事業計画書を作成していると、
「自分の考え方で合っているのか分からない」
「この事業計画書で融資が通るのだろうか」
と不安に思う方も多いかと思います。
特に、作成することに慣れていなければ、不安になりますよね。
そんな時に選択肢の1つとして挙がるのが、コンサルタントを雇うか否かです。ところが、どんなメリットがあって、自社は依頼するべきかどうか、判断するのも迷うというのが本音ではないでしょうか。
そこで今回は、事業計画書の作成をコンサルタントに依頼するメリット・デメリットや、迷っている時に判断軸になる5つのチェックポイントをご紹介します。
モヤモヤしている時間がもったいないと感じている方にとっては、ヒントになる視点が満載ですので、ぜひお役立ていただければ幸いです。
1.事業計画書の作成を支援するコンサルタントとは
事業計画書のコンサルタントは、目的に沿った事業計画書が作成できるように、支援をする人たちのことを指します。様々な会社の事業計画書の作成支援をしているため、ノウハウを豊富に持っており、完成度の高い事業計画書を作れる可能性が高くなります。
コンサルタントを名乗るために必要な資格はありませんが、会計の専門家である公認会計士や、税金のプロである税理士、中小企業診断士などの有資格者が作成を支援するケースも多々あります。
ただし、事業計画書を作るのは、何かしらの目的を達成するためです。そのため、コンサルタントに依頼するにしても、どんな結果が欲しいのかを明確にする必要があります。
一例として、以下のような目的が考えられます。
- 融資を受けたい
- 会社の明るい未来を描きたい
- 社内外の利害関係者に会社の方針を示したい
事業計画書の作成はコンサルタントに任せても問題なし?
中には、「事業計画書を社外の人に任せていいの?」と不安になる方もいるかと思います。
結論、全く問題ありません。事業計画書の作成を社外のコンサルタントに依頼してはいけないという法律は無いですし、むしろ完成度が高いものが出来上がるなら、それに越したことはありません。
事業計画書の作成をコンサルに任せた場合の費用
事業計画書の作成をコンサルタントに任せた場合、費用は依頼する会社によって異なります。どこまでの業務を依頼するかによっても変わりますが、数万円~数百万円とかなり幅が広いです。
コンサルタントへの依頼を検討する際には、どんな業務を、どのくらいの費用で、どのようにサポートしてくれるのか、を予め明確にしておいた方が良いでしょう。
高額なコンサル料を請求する会社もあるため、後からこんなはずじゃなかったとならないように、合い見積もりを取りながら、十分に検討されることをおすすめします。
2.事業計画書をコンサルタントに任せるメリット
ここからは、事業計画書の作成をコンサルタントに任せた場合の、4つのメリットをご紹介します。
①時間を削減できる
事業計画書の作成をコンサルタントに依頼すると、時間の削減になります。専門的なノウハウを持っているため作成がスムーズに進みますし、会社によっては、作成業務そのものを代行してくれるからです。
ものづくり補助金の公式ホームページで公開されている「事業計画書の作成時間」に関するデータを見ると、平均作成時間が約70時間になっています。(5次公募までの集計結果)
この時間が削減できると考えれば、作成を依頼するのは非常に意義のあることだと言えます。
出典:ものづくり補助金総合サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
コンサルタントに事業計画書の作成を依頼できれば、社長や社員が本来取り組むべき仕事に、リソースを集中させることができます。
②より精度の高い事業計画書が作れる
より精度の高い事業計画書が作れることも、コンサルタントに依頼するメリットです。というのも、コンサルタントが蓄積しているノウハウを活かして、目的を達成するために必要な要素を事業計画書に盛り込めるからです。
ものづくり補助金の公式ホームページで公開されている「支援者の関与」に関するデータを見ると、自社で事業計画書の作成に取り組んだ際の採択率が36.2%だったのに対し、専門家からの支援を受けた場合は43.1~58.2%と明らかに採択率が上昇しています。(5次公募までの集計結果)
出典:ものづくり補助金総合サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
餅は餅屋ですので、目的から考えれば、コンサルタントに依頼するのは悪くない選択肢と言えるでしょう。
③事業計画の見直しになる
コンサルタントに依頼することで、事業計画自体を見直すことにもつながります。多くの会社の事業計画書を見てきたコンサルタントの目から見れば、抜け漏れが発生している箇所が見つけやすいからです。
一生懸命に計画を作れば作るほど、客観的な視点は忘れてしまいがちです。そのため、第三者の視点を入れるという意味でも、コンサルタントに作成を依頼する意義はあると言えます。
④事業計画書の運用までサポートしてくれる会社もある
コンサルタントによっては、事業計画書の運用まで面倒を見てくれる会社もあります。事業計画書は作って終わりの資料ではありませんので、作成した時の想いや工程を理解しているコンサルタントに運用まで見てもらえるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
例えば、事業計画書と実績の差異分析を行い事業に反映させたり、計画を見直したりと、作成後もチェックをすることで会社運営に役立ちます。
依頼するコンサルタントがどこまで面倒を見てくれるのか、予め確認しておくと良いでしょう。
3.事業計画書をコンサルタントに任せるデメリット
事業計画書の作成をコンサルタントに任せる場合、いくつかデメリットも生じます。ここでは、4つのデメリットをご紹介します。
①費用が発生する
事業計画書の作成を依頼すると、当たり前ですが費用がかかります。どこに依頼するかで支援内容も異なりますし、費用も数万円~数百万円と、大きく異なります。
依頼する場合は、事前に見積りを出してもらい、費用感を確認することをおすすめします。
②オリジナル性に欠ける可能性がある
事業計画書の作成をコンサルタントに委ねると、自社で一から作成した場合に比べて、オリジナル性に欠ける可能性があります。コンサルタントはある程度の型を持っているため、そこに当てはめようとする場合があるからです。
通り一辺倒の内容では評価を受けにくいので、ノウハウとしての型は持ちつつも、オリジナル性も表現してくれる支援会社を選ぶことが大切です。
③自分の知識・経験になりにくい
事業計画書の作成を代行してくれるコンサルタントの場合、自社で作成に携わる機会が少なく、ノウハウが貯まりません。そのため、事業計画書を作成する度に、コンサルタントを雇わなくてはいけない可能性が出てきます。
中長期的な視点を持ってノウハウを貯めていきたい会社にとっては、デメリットになり得ます。
④コンサルタントと相性が合わない場合がある
依頼したコンサルタントと、相性が合わない可能性もあります。両社の温度感が異なる場合、やる気が出なかったり、作業がなかなか進まなかったりで、進捗に影響が出る可能性もあります。
例えば、経営者からすれば、不安な心理状態を汲み取って背中を押して欲しいのに、コンサルタントが数字にしか興味がなく、経営者の心理的なフォローを面倒に感じているタイプであれば、上手くいかないことは目に見えています。
実力や実績は重要ですが、それと同じくらい、コンサルタントとの相性も重要です。
4.事業計画書の作成をコンサルタントに依頼するか迷っている時のチェックポイント5選
「コンサルタントに依頼したいとは思ってるけど、何となく足踏みしてしまう・・・」
そんな風に悩まれている方は、以下の5つのチェックポイントを、自社に当てはめてみてください。
- 事業計画書を作るのが初めてで、作り方が分からな
- より精度の高い事業計画書にしたい
- 事業計画書の作成に時間を取れない
- 他人の目を入れることで、自社の計画に見直しをかけたい
- 作って終わりではなく、その後の運用まで視野に入れたい
1つでも当てはまるのでしたら、コンサルタントに依頼するのに十分価値があると言えます。また、ポイントをチェックするうえで、自社がどんなことを目的に事業計画書を作りたいのか、明確にしておくと良いでしょう。
5.事業計画書の作成を依頼できる支援機関
事業計画書の作成支援は、会計事務所・税理士事務所、公的機関、専門のコンサルタントなどに依頼することができます。それぞれに特徴がありますので、目的を明確にしたうえで、選択することをおすすめ致します。
会計事務所・税理士事務所
会計士や税理士といった資格保有者や、会計・財務のエキスパートから支援を受けられます。そのため、専門性の高い知識を活用した精度の高い事業計画書が期待できます。
また、常に会社の数字を扱う立場にあるため、事業計画書の作成だけにとどまらず、月次決算や決算書の作成まで一貫して支援してくれる事務所もあります。
さらに、金融機関出身の担当者から支援を受けることができれば、金融機関が重視しているポイントを押さえたうえで、アドバイスをくれるでしょう。
公的機関
商工会議所などの公的機関でも、事業計画書の作成支援を受けることができます。
第三者からのフィルターを通ったコンサルタントから支援を受けられるメリットがある一方で、強みが明確でなかったり、提案が一般的な内容である可能性が高いです。
そのため、融資を受けたいなど、目的が明確な場合に関しては、あまり相性は良くありません。
専門のコンサルタント
事業計画書の作成を専門としているコンサルタントも存在します。融資や助成金などの資金調達に強みを持ち、その支援実績を売りにしています。
会社によって費用はまちまちですが、専業のコンサルタントであるため、費用が高くなるケースもあります。
まとめ
今回は、事業計画書の作成をコンサルタントに依頼するメリット・デメリットや、迷っている時のチェックポイントについてご紹介してきました。まとめると、次の通りです。
コンサルタントに任せるメリット |
コンサルタントに任せるデメリット |
①時間を削減できる |
①費用が発生する |
②より精度の高い事業計画書が作れる |
②オリジナル性に欠ける可能性がある |
③事業計画の見直しになる |
③自分の知識・経験になりにくい |
④事業計画書の運用までサポートしてくれる会社もある |
④コンサルタントと相性が合わない場合がある |
また、もしコンサルタントに依頼するのを迷っているのでしたら、以下のチェックポイントに当てはまるか、確認してみてください。
- 事業計画書を作るのが初めてで、作り方が分からない
- より精度の高い事業計画書にしたい
- 事業計画書の作成に時間を取れない
- 他人の目を入れることで、自社の計画に見直しをかけたい
- 作って終わりではなく、その後の運用まで視野に入れたい
相性の良いコンサルタントと組むことができれば、自社で事業計画書を作成するのに比べて、何倍もの効果を発揮することができます。ぜひ、上記の項目を自社に当てはめてみていただければ幸いです。
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