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    経営戦略と混同しやすいキーワードまとめ

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    記事公開日: 2022.09.01

    ビジネス書や新聞などでよく目にする言葉「経営戦略」。

     

    自分が経営する会社の将来を考えたときに「経営戦略」が必要なことは感じているものの、似たような用語がたくさんあって混乱するという方も多いのではないでしょうか。

     

    そこで今回は、企業を経営する上で欠かすことができない「経営戦略」と、類似するキーワードをリストアップし、それぞれの基本的な考え方や役割・関係性、それぞれの違いについて詳しく解説します。

    ⒈ 経営戦略とは

    経営戦略とは、経営ビジョンを達成するための方策のことを言います。

     

    とはいえ、経営ビジョンについての理解が曖昧な方もいるかもしれません。経営戦略と密接に関係している「経営理念」「経営ビジョン」についても確認しておきましょう。

     

    「経営理念」は、会社の基本となる価値観や信条、理想とする姿などをまとめた、会社の存在意義と直結するものです。

     

    「経営ビジョン」は、経営理念に基づき経営者が目指す会社の将来像(目標)をまとめたもので、従業員が経営者の考えている会社の方向性や将来の目標を理解するうえで必要になります。

     

    そして、経営ビジョンをどのように実現するかをまとめた、会社全体の方策が「経営戦略」です。どの事業を始め、どの事業をやめるか、各事業へのリソースの配分はどうするかなど、長期的・大局的な視点で策定します。

     

    経営戦略を持たない会社の経営は、海図や羅針盤を持たない航海と同じように、自分の位置や向かっている方角が正確に把握できないため、目的地(目標)に到着できるかどうかは運まかせです。

     

    ここまでをまとめると、会社の基本哲学「経営理念」を実現するための会社の将来像が「経営ビジョン」であり、「経営ビジョン」を達成するための方策が「経営戦略」になります。

    経営戦略と経営戦術

    経営戦略と混同しやすい用語に「経営戦術」があります。

    「経営戦術」とは、経営戦略を実現するために必要な、個別テーマに対する具体化された手段のことです。

     

    例えば、経営戦略が「業界の中で最も安価な商品を提供する」とした場合には、経営戦術は「低価格の商品の実現」と言うテーマに対し、原料価格・製造費・輸送費・販売費などの削減を可能にする具体的な手段になります。

     

    最近よく見られる、「販売価格を引き下げる」ために、「運営に費用がかかる店舗は持たずにインターネット上だけで商品を販売する」というのも経営戦術の一つです。

    経営戦略と経営計画

    経営戦略を実行する上で重要な「経営計画」についても、意味を確認しておきましょう。

    経営計画は、経営戦略の実行に必要な目標・タイムスケジュール・費用・手段・実行組織などを明確にした具体的な行動計画のこと。経営ビジョンの実現ためには欠かせないものですが、次のようなケースでも非常に重要な役割を担っています。

     

    • 経営者の考えを全社で共有し、効率的に事業を推進する
    • 将来性をアピールし、資金調達を行う
    • 資金の使い道とその効果を明確にし、融資を受ける
    • 株主、投資家、有力取引先などの理解を得る

     

    また、経営計画には「期間」によって次の3種類があります。

     

    1. 1.長期経営計画:10年程度の期間で、経営ビジョンと等しく会社の方向性を示す。
    2. 2.中期経営計画:3〜5年間における経営計画で、具体的な数値目標や戦略も含まれる。
    3. 3.短期経営計画:1年間の経営計画で、部門別計画や各従業員の行動計画も含まれる。

    2.経営戦略と違う?よく似たキーワード

    経営に関わっていると「経営戦略」以外にも様々な戦略について考える必要があります。そして、「経営戦略」とそれぞれの戦略の違いをしっかり理解することが大切です。

     

    下記では「経営戦略」とよく似た戦略をリストアップして解説します。

    事業戦略

    経営戦略が全社的な戦略であるのに対し、事業戦略は個々の事業についての戦略です。ただし、単一事業だけを行う会社の場合、事業戦略は経営戦略と等しい位置付けになります。

     

    事業は、商品を顧客に提供し対価を得る継続的な活動です。そのため、経営戦略の策定には、業界の動向、市場環境、競合他社の存在、自社の強み・弱みなどを分析し、目標達成のための最適な方策の選択が重要となります。

     

    さらに、事業を構成するマーケティング・商品・営業・人事・ITなどの各セクションの戦略である「機能別戦略」も必要です。

    マーケティング戦略

    マーケティング戦略とは、機能別戦略の一つで、「市場」「顧客」「商品」「販売方法」及び「競合他社との差別化の手法」を明確にしたものです。

     

    一般的なマーケティング戦略策定のプロセスは次のようになります。

     

    1. 1.ターゲティング(市場の分類)
    2. 2.ポジショニング(ターゲット市場の選択)
    3. 3.ポジショニング(ターゲット市場における立ち位置の決定)
    4. 4.マーケティングミックス(商品、価格、販売チャネル、プロモーションなどの決定)

     

    また、単一事業からなる会社においては、マーケティング戦略は直接経営に影響するため経営戦略や事業戦略と並んで重要な役割を担います。

    営業戦略

    営業戦略とは、機能別戦略の一つで、会社のリソースを活用し効率よく売上目標を達成するための方策です。

     

    マーケティング戦略は事業活動の枠組み全体を強化するのに対し、営業戦略は商品販売の強化に特化し、マーケティング戦略やその他の機能別戦略とも連動しながらより効率的な販売方法を具体的に示します。

     

    また、商品の販売チャネルが、店頭販売、訪問販売、TV・新聞・雑誌、自社webサイト、Eコマース、SNSなど多様化している現在では、営業戦略も販売チャネルごとに策定しなければなりません。

    人事戦略

    人事戦略とは、機能別戦略の一つで、事業戦略の実現のために最適な人材を採用、育成、配置するための方策です。

     

    人事部門はどちらかというと労務管理や給与計算業務などの管理業務を行う裏方のイメージが強いかもしれませんが、経営戦略や事業戦略から求められる人材を分析し確保することで、目標達成に大きく貢献します。

     

    人事戦略を策定するには、正社員、限定正社員、契約社員、派遣社員などの多様な雇用形態の検討や、業務内容によっては在宅勤務や海外からのリモートワークなども視野に入れて、柔軟に対応しなければなりません。

    IT戦略

    IT戦略とは、機能別戦略の一つで、事業戦略の実現のために情報技術(IT)の導入や活用を推進する方策のことで、経営戦略にも深く関わります。

     

    現在では、ITの導入は業種に関わらず会社の成長には欠かせないものとなっていますが、会社には「創業期」「成長期」「成熟期」「衰退期」というライフステージがあり、ITが活用できる範囲や投資できる予算も一律ではありません。

     

    そのため、IT戦略は業種・ライフステージ・予算などに合わせて策定することが大切です。

    3.優れた経営戦略の策定方法 3例

    経営戦略に並ぶ、経営上策定が必要な「戦略」について解説してきましたが、ここでは「経営戦略」をさらに細分化した「〇〇戦略」についてご紹介します。

     

    取り上げるのは、米国の経営学者 マイケル・E・ポーターが1980年に出版した「競争の戦略」の中で紹介している「3つの基本戦略」。現在でも多くの企業が実践している優れた経営戦略です。

    コストリーダーシップ戦略

    徹底した低コスト体質を実現し、競合他社よりも低価格で製品やサービスを提供する戦略です。低コスト体質は、高い市場シェア、独自の技術力、原材料の安価な入手などによって実現されます。

    差別化戦略

    製品設計、ブランド・イメージ、顧客サービス、流通などのいずれかに、経営資源を集中し競合他社と差別化を図り、業界内で独自のポジションを獲得する戦略です。差別化を成功させるためには、市場から受け入れられることがまず大切なので、市場のニーズやウォンツを正しく把握する必要があります。

    集中戦略

    特定の地域や顧客などの特定セグメント(細分化された市場)に対して経営資源を集中し、その上でコストリーダーシップまたは差別化を実施する戦略です。市場を細分化しすぎると事業規模が小さくなってしまうので、適度な細分化を行い魅力的な市場を発見することが重要となります。

    まとめ:まずは、主力事業の「事業戦略」からスタート

    ここまで「経営戦略」および、類似するキーワードについて解説してきました。全体を整理すると次のようになります。

     

    経営戦略 ⇨ 経営戦術 ⇨ 経営計画

       ⇩

    事業戦略 ⇨ 事業戦術 ⇨ 事業計画

       ⇩

    機能別戦略(マーケティング戦略、営業戦略、人事戦略、IT戦略など)

     

    このように、「戦略」は会社全体から事業部、各セクションへと徐々に細分化・具体化されていきます。

     

    そして、それぞれの戦略には戦術が策定され、さらに短期・中期・長期の行動計画によって全社員が目標達成に向けて活動することができるのです。

     

    初めて経営戦略の策定にチャレンジする場合には、まず、主力事業の事業戦略から始めることをおすすめします。その際には、マイケル・E・ポーターの「3つの基本戦略」もぜひ参考にしてみてください。

     

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