目は、「自社の強み(セールスポイント)」です。企業が提供する商品やサービスで唯一無二であるというものはほとんどありません。

     

    そのため、「自社と他社の違い」「自社の方が優れているという強み」を見つけて、自社の事業をアピールしていきましょう。セールスポイントは誰にでも分かりやすいような表現で専門用語は使わずに記載するように心がけましょう。

    市場における自社の状況

     事業計画書に記載すべき項目の六つ目は、「市場における自社の状況」です。市場の現状や今後の見通しを分析するとともに、競合他社の状況を調べます。そして、新規でその事業に参入する企業として、自社はどのような強みがあるのかを記載します。

     

    また、経済情勢や法の制度など企業をとりまく外部環境も事業と関係が深いことなので背景として触れる必要があります。この分析については、客観的な統計や数字を用いてまとめるようにします。

    資金計画

    事業計画書に記載すべき項目の七つ目は、「資金計画」です。前述した通り、事業計画書は金融機関から融資の審査を受ける資料としても活用されています。

     

    そのため、資金計画をしっかりと記載することは最重要事項となります。事業計画を実行するためにはどのくらいの資金が必要となり、その資金をどのように調達する予定なのかを記載します。これは、実際に見積もりを取り、根拠のある数字を記載することが大切となります。

    収支計画

     事業計画書に記載すべき項目の八つ目は、「収支計画」です。収支計画は総額だけではなく、見積もりの根拠(1日の顧客数、平均客単価など)を示すことが大切になります。売上高を算出し、売上原価、必要経費(人件費、家賃、水道光熱費など必ずかかってくるもの)などを計算することで、利益を算出しておきます。顧客数については、市場の分析や同業他社の実績を参考にして設定すると良いでしょう。

    将来計画

     事業計画書に記載すべき項目の九つ目は、「将来計画」です。自社を将来的にどう発展させていきたいのか、社会にどのように貢献していきたいのかといった将来の計画を記載します。ここでは将来性のある企業であるということをしっかりと伝えていきましょう。

     ⑩その他

    最後に、記載すべき項目で紹介していないものを紹介します。「販売戦略」「主要な取引先・顧客」「社内体制」です。

     

    どんな商品・サービスを誰に対してどのように提供していくかを記載する際、どのような販売経路で、どのようなプロモーションをして顧客に認知してもらうのかを記載しましょう。

     

    また、どこの取引先のシェア率が高いかを記載することで、より透明性の高い事業計画書になります。最後に社内体制については、どのように経営判断し役割を分担しているか社内組織図を書くことで、他者にも業務内容が理解しやすくなります。

    事業計画書を作成する際に気をつけたいこと

     事業計画の作成で気をつけることは8点あります。

     

    ①要点を整理してまとめること

    ②様式を統一すること

    ③グラフや表を用いて視覚的に見やすくすること

    ④競合企業と市場についての調査をおこなうこと

    ⑤根拠資料を必ず準備すること

    ⑥第三者からのフィードバックを受けること

    6W2Hに気をつけること

    ⑧整合性のある内容にすること

     

    それぞれについて、詳しく解説していきます。

    要点を整理してまとめること

    事業計画書を作成する際の一つ目のポイントは、「要点を整理してまとめること」です。事業計画書はダラダラと記載していると、他人が読んだ時に分かりにくい文章になってしまいます。他人に伝わらなくては事業計画書を作成しても意味がありません。適宜ポイントをまとめて、簡潔に記載していくようにしましょう。

    様式を統一すること

    事業計画書を作成する際の二つ目のポイントは、「様式を統一すること」です。フォーマットを統一させるためには、文字サイズと文字のフォントを統一するということです。そこが統一されていないと読む人にずさんな印象を与えてしまいます。

     

    タイトルと本文は文字サイズを変更させると分かりやすくなるので、タイトルは12pt、本文は10ptなどと決めておくようにしましょう。一方で、文字のフォントや形式はタイトルや本文であっても統一するようにしましょう。

    グラフや表を用いて視覚的に見やすくすること

    事業計画書を作成する際の三つ目のポイントは、「グラフや表を用いて視覚的に見やすくすること」です。文章だけでなく、図表を入れて一目で分かりやすいようにしましょう。

     

    また、視覚的に見やすい工夫をするということはデータを図表で表すことになるので説得力も増します。事業計画書は他者に説明するだけでなく経営者自身が自社の事業を可視化するためでもあります。自身が振り返った時に分かりやすいように、「見やすい工夫」をするようにしましょう。

    競合企業と市場についての調査をおこなうこと

    事業計画書を作成する際の四つ目のポイントは、「競合企業と市場についての調査をおこなうこと」です。唯一無二の事業というのはほぼなく、事業を始めるにあたり競合はつきものです。

     

    競合調査・市場調査をしっかりおこないまとめることも事業計画書では大切なポイントとなります。商品やサービスの品質、技術、商品の価格、販売方法などを、当社の弱みや強みと比較して総合的に分析しましょう。

    根拠資料を必ず準備すること

    事業計画書を作成する際の五つ目のポイントは、「根拠資料を必ず準備すること」です。事業計画書に記載する事柄には根拠が必要です。収支見込みについては特に根拠が求められます。

     

    事業計画書のなかの資金計画では売上や利益の計画が強気すぎると説得力がかけてしまいますし、弱気であれば経営を維持することができないと見られてしまいます。バランスを考えつつ、つじつまが合うように作成していく必要があります。

    第三者からのフィードバックを受けること

    事業計画書を作成する際の六つ目のポイントは、「第三者からのフィードバックを受けること」です。事業計画書が一旦できあがった段階で、専門知識を持った第三者(同業他社、金融機関の知人や担当者、公認会計士など)に依頼して、経営者だけでは気がつかなかったことや、資金調達する際に修正した方が良い点など、アドバイスをもらうようにしましょう。

    6W2Hに気をつけること

    事業計画書を作成する際の七つ目のポイントは、「6W2Hに気をつけること」です。「6W2H」とは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「Whom(だれに)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How much(いくらで)」という英単語の頭文字をとって表記された、ビジネスの基本となるフレームワークです。

     

    事業計画書では、「6W2H」に注意して、要点をわかりやすくまとめることで、読みやすさが格段にアップします。

    整合性のある内容にすること

    事業計画書を作成する際の八つ目のポイントは、「整合性のある内容にすること」です。先ほど、事業計画書には根拠資料を必ず準備しましょうとお伝えしました。

     

    事業の内容を記載する際、収支見込みや資金計画などについてはしっかり整合性のとれているものを記載しなくては、説得力のない事業計画書になってしまいます。記載している内容は整合性のとれたものになっているか、確認して作成をすすめるようにしましょう。

    今すぐ使える事業計画書のテンプレート

     ここからは、今すぐ使える事業計画書のテンプレートを紹介します。

     

    ・日本政策金融公庫

    ・大東銀行

    ・京都銀行

    ・創業手帳

    Microsoft Office

    bizocean

    ・みんなのエクセルテンプレート

    ・経理プラス

    ・ボクシルマガジン

     

    上記のテンプレートを紹介します。

     

    日本政策金融公庫

    はじめに紹介するテンプレートは、「日本政策金融公庫」のものです。日本政策金融公庫とは、「一般の金融機関がおこなう金融を補完すること」をかかげ、国の中小企業・小規模事業者政策や農林漁業政策など、法律や予算で決められた範囲で金融機能を発揮している政策金融機関です。

     

    融資を受けるために必要な事業計画書の一番ポピュラーなものになりますので、まずは日本詮索金融公庫のホームページ(https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html確認してみましょう。

    大東銀行

    次に紹介するテンプレートは、「大東銀行」のものです。大東銀行では、法人のお客様のために、Excel形式の事業計画書をダウンロードすることができます。大東銀行のホームページ(https://www.daitobank.co.jp/business/support/support07.html)を確認してみましょう。また、Excel表には計算式が組み込まれており、自動で計算ができるようになっているので、注意するようにしましょう。

     

    京都銀行

    次に紹介するテンプレートは、「京都銀行」のものです。京都銀行では、法人や個人事業主のお客さまのために事業計画書のExcelシートをダウンロードすることができます。京都銀行のホームページ(https://www.kyotobank.co.jp/houjin/download/index.html)からダウンロードしてみましょう。また、京都銀行のテンプレートにも計算式が組み込まれ、自動計算できるようになっています。

    創業手帳

    次に紹介するテンプレートは、「創業手帳」のものです。創業手帳では、多くの経営者や金融機関が使っている事業計画書のテンプレートをまとめてあります。オンラインで作成するものは、創業手帳会員登録ページ(https://user.sogyotecho.jp/signup)より創業手帳の無料会員になると、オンラインの事業計画書作成ツールを使うことができます。

     

    また、起業する時に必要な書類のテンプレートなども無料でダウンロードできますので、ぜひ登録してみてください。また、紙で作成する用のテンプレートもあります。

     Microsoft Office

    次に紹介するのは「Microsoft Office」のものです。テンプレートに従って項目に数字を入力するだけで事業計画書を作ることができます。テンプレートは楽しもうOfficehttps://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/result.aspx?id=13288)からダウンロードしましょう。

    bizocean

    次に紹介するテンプレートは、「bizocean(ビズオーシャン)」のものです。bizoceanは、その業界ごとのテンプレートがダウンロードできます。個人事業主やフリーランスの方も使いやすいフォーマットが入っています。また、WordExcelPower PointPDFなど様々な形式の書式がアップされています。bizoceanのテンプレートはHPより確認ください。(「事業計画書」の書式テンプレート/フォーマットのダウンロード|bizocean(ビズオーシャン)

    みんなのエクセルテンプレート

    次に紹介するテンプレートは、「みんなのエクセルテンプレート」のものです。みんなのエクセルテンプレートは、ホームページhttp://all-excel.net/c_jigyoukeikaku.htmlExcel形式の事業計画書を公開しています。

     

    事業計画書以外にも事業で必要なさまざまなテンプレートが公開されていることがこのサイトの特徴です。もし、必要なテンプレートがない場合はリクエストすることも可能となります。

    経理プラス

    次に紹介するテンプレートは、「経理プラス」のものです。経理プラスで紹介されている事業計画書は比較的シンプルなもので、入力する部分も少なく簡単なので、事業計画書の作成初心者にはおすすめのテンプレートです。また。損益計算書もついているので、具体的な数値を説明することも可能です。一回でいくつかのテンプレートをダウンロードすることができるのも魅力の一つです。経理プラス(https://keiriplus.jp/template/jigyokeikakusho/)からダウンロードできます。

    ボクシルマガジン

    最後の紹介するのは、「ボクシルマガジン」のものです。ボクシルマガジンで紹介されている事業計画書はここで紹介したテンプレートの中で一番シンプルなものです。

     

    「開業動機」「実績」「サービス」「セールスポイント」の4つの要素でまとめることができ、A4サイズ1枚でおさまります。ボクシルマガジンを使用する場合は、損益計算書の準備ができている方におすすめです。ボクシルマガジン(https://boxil.jp/mag/a2086/)からダウンロードできます。

    まとめ    事業計画書を作成して事業に必要な要素を可視化しよう

     事業計画書は、事業の方向性や目的・動機・目標を整理し決定させ、事業を成功させる大事なものです。自社で一から作成するのは難しいですが、さまざまなサイトで紹介しているテンプレートを活用し、事業に必要な要素を可視化していきましょう。

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