【脱・直感!】事業計画の振り返りがもたらすメリットと具体的なやり方を解説

    記事公開日: 2021.08.27

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    事業計画を作った後は、進捗を確認するために振り返りが必要不可欠です。

    しかし、日々の業務に追われ、振り返りができていない経営者の方が少なくありません。

     

    また、どのように振り返れば良いのか、悩まれている方もいらっしゃるかと思います。

    そこで今回は、事業計画を振り返るメリットや具体的なやり方を解説します。

     

    この記事をお読みいただくことで、事業の振り返りがスムーズにできるようになります。

    1. 事業計画を振り返る3つのメリット

    事業計画の振り返りは、経営の基本であり非常に重要です。

    しかし、振り返りを行うことでどんなメリットがあるかが分からなければ、わざわざ時間をかけて行おうとは思わないでしょう。

     

    そこで、事業計画の振り返りを行うとどんなメリットがあるのか、3つのポイントに絞って紹介します。

    ①計画と実績の差に気づける

    1つ目は、計画と実績の差に気づけることです。

    いち早く差に気づけば、対策を素早く打つことができます。

     

    実際、事業を進めてみたら思い通りにいかないことは山ほど出てきます。

    だからこそ、定期的に振り返りを行い軌道修正を図れば、当初の計画に近づく可能性が高まります。

     

    振り返りをせずに後になって気づいたのでは、手遅れになりかねません。

    ②振り返る度にノウハウが貯まる

    2つ目は、振り返る度にノウハウが貯まることです。

    振り返りを行い問題点が見つかったら、修正するための改善計画を考えて実行します。

     

    この問題発見と改善を繰り返すことで、経営のノウハウが蓄積されていきます。

    同じような問題が起こった際にも、ノウハウが蓄積されていれば以前より早く対処できます。

    ③利害関係者との関係性が良好になる

    3つ目は、利害関係者との関係性が良好になることです。

    なぜなら、振り返りを通して改善している様子を報告することで、関係者からの信頼が高まるからです。

     

    具体的には、融資を受けている金融機関、商品・サービスを提供しているお客様、取引先、社員など、多方面に展開することができます。

    関係者としても、未来が明るい会社と関わりたいと思っています。

     

    要注意!目標によってチェックポイントは違う

     

    事業計画を振り返る際のチェックポイントは、設定している目標や置かれている環境によって変わります。

    そもそも前提や目指しているゴールが違えば、チェックするべき内容も異なるからです。

     

    例えば、製造業や小売業のように仕入が与える影響が大きい業界であれば、仕入に関するチェック項目を設けた方が良いでしょう。

    一方、コンサル業のように仕入が発生しない業界では、仕入に関するチェック項目は必要ありません。

     

    その他にも、単価を上げることに注力した方が良い会社もあれば、販売数を増やした方がインパクトの大きい会社もあるなど、業界や会社ごとによってもチェックするべきポイントは異なります。

     

    そのため、自社の置かれた状況や目指すべきゴールを明確にして、そこに沿ったチェックポイントを決めることが大切です。

    2. 振り返りが円滑になるフレームワーク3選

    事業計画を振り返る際には、フレームワークの活用もおすすめです。

    今回は、事業計画の振り返りに限らず、さまざまなシーンで活用できる3つのフレームワークを紹介します。

    YWT

    個人の成長を促すのに優れたフレームワークです。

    YWTは、「やったこと」「わかったこと」「次にやること」の頭文字をとっています。

     

    行動から気づいたことを書き出して客観視し、次の行動へとつなげます。

     

    やり方はシンプルで、まずは、やったことの意図と工夫を記述して、結果を確認します。

    続いて、やったことの結果からわかったことを書き出します。

    そのわかったことを踏まえて、次にやることを具体的に記載します。

     

    例えば、次のようにYWTを使います。

     

    <Y>やったこと:行動の意図と工夫を記述、結果を確認

    作業場が散らかっているので、安全のために整理整頓したい。

     

    バラバラに置かれていた工具を一か所にまとめるために、工具置き場を設置して、工具の使用後は必ず元の位置に戻すというルールを決めた。

     

    結果として、工具が片付き、整理整頓が浸透した。さらに、作業時間が短縮した。

     

    <W>わかったこと:行動の結果に対して、なぜそのような結果が得られたかを考察

    整理整頓には、ルール作りが大切である。

    また、整理整頓は業務の効率化につながる。

     

    <T>次にやること:わかったことを踏まえた具体的な次のアクション

    整理整頓により業務が効率化することがわかった。

    次は、在庫管理の現場で新たなルールを定めて、整理整頓を実施し業務効率化を図る。

    KPT

    仕事やプロジェクトの改善のためによく使われるフレームワークです。

    KPTは、「Keep」「Problem」「Try」の頭文字をとっています。

     

    やり方ですが、まずは、Keep(良かったこと、継続したいこと)とProblem(うまくいかなかったこと、改善点)を書き出します。

    そして、それぞれについてチームでの話し合いを通じて客観的な分析を行います。

    最後に、Try(今後の取り組み)することを決めます。

     

    YWTが良し悪しを判断せずに、行動したことの気づきを可視化することがポイントだったのに対して、KPTは行動の良し悪しを可視化することがポイントになっています。

     

    例えば、次のようにKPTを使います。

    これは、売上を改善するための営業チームのプロジェクトにおける振り返りです。

     

    <K>Keep:良かったこと、継続したいこと

    ・利用者にヒアリングを行い、自社の商品についての感想を聞き取った。

     ⇒商品の良い点や、改善すべき点が分かった。

    ・朝礼の中で、一日の行動目標を各担当に報告させるようにした。

     ⇒目標を明確にすることで、営業活動が盛んになった。

     

    <P>Problem:うまくいかなかったこと、改善点

    ・利用者に行ったヒアリングは、担当によって内容や手法が異なり、まとめることが困難。

     ⇒ヒアリング方法の手順化が不十分だった。

    ・各担当の行動目標が異なるため、評価や管理がしにくい。

     ⇒報告させる行動目標の立て方が統一されていなかった。

     

     <T>Try:今後の取り組み

    ・利用者にヒアリングを行うための手順書を作成する。

    ・アンケート用紙を作成して、ヒアリング項目を明確にする。

    ・一日の行動目標を、数値化できる共通の目標にする。

    ・一日の行動目標を、評価・管理に役立てる。

    PDCA

    業務を継続的に改善するために広く使われているフレームワークです。

    「Plan」「Do」「Check」「Act」の頭文字をとっています。

     

    やり方は、次の4ステップを繰り返します。

    1. Plan(計画):現状や目標とする数値から計画を作成
    2. Do(実行):計画に沿って業務を実行
    3. Check(評価):計画通りに業務が実行されているかを検証
    4. Act(対策):計画通りでない部分を改善

     

    例えば、次のようにPDCAを行います。

    1. Plan(計画):Web広告を掲載して、商談件数を増やし、商品を20個販売する。
    2. Do(実行):計画に沿ってWeb広告を掲載し、営業活動を行った。
    3. Check(評価):Web広告を掲載したものの、商談件数が増えずに、商品を15個しか販売できなかった。
    4. Act(対策):Web広告の掲載方法を変更して、商談件数を増やす。

    3.事業計画を振り返る際の5つのポイント

    どうせ振り返りを行うなら、より効果的に行いたいものです。

    ここでは、事業計画を振り返る際の5つのポイントを紹介します。

    ①どれだけ進んでいるかより、どれだけ残っているか

    1つ目は、計画がどれだけ進んでいるかよりも、どれだけ残っているかをチェックした方が良いということです。

    なぜなら、計画には期限があるため、残日数で目標が達成できるか知る必要があるためです。

     

    例えば、売上目標を2億円と設定しているのであれば、1.6億円まで達成したと振り返るのではなく、残り3ヵ月であと4千万円足りないという具合に振り返ります。

     

    いつまでに、どのくらいの目標を達成しなければいけないかが明確になれば、打つべき対策が実態に即したものになります。

    ②月に一度は振り返る

    2つ目は、月に一度は振り返りを行うということです。

    計画と実績の差がある時も、すぐに手を打って軌道修正ができるからです。

     

    また、可能であれば毎月同じ日時に振り返りを行うのがポイントです。

    対象期間が統一されていないと、本当の意味で正しい振り返りができないからです。

    例えば、ある月が20日間、他の月が35日間というデータでは、比較になりません。

    ③誰が見ても分かる資料を使う

    3つ目は、誰が見ても分かる資料を使うことです。

    振り返りは次なる対策を考えるために行うので、資料が分かりにくく、参加者の認識がずれてしまっては目的を果たせないからです。

     

    一度フォーマット化してしまえば、チェック漏れや記入ミスを防ぐことができ、集計も迅速になります。

    また、担当者が入れ替わった場合も、資料がフォーマット化されていれば、引継ぎがスムーズにでき、正しいデータ収集を継続できます。

    ④進捗率ではなく差額を見る

    4つ目は、計画と実績の差を見る際に、進捗率ではなく差額を見るということです。

    進捗率だけを見ると計画が進んでいる気になって、どのくらい差があるのかが分かりにくいからです。

     

    例えば、進捗率99.8%と聞くと目標達成までもう少しと思うかもしれませんが、差額が400万円と聞くと受ける印象は変わるはずです。

    そのため、進捗率ではなく差額に目を向け、目標との差を検討するようにします。

    ⑤詳細を細かく聞く

    5つ目は、下から上がってきた報告だけで流さず、詳細を細かく聞くということです。

    というのも、現場の担当者が認識している感覚が本当に正しいとは限らないからです。

     

    例えば、売上目標に対して70%を達成していたため、この調子で行けば目標を達成できると思っていたところ、実は、残りの30%については、まだ商談が進んでいる案件がなく、見込み客すらいないといったケースがあるかもしれません。

     

    事業計画の振り返りを行う際は、工程表だけを見てチェックするのではなく、きちんと細部まで突っ込んで確認することが大切です。

    4. 振り返りの効果を倍増させる4大手法

    ここでは、振り返りの効果を倍増させる4大手法を紹介します。

    ①一般社員にも参加してもらう

    1つ目は、一般社員にも、振り返りの場に参加してもらうことです。

    経営者からすれば現場の声を聞く機会になりますし、社員としても自分の役割が明確になり、仕事に対するモチベーションが高まるからです。

     

    逆に社長や経営幹部だけで振り返りを行うと、一般社員は目標を自分事化しにくくなります。

    もちろん、会社によってどこまで数字を公開していいかは変わるので、無理のない範囲だけでも公開していくことが大切です。

    ②第三者から客観的にアドバイスをもらう

    2つ目は、第三者から客観的なアドバイスをもらうことです。

    専門家による視点を取り入れることで、現場では見えなかった改善点に気づき、効率的に事業を進めることが可能です。

     

    例えば、会計事務所、金融機関、コンサルタントの方などが該当します。

    数字が分かっている専門家に依頼するのがおすすめです。

    ③金融機関の立場でチェックする

    3つ目は、金融機関の立場でチェックすることです。

    なぜなら、金融機関は事業計画の進み具合を見て、今後も融資をするか判断するからです。

     

    できれば、金融機関の担当者にも意見を聞いたり、融資に強いパートナーに協力してもらうのがよいでしょう。

    相手の目線に立つことで、金融機関とも良好な関係が維持できます。

    ④手で記入して振り返る

    4つ目は、手で記入して振り返ることです。

    手で記入することで、イヤでも現状に直視する機会が生まれるからです。

     

    予めフォーマットを用意しておき、目標と実績を並べて記入するのがおすすめです。

    今では便利なツールがあるので手書きでなくても振り返りはできますが、あえて手書きにすることで数字が頭に残ります。

    5.事業計画を振り返った後の対処法

    計画を振り返った後は、具体的な対策が必要です。

    ここでは、伝説の社長専門コンサルタントとして名をはせた、故 一倉定 氏が提唱した、計画と実績の差に対する対処法をご紹介します。

    実績>計画の場合

    実績が計画を上回る場合、さらに販売を強化します。

    なぜなら、当初の想定よりもお客様のニーズが多いことが分かるからです。

     

    なお、販売は量的な強化を実行し、質的な強化はその後にします。

    実績=計画の場合

    実績が計画と同等の場合、さらに販売を増大させる策が何かを考えます。

    もしかしたら、まだ気づいていないチャンスがあるかもしれないからです。

     

    このケースでは、先に質的な販売強化を行い、次に量的な対策を実施します。

    実績<計画の場合

    実績が計画を下回る場合、対策は2通りに分かれます。

     

    まずは、当初の方針通りに販売活動が行われたかを確認します。

    仮に方針通りの販売活動が行われていなければ、方針を徹底させることが先決です。

     

    次に、方針通りに活動が行われていれば、売上高の傾向を確認します。

    上昇傾向であれば方針を継続し、経過観察を行います。

     

    下降傾向であれば、商品と販売方法に関して、それぞれ1回ずつの修正にとどめ、向上しない場合は機を見て切り捨てることも考えます。

    お客様の要求がない商品を、いつまでも扱っていても仕方ないからです。

    まとめ

    今回は、事業計画を振り返るメリットや、フレームワークを使った具体的な振り返り方法、事業計画を振り返る際のポイントについて解説してきました。

     

    事業計画の振り返りは経営の基本ですから、定期的に行うことが大切です。

     

    ただし、一度に全てをやろうとすると負担が大きくなりますので、まずはできることから進めてみてはいかがでしょうか。

     

    なお、事業計画の振り返りに役立つ『月別利益計画フォーマット』を無料でプレゼントさせて頂きますので、事業の振り返りの際に有効活用されてみてください。

     

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