事業承継の相談先として候補の1つとしてあがるのは“税理士”ではないでしょうか。
会社のことを良く知っていて、身近な第三者の中でコミュニケーションも多いため相談しやすいはずです。
但し事業承継という大きな問題に対して相談相手が「本当に顧問税理士だけで良いのだろうか」と考えるのも当然の心理状況です。
そこで今回は事業承継と税理士の関わりについて解説していきます。
1.事業承継と税理士の立ち位置
事業承継の相談先として税理士が挙げられることが多いですが、それはなぜなのか解説していきます。
1.1 事業承継の相談先として税理士が1番
データとしても事業承継の相談は税理士(=会計事務所)に1番相談されていることがわかります。以下は事業承継の相談先を表した表となっており、経営者はまず税理士に相談していることがわかります。
※引用 2019年版中小企業白書
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf
相談先として税理士の割合が多い理由としては、会社の事業承継における課題を把握しているからとなります。
具体的な課題を抜粋すると、
・後継者の育成、教育
・事業の将来性
・自社株の対策、納税金額のシミュレーション
・金融機関との調整
となります。
毎月会計という側面からアプローチしている税理士が網羅的に理解しており、適度なコミュニケーションが取れ、第三者として適切なアドバイスがもらえるため第一候補となりやすいと考えられます。
1.2 事業承継の進め方と依頼できる業務内容
実際に事業承継の相談できる内容は多岐に渡っております。
一般的な事業承継の流れとして大きく分けると3ステップで、
①事業承継計画の作成
②実現方法の検討
③①②に基づき実行
となります。
基本的には①~③まで相談可能で特に②~③の部分に強みを持っている税理士が多いです。
逆に①は一般的なコンサルティング会社の方が強みを持っているケースもあるため、分業して事業承継を進めていくこともあり得ます。
具体的に相談先と依頼できる内容をまとめたものが下表になります。
それぞれは以下のように定義します。
〇:1つの相談先で完結できる相談先
△:他の機関と連携しながら進めていく相談先
×:依頼できない相談先
全てを網羅できるのは税理士と金融機関しかないことが表からお分かりいただけると思います。
その中でも金融機関は提携先の税理士や司法書士を巻き込みながら進めていくため紹介会社としての意味合いが強く、実質1つの相談先で完結できるのは税理士となります。
故に1.1でも紹介したように相談先として1番多くなります。
1.3 費用
費用は何を依頼するかによって変わってきます。
代表的な依頼内容の金額は以下の金額帯になることが多いです。
・事業承継計画の作成 10万~30万/月
・組織再編の実行(合併・分割・株式交換など) 100万~
・M&Aの実施 300万~
・相続対策の実行(遺言書作成・信託・税制の活用など) 100万~
上記はあくまでも参考価格で、実際には会社の純資産や総資産といった規模や実行した際の節税効果を加味して決まることもあります。
また登記の変更が入ることも多く、別途実費精算となって追加でおおよそ50万円程かかることを想定しておくと良いかもしれません。
2.事業承継を税理士に依頼すべき2つの理由
1.2で相談内容の幅広さから税理士が相談を受けることが多いと記載しましたが、データからもわかる通りそれ以外の相談先でもできます。
なぜ税理士に相談したほうが良いかの理由を具体的に紹介していきます。
2.1 顧問税理士が会社のことを一番理解している
顧問税理士が会社のことを一番理解していると言っても過言ではありません。
毎月の記帳代行や給与計算、税務申告の業務から“どのような得意先と付き合いがあるか”や“従業員の給与はどの程度か”、“会社の価値(≒株価)はどの程度か”など数字を基にして得られる情報がたくさんあるためです。
そしてそれらの情報の全てが事業承継を進めるにあたっての重要な情報となってきます。
前提条件や共通言語の豊富さが他の相談先機関と圧倒的な差があるため、論理的にも感情的にも分がある税理士に相談することがスムーズに進める上で大事になってきます。
2.2 事業承継は税務に関わる部分が多くスムーズに進められる
どのような引継ぎの選択肢を取っても事業承継と税務はセットで考えていく必要があります。それぞれの選択肢ごとの税務対応をまとめたものは以下のようになります。
特に1~3に関しては、あくまでも一例で子供や親族に承継する場合でも株式を譲渡(=売買)する場合もありますし、M&Aで会社を譲る場合でも直前に株式の贈与が発生する場合もあるため流動的ですが税務と密接に関係してくることはお分かりいただけると思います。
相談先が多くなればなるほど、やり取りの煩雑さが増します。また中小企業の経営者はプレイングマネージャであることも多いため、なるべくスムーズに行いたい場合の相談先として顧問税理士が一番良いでしょう。
3.事業承継の税理士選びを上手く進めるためには
前章で税理士に相談すべきとお伝えしましたが、実際にどのように選ぶと良いかのポイントを3つ紹介します。
3.1 顧問税理士に中長期の方針を共有しておく
事業承継を考えたタイミングで、抽象的でも構わないので顧問税理士に中長期の方針を共有するようにしましょう。共有することのメリットは以下の2点になります。
①時間軸によって取れる選択肢が変わってくる
②顧問税理士が事業承継に強いかどうかがわかる
まず①に関して、事業承継対策の実行には時間を要する場合があります。そのため経営者が描いている対策が、1年後だと難しいが5年後だと実現できるというケースもあります。
理想と現実のギャップを無くすためにも早くから相談をして計画を練り、策を講じていくことが大事です。
②は前提として、税理士にはそれぞれ得意分野があります。もしかすると顧問税理士が得意ではない可能性があるため早めにヒアリングしておくことが重要です。もし得意でないことが早くわかれば他の税理士やコンサルティング会社に依頼をする時間も心の余裕もできますが、切羽詰まった状態のときだと限りある選択肢から選ばざるを得なくなり、上手く進まない可能性もあります。
3.2 セカンドオピニオンとして他の会社にも聞いてみる
事業承継は1つの意見だけを採用するのではなく、セカンドオピニオンをもらうことも重要です。事業承継とは明確な正解がある課題ではなく、誤った選択をしてしまうと会社の未来を大きく変える可能性があります。そのため慎重に進めていくことが大事です。
また税理士によっても事業承継の内容に得意不得意があるため、その方が得意な承継方法を勧められるということも考えられます。
相談だけなら無料で行ってくれるコンサルタント会社も多いので、提案や金額の妥当性を再確認する意味でもぜひ色々な意見を交えて進められると良いでしょう。
3.3 業務提携先がある税理士かどうか
1.2でも触れた通り、事業承継の選択肢すべてを相談先1社で完結できる機関はなく、他と連携しながら進めていくことになります。もし相談先の税理士が他と全く連携できない方だとすると、経営者の方が各種機関とそれぞれやり取りをしていく形となります。専門的な知識をある程度習得した上で進めなければならなく、0から始めた時の時間と労力を考えると大きな重荷となることでしょう。
そのため提携先の有無は事業承継を相談する税理士を選ぶ上で大きな判断軸となります。
理想の相談フローは以下のような流れとなります。
相談を受けた税理士が各種機関と調整を行い、必要な処理や確認事項の依頼をお願いする形となります。内容に応じて各機関同士も連携して一つの課題を解決していくため、ワンチーム(=チームコンサルティング)で対応してくれるかどうかも重要な選ぶポイントの一つとなります。
4.事業承継に困ったら古田土会計グループにご相談ください
実際にどこに相談したらよいか少しでも疑問に思ったらまずは古田土会計グループ(https://www.kodato.com/)に一度相談してみてください。メリットを3点紹介します。
4.1 年間200件以上の事業承継の相談に対応
古田土会計グループは年間200件以上の事業承継の相談を受けているため、幅広い相談に対応することができる点があげられます。
グループ全体で2024年6月現在4,000社のお客様(=顧問先)がいらっしゃいます。事業承継は全く同じ事例ということは考えられないため、言い換えると4,000通りの事業承継と関わりがあると言えます。
いくつかのご相談事例を紹介すると
・相続対策をどのように行っていけばよいか
・HD体制を敷きたいがどのようにしたらよいか
・M&Aを行いたいがどのように進めていくとよいか
といったよくあるご質問から
・親族外の株主から株の買取請求をされているがどのように対応したらよいか
・親族内の仲がとても悪くて会社をどのように引き継いだらよいかわからない
・会社を経営者の物ではなく社員の物にしたいので社員持株会を設立したい
といったイレギュラーなご質問まで受け付けることができます。
また質問の回答も理想論でとどまらずに実例に基づいてアドバイスができるため、進める上での注意点や他社事例のヒヤリハットも聞くことができます。
事業承継の進め方はもちろんのこと、同業他社にはない「事業承継のその後」も知ることができるため、事業承継の成功確率を少しでも上げたい場合はセカンドオピニオンでも構わないので相談してみてください。
4.2 幅広い提携先があるためワンストップで完結できる
古田土会計グループの特徴として幅広い提携先があるのも魅力の一つです。下図はグループで対応できる範囲になります。
それぞれの分野に精通している外部連携先もあるため、事業承継は当然のこと経営に関する内容を全て網羅しているとも言えます。
故に部署を横断した内容や外部機関との連携も日常的に行っております。
3.3でも紹介しましたが、事業承継は提携先の豊富さも重要な要素となります。
「古田土会計グループに相談したら後はなんとかしてくれる」という安心感をお渡しできるのが特徴です。
4.3 同業者に対しても相談実績
古田土会計グループは同業の税理士にも事業承継の進め方を指導しており、事業承継の問題解決の質の部分が高いという裏付けのあることもメリットの一つです。
なぜ同業の税理士が古田土会計グループに相談をするかというと、4.1や4.2の特徴に加えて既存の顧問税理士と一緒に伴走しながら事業承継を進めてくれるからです。
顧問先数が少ないとそれだけ事例も少ないため、合っているかどうか不安になる同業者が多いです。そんな時に後ろから背中を押してくれる存在として利用する場合が多いです。
もちろん今まで接点が無い税理士とも一緒に進めることができますので、顧問税理士と一緒に事業承継を進めたいお考えの方も今までの関係性を崩すことなく進めていくことができるでしょう。
5.まとめ
事業承継において税理士との関係は切っても切れないものです。
上手く引き継ぐためにもぜひ一度弊社にお問い合わせください。
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