組織の業績を向上させるためにはマネジメント能力がない上司に対して適切な対策をする必要があります。しかし、マネジメント能力がない上司に対してどのように接すればよいのかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、マネジメント能力がない上司の特徴や与える悪影響、適切な対策法を解説します。この記事を読めば、マネジメント能力がない上司に対する対応策が理解できるため、組織が業績向上しやすい環境構築へとつながるでしょう。
マネジメント能力がない上司の特徴10選
マネジメント能力不足な上司にはさまざまな特徴があり、以下の10種類が挙げられます。
- 無責任
- スケジュール管理ができていない
- コミュニケーション能力がない
- 感情のコントロールができていない
- 意思決定能力がない
- 問題解決能力がない
- 臨機応変に対応できない
- 部下の声に耳を傾けない
- 指示の内容が曖昧
- 部下の能力を引き出せない
マネジメント能力がない上司の特徴を理解することで、逆にどのような人物が適性があるのかを理解しやすくなります。ここで特徴を理解し、マネジメント能力がない人物に対して対策に努めましょう。
①無責任
マネジメント能力がない上司の特徴として、無責任であることが挙げられます。一般的に無責任な上司は、マネジメントの基本スキルや経験が不足しているため、部下への指示や判断が適切でなく、責任を回避する傾向があるといわれています。そのため、組織内でトラブルが発生した際に、言い訳ばかりをする場合は無責任でマネジメント能力がない上司といえるでしょう。
また、トラブルが発生した際に自身のミスなのに部下に責任を押しつける場合や言い訳をする場合も組織内の雰囲気を乱しているといえます。組織内の秩序を保つためにも、無責任なマネージャーに対しては迅速な対応をするべきです。
②スケジュール管理ができていない
スケジュール管理ができていない点も、マネジメント不足な上司の特徴の1つです。目標を達成するために組織を運営する立場であるのにも関わらず、スケジュール管理ができていないのはマネジメント業務をおこなっていないことになるからです。
そのため、全体と部下のスケジュールを把握したうえで計画通りに業務を進める必要があります。
③コミュニケーション能力がない
コミュニケーション能力がない上司はマネージャーとしてふさわしくありません。部下に対して仕事の指示を出す場合や他部署とスケジュール調整をする場合などコミュニケーションを取ることが求められる場面が多々存在するからです。
コミュニケーション能力がない人物が業務へ携わることになったら、部下に出すはずの指示を適切に伝えられず組織内に混乱をもたらす可能性があります。また、他部署に迷惑をかけてしまう場合も考えられるでしょう。
業務をスムーズに遂行するためにも、マネージャーはコミュニケーション能力を兼ね備えておく必要があります。
④感情のコントロールができていない
感情のコントロールが困難な上司はマネジメントができません。感情のコントロールができないと組織内のメンバーへ迷惑をかけてしまう傾向があるからです。
具体的には、発言に一貫性がないことから部下のモチベーションを低下させてしまい、組織内のパフォーマンスを低下させてしまう可能性があります。部下のモチベーションを低下させないためにも、マネージャーは感情のコントロールができるようにしておくべきです。
⑤意思決定能力がない
マネジメントが困難な上司の特徴として、意思決定能力がないことが挙げられます。上司が明確な意思決定が困難な場合は、どのように行動すればよいのかが分からず部下が混乱する原因になりやすく、業務効率の低下へとつながる恐れがあるからです。
また、意思決定能力がないマネージャーは上司として頼りにくく感じるでしょう。上司と部下との信頼関係を構築しやすくするためにも、マネージャーは意思決定能力を習得しておくべきです。
⑥問題解決能力がない
問題解決能力がない場合はマネジメント不足の上司の可能性が高いです。部下が解決できない問題に立ち止まってしまった場合に解決方法を導くのは上司の仕事だからです。そのため、組織で問題が発生しているのに解決しようとしない上司は職務放棄しているといえるでしょう。
マネージャーは組織内で問題が発生した場合は、問題解決に向けた適切なアドバイスや一緒に対策を考えるなどの行動をした方がよいです。
⑦臨機応変に対応できない
マネジメントができない上司の特徴として、臨機応変に対応できないことが挙げられます。思いがけないトラブルが発生した場合には、マニュアル以外の方法で対策が求められる可能性があります。
その場合にマネージャーが混乱してしまうと、業務の生産性低下へとつながってしまい、信用を喪失してしまうかもしれません。
⑧部下の声に耳を傾けない
部下の声に耳を傾けない上司もマネジメントには不向きといえるでしょう。それぞれの部下の考えや行動を理解して得意なことを把握し、スキルを引き出すことが重要になるからです。
マネージャーが部下の声に耳を傾けず業務の指示を下すだけでは、メンバーとの信頼関係を構築できずモチベーション向上につながりません。また、その結果として離職率が上昇してしまう可能性があります。
メンバーが高いモチベーションを保って業務へ取り組めるようにするためにも、マネージャーは部下の声に耳を傾ける必要があります。
⑨指示の内容が曖昧
指示の内容が曖昧な上司もマネジメント業務には不向きです。部下へ明確な指示を提示し、メンバーが感じる迷いを解消することで組織を正しい方向へ導いていくことが求められているからです。
部下への指示の内容が曖昧な場合、上司がしてほしい業務と部下が実施する業務内容に齟齬が生じてしまい、生産性低下につながります。効率的に業務を進めていくためにも、マネージャーは明確な指示を下せる人物であるべきです。
⑩部下の能力を引き出せない
部下の能力が引き出せない上司もマネジメント業務には向いていないといえます。部下の能力を引き出して組織を目標達成へと導くのが主な仕事だからです。そのため、部下が何の業務が得意で、何が苦手なのかは明確に理解しておく必要があります。
部下の能力を引き出すためにも、メンバーの意見へ耳を傾けて得意な業務と苦手な業務を理解しようとする姿勢が大切です。
マネジメント能力がない上司が与える悪影響とは
マネジメント能力がない上司が組織に与える影響は幅広く、具体的には以下の7つを解説します。
- 職場環境の悪化
- 優秀な人材の流出
- 業務の偏り
- 顧客に悪い印象を与える
- 新しいことを挑戦しづらい
- 人材育成の停滞化
- 目標が達成しづらい
マネジメント不足な上司に対して適切な対策をするためにも、まずは組織へどのような悪影響を与えるのかを理解した方がよいでしょう。ここで解説した悪影響を理解したうえで、マネジメント不足な上司に対して対策をしてください。
職場環境の悪化
マネジメント能力がない上司が与える悪影響として、職場環境の悪化が挙げられます。能力不足なマネージャーは部下の意見へ耳を傾けない場合や臨機応変な対応ができずにメンバーへ身体的・精神的な負担を強いる恐れがあるからです。
職場環境の悪化につながれば、組織の生産性低下や離職率上昇へと陥る可能性があるため、マネジメント能力がない上司へは早急な対策が求められます。
優秀な人材の流出
優秀な人材の流出もマネジメント能力がない上司が与える悪影響の1つといえます。脳力不足なマネージャーは適切なスケジュール管理ができなかったり、曖昧な指示を出したりして部下へ精神的な負担を強いてしまうからです。
基本的に優秀な人材の多くは自分がさらに成長できる環境へ身を置きたいと考えているため、マネジメント能力がない上司の下で働き続けたら成長しにくくなります。優秀な人材が流出してしまうと、組織全体の成長も停滞してしまうかもしれません。
能力不足の上司は、優秀な人材が流出して組織へ大打撃を与えてしまうほど悪影響を与える人物なのです。
業務の偏り
業務の偏りもマネジメント能力のない上司が与える悪影響といえるでしょう。マネジメント不足な上司は仕事の割り振りを適切におこなうことができず、一部のメンバーに対する業務負担が重くなる可能性があるからです。
また、業務の偏りによって仕事を任せてもらえないメンバーがいると、業務経験を積むことができずにスキルを向上させる機会を喪失してしまいます。業務の偏りは組織の成長を停滞してしまうことにほかなりません。
組織の成長を促進させるためにも、業務の偏りが発生しないように留意しておく必要があります。
顧客に悪い印象を与える
顧客に悪い印象を与えることも、マネジメントできない上司が引き起こす悪影響の1つです。マネジメント能力が低い上司は適切にコミュニケーションが取れない傾向があるため、相手に失礼な態度を取ってしまう可能性があります。
また、部下のマネジメントを適切におこなえていないことから必要な業務の質を低下させてしまい、顧客の要望に応えることができないかもしれません。
顧客に悪い印象を与えると企業の売上低下に直結するため、上司のマネジメント能力不足は迅速に解決しなければいけない課題です。
新しいことに挑戦しづらい
新しいことに挑戦しづらい点も、マネジメントできない上司がもたらす悪影響です。無責任なマネージャーの姿を見ている部下は失敗を恐れて新しい挑戦がしにくくなる可能性があるからです。
新しいことに挑戦しづらい職場では、革新的なアイデアが生まれにくくなるため、組織の成長へとつながりません。組織の成長を促進させて業績向上につなげるためにも、新しいことに挑戦できる環境を構築することは大切です。
人材育成の停滞化
マネジメントできない上司がいると、人材育成の停滞化が発生する恐れがあります。上司のマネジメント能力が不足していると部下の業務に対するモチベーション低下につながりやすくなるため、より成長するために努力しようとする意欲が喪失する可能性があるからです。
基本的に人材育成を実現できている会社は、マネジメント能力が高い上司が部下の成長やモチベーションアップを促進させるためにサポートしています。人材育成を成功させるためにも、上司のマネジメント能力を高める必要があります。
目標が達成しづらい
目標が達成しづらい点も、マネジメント能力がない上司が周囲へ与える悪影響の1つです。基本的にマネージャーは組織の目標を達成するためにチームを指揮する状態であるものの、マネジメント能力が不足している上司だと適切な方向へ組織を導くことは困難です。
組織が目標達成をするためにはマネージャーが具体的な行動指針を部下へ提示して業務へ取り組む必要があります。しかし、目標が未達成の状態が続くと昇給や昇格の機会の喪失にもつながるでしょう。
組織が目標達成しやすい環境を構築するためにも、マネージャーが部下へ目標達成するための具体的な道筋を提示する必要があります。
マネジメント能力がない上司への対応策
マネジメントができない上司への対応策として、以下の7つが挙げられます。
- 上司へ自分の考えを丁寧に伝える
- 横のつながりを重視する
- エビデンスを残す
- 上司の上司への相談
- 距離を置く
- 異動や転職の検討
- 同僚などに相談
マネジメントできない上司を放置し続けたら、組織へ悪影響を与える一方です。これ以上組織が悪影響を受けることを防ぐためにも、マネジメント能力のない上司へ適切な対応をしてください。
①上司へ自分の考えを丁寧に伝える
マネジメント能力がない上司への対応策として、上司へ自分の考えを丁寧に伝えることが挙げられます。マネジメント能力が不足している上司の場合、現場の知識を適切に把握できていないため、誤った経営判断をしてしまう可能性があるからです。
上司へ自分の考えを丁寧に伝えれば、部下がどのような形で業務を進めていきたいのかが明確に理解できます。部下の考えを上司へ伝えられれば、メンバーが働きやすい職場環境の構築につながるため、業務の生産性向上にもつながります。
上司へ自分の考えを受け入れてもらいやすくするためにも、普段から仕事で結果を出してマネージャーに認めてもらえるような努力をすることも大切です。
②横のつながりを重視する
横のつながりを重視することは、マネジメント能力が不足している上司への対策に必要です。同じ組織に所属しているメンバー同士でマネージャーに対する悩みを共有するだけで、自身の精神的な負担の軽減へとつながるからです。
また、マネジメント能力が不足している上司がトラブルを起こした場合、同じ悩みを共有するメンバー同士で問題解決のための行動ができます。自分1人で抱え込まないようにするためにも、上司のマネジメント能力が不足していたら同じメンバー同士で横のつながりを重視しましょう。
③エビデンスを残す
エビデンスを残すことも、マネジメント能力不足の上司の対応策に適しています。マネジメント能力が不足している上司の場合、トラブルが発生した際に「そんな話は聞いていない」と責任逃れをする可能性があるからです。
そのため、テキストベースのチャットツールを用いて常に上司と連絡を取り合うように心がけましょう。上司から電話でのやり取りを希望された場合は、録音や録画をしてエビデンスを残しておく必要があります。
無責任な傾向がある上司の場合は、やり取りのエビデンスを残すように対策してください。
④上司の上司への相談
マネジメント能力不足の上司へ適切な対応をするためにも、上司の上司に対する相談を検討してください。理解力のある人物だった場合は、マネジメント能力不足の上司に対して適切な指導や対処をしてくれる可能性があるからです。
ただ、上司の上司に対して相談をしたことがバレた場合は、マネジメント能力不足の本人との関係が悪化する恐れがあるため、信頼できる人物の場合にのみ有効な対策方法です。
⑤距離を置く
マネジメント能力が不足している上司との距離を置くことも対策の1つです。マネジメントできない上司と接する機会が多い場合、不満や苛立ちから精神的な負担がのしかかる恐れがあるからです。
そのため、上司との接点は必要最低限にしてなるべく関わらないように距離を置くとよいでしょう。マネジメント能力が不足している上司と関わる機会を減らすことで、自身が感じていた精神的な負担の軽減へとつながる可能性があります。
⑥異動や転職の検討
マネジメント能力が不足している上司の対応として、異動や転職の検討が挙げられます。異動や転職を実際にすることで、マネジメント能力が不足している上司と接触する機会の軽減へとつながるからです。
とはいえ、異動の場合は部署を変更するだけなので、社内で元上司とすれ違う可能性はあることを把握したうえで結論を出しましょう。マネジメント能力が不足している上司の下で仕事をしていて疲れを感じるなどの場合は、同僚や人事部などへ相談したうえで、異動や転職を検討するべきです。
⑦同僚などに相談
信頼できる先輩や同僚などに相談することも、マネジメント能力が不足している上司の対策に適しています。マネジメントできない上司と関わって感じるストレスは大きいため、話を聞いてもらえるだけでストレスの軽減につながるからです。
また、先輩社員へ相談する場合は、マネジメント能力不足の上司への対策や適切な回避方法などを聞いて実践してみてもよいかもしれません。会社に関係する人物へ相談し、自身の精神的な負担の軽減へとつなげましょう。
マネジメント能力があってもないと思われることもある?
マネジメント能力があるのにも関わらず、部下からは能力がないと思われている可能性もあります。マネジメント能力があるのに部下からはないと思われる理由は以下の4つです。
- 部下との距離調整が苦手
- 感情を直接ぶつけすぎている
- 部下に対して適切なフィードバックをしない
- 見通しを話さない
部下に何故か冷たくしてしまう場合や必要以上に仲良くなろうとしている場合は、マネジメント能力がないと思われる恐れがあるので気をつけましょう。部下に対して感情を直接ぶつけすぎていると、自分の感情も管理できないマネジメント能力がない上司と思われる可能性があります。
また、部下の業務への取り組み方を見てフィードバックをしないと、どの行動を積極的におこなうべきなのか、改善するべきなのかが理解できません。部下の成長を促進させるためにも、定期的にフィードバックをすることが大切です。
そして、組織がおこなっている業務へ取り組んでいる理由を説明しないと、何のために業務へ取り組んでいるのかが部下は理解できません。業務に対するモチベーションを向上させるためにも、業務へ取り組んでいる目的を部下へ共有するべきです。
部下から知らない内にマネジメント能力のない上司と勘違いされないようにするためにも、上記の4つの対策を心がけてください。
マネジメント能力がない上司は反面教師にして自分に活かそう
マネジメント能力のない上司の特徴として、無責任や感情のコントロールができない、臨機応変に対応できないなどが挙げられます。また、職場環境の悪化や業務の偏りなどによって、組織へ悪影響をもたらす可能性が高いです。
組織へ悪影響をもたらすことを防ぐためにも、上司へ自分の考えを丁寧に伝えたり、距離を置いたりするとよいでしょう。マネジメント能力のない上司とのかかわり方を理解したい方は、本記事を参考にしてください。
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