事業計画にコンセプトは必要?事業計画の柱ともいえる事業コンセプトの作り方を徹底解説

    記事公開日: 2023.11.22

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    事業コンセプトとは、自社が展開しているビジネスの内容や考え方です。事業計画の柱である事業コンセプトを作成すれば、事業計画を円滑に進めたり、外部からの信用を得やすくしたりすることができます。

     

    しかし、事業コンセプトを作成する際に具体的にどのようなことに気をつければよいのかと悩んでいる方も多いでしょう。そこで今回は、事業コンセプトを作成する目的や作る際のポイント、具体例を解説します。

     

    本記事を読めば、事業コンセプトを作成する際に気をつけるポイントや具体例を把握できるため、顧客が魅力的に感じるワードを設定できるでしょう。事業コンセプトを作成する予定の方は、本記事を参考にしてください。

    事業コンセプトとは

    事業コンセプトとは事業に対する考え方を内外に示すものです。事業コンセプトを作成する際は、ビジネスを展開する目的をどのように達成するのかを理解しやすく示す必要があります。

     

    また、自社の事業はどのような市場や顧客をターゲットにしていて、何のためにどんな商品やサービスを提供しているのかを具体的に示すとコンセプト設定がしやすくなります。

     

    コンセプトを明確にすると、自社の考え方に沿った商品やサービスを提供しやすくなるでしょう。もし、事業コンセプトを明確にしないままビジネスを始めてしまうと、どのように業務へ取り組めばよいのかが分からず、迷走してしまう可能性があります。

     

    適切な方向を向いてビジネスへ取り組めるようにするためにも、事業を始める際にコンセプトを決めておくべきです。

    事業コンセプトはなぜ必要なのか

    事業コンセプトを作成する目的として、以下の2つが挙げられます。

     

    • 事業内容を円滑に進めるため
    • 外部からの信用を得やすくするため

     

    ここで解説した目的を理解したうえで、事業コンセプトを作成してください。

    事業計画を円滑に進めるため

    事業コンセプトを作成する目的として、事業計画を円滑に進めることが挙げられます。事業コンセプトを作成すればビジネスの存在意義の可視化につながるため、今後事業計画書を作成しやすくなるでしょう。

     

    事業コンセプトを作成していなかった場合、事業の全体像が明確になっていないので事業計画書を用意しにくくなります。また、決断がぶれにくくなる所も事業コンセプトを作成する魅力の1つです。

     

    事業コンセプトを作成して自社のビジネスに対する信念を設定すれば、さまざまな課題に直面したとしても考え方にブレが生じにくくなるからです。

     

    課題に直面した際に事業コンセプトを見直せば、問題解決に取り組んだり優先順位を見失わずに判断したりできます。

    外部からの信用を得やすくするため

    事業コンセプトを作成することで周囲からの協力が得やすくなり、より円滑に計画を遂行することが可能になります。

     

    事業コンセプトは企業が用意したビジネスに対する熱い思いなので、その思いに共感した従業員や金融機関の関係者から協力を得られる場合があります。

     

    取引先と連携したり、金融機関から資金調達をしたりすることを検討している方は、事業コンセプトを作成するべきです。

    事業コンセプトとテーマの違いとは

    事業コンセプトとテーマでは、さまざまな違いがあります。例えば「今日の会議のテーマは新事業の候補についてです」と「テーマ」を「概要」のように使用した場合は、枕詞としても用いられている場合があります。

     

    その場合は「テーマ」は「概要」という意味になり、「物事のあり方」を意味する「コンセプト」とは使用方法が異なっているのです。また、テーマを「演出上の方向性」という意味合いで使用されている場合も、コンセプトと意味合いが異なります。

     

    例えば「この商品のデザインのテーマは料理です」とプレゼンをした場合は、コンセプトを実現する流れの1つに過ぎず、物事のあり方を決定するわけではないからです。上記のようにコンセプトとテーマは意味が大きく異なるので、明確に区別して理解する必要があります。

    事業コンセプトは「誰に」「何を」「どのように」を意識して作成する

    事業コンセプトで意識するポイントとして、以下の3つが挙げられます。

     

    • 「誰に」
    • 「何を」
    • 「どのように」

     

    ここで解説した内容を意識したうえで、事業コンセプトを作成してください。

    「誰に」

    事業コンセプトの「誰に」では、主要顧客としてどのような人々をターゲットとして定めているのかを決定する必要があります。ターゲットとする顧客を明確に定めておけば、顧客特有の悩みや傾向に沿った商品開発がしやすくなるからです。

     

    例えば、低カロリーのメニューを豊富に取り揃えている飲食店を開業しようとした場合は、以下のようにターゲットを設定できます。

     

    • 性別:女性
    • 年齢:25〜35歳
    • 職業:専業主婦
    • 交流関係は浅く広く、友人が多い
    • 最近趣味としてヨガにはまってる

     

    その結果として、商品やサービスで売りにするポイントを明確にできて顧客の悩みの解消につながる可能性があります。もし、ターゲットを定めることをせずにすべての顧客の心に響く商品開発をしていた場合、結果的に悩みの解消につながらない場合があります。

     

    特定のターゲットにとって印象に残りやすい商品やサービスを定めるためにも、商品を届けたい顧客層を決定するとよいでしょう。

    「何を」

    「何を」では、事業を提供することで顧客が得られるメリットを明確に定める必要があります。

     

    自社が開発した商品やサービスをPRする際に提供価値を顧客に提示したら、商品を購入してどのようなメリットが得られるのかが理解できるため、購買行動につながりやすいです。

     

    SWOT分析を活用して自社の強みを理解すると、どのような価値が提供できるのかが理解しやすくなるでしょう。SWOT分析とは、内部環境と外部環境の良い面と悪い面を洗い出す現状分析方法です。SWOT分析では、以下の4つの要素で構成されています。

     

    SWOT分析の要素

    説明

    強み

    自社の商品やサービスに良い影響を与える内部環境の要素

    例)品質の良さや豊富な人脈など

    弱み

    自社の商品やサービスに悪い影響を与える内部環境の要素

    例)料金の高さや知名度の低さなど

    機会

    自社の商品やサービスに良い影響を与える外部環境の要素

    例)競合店の少なさや競合店舗の品質の低さなど

    脅威

    自社の商品やサービスに悪い影響を与える外部環境の要素

    例)競合他社の需要の高さや近隣に競合店舗が出店したことなど

     

    上記のSWOT分析を活用して自社が顧客に提供できる価値を明確に設定して提示し、顧客が商品に対して興味を持てるように工夫をする必要があります。

    「どのように」

    「どのように」では、市場や提供方法を明確にする必要があります。例えば、高級品の市場で商品を提供するのとリーズナブルな価格で商品を提供するのとではコンセプトが全く異なります。

     

    自社が提供しようとしている商品やサービスはどの市場で戦うのがふさわしいのかを検討するうえで、市場選定をしましょう。また、商品やサービスをどのように提供するのかを明確に決定するべきです。

     

    飲食店でいえば、店舗で料理を提供する場合と配達で自宅に料理を提供する場合があるからです。提供方法を決定する場合は、どのようなターゲット設定にしているのかを加味して決めるとよいでしょう。

     

    60〜70歳の高齢者をターゲットにしている飲食店なのにも関わらず、駅から距離があるショッピングモールに店舗を開業してもターゲット層は来店しにくいです。ターゲット層に適切な商品を提供するためにも、適切な提供方法を選定する必要があります。

    事業コンセプトを作る際のポイント5選

    事業コンセプトを作成する際のポイントとして、以下の5つが挙げられます。

     

    1. 顧客が誰であるかを明確化する
    2. 商品やサービスの魅力を考える
    3. 競合他社との差別化を図る
    4. ビジネスモデルを明確化する
    5. なぜその商品やサービスが必要であるかを考える

     

    ここで解説したポイントを理解したうえで、事業コンセプトを作成してください。

    ①顧客が誰であるかを明確化する

    事業コンセプトを作成する際のポイントとして、顧客が誰であるかを明確化することが挙げられます。顧客が誰であるのかを明確化して事業コンセプトを作成することで、ターゲット層の心に響くワードを作り上げられるからです。

     

    そのため、明確化にしたターゲットに響きやすい事業コンセプトを作成することを心がけましょう。顧客が誰であるのかを明確化して、ターゲット層の心に寄り添った事業コンセプトを作り上げられるように努めてください。

    ②商品やサービスの魅力を考える

    商品やサービスの魅力を考えたうえで、事業コンセプトを作成することは大切です。商品やサービスに対する魅力を考えて事業コンセプトを作成しなければ、その商品に寄り添った内容のものでなくなってしまうからです。

     

    自社が唯一無二の事業コンセプトを作成する際は、商品やサービスの魅力を考えて内容を反映する必要があります。内容に反映することで、自社商品やサービス特有の色が事業コンセプトにも現れるからです。

     

    そのため、商品やサービスの魅力を考える際は以下の内容を検討してください。

     

    • 商品を購入したら顧客の暮らしにおいてどのような利便性が生まれるのか?
    • サービスを提供したらどのような人々の助けになるのか?

     

    商品やサービスの魅力を明確にしたうえで、唯一無二の事業コンセプトを作成しましょう。

    ③競合他社との差別化を図る

    競合他社との差別化を図らなければ変わり映えのない事業コンセプトになってしまうため、競合他社との差別化を図れるように工夫する必要があります。

     

    差別化を図れば、競合他社と違う内容のものが作成できるため、顧客に事業コンセプトを覚えてもらいやすくなるからです。例えば、競合他社にはない自社のみが所有している技術があれば、十分に差別化につながります。

     

    競合他社との差別化を図って、自社特有の強みを事業コンセプトに反映させましょう。

    ④ビジネスモデルを明確化する

    事業へ継続的に取り組むためには、ビジネスモデルを明確にする必要があります。ビジネスモデルは事業の利益が出る仕組みであり、利益を出さなければ継続的に事業へ取り組むことはできないからです。

     

    ビジネスモデルを明確化する場合は、以下の4つの要素を決めましょう。

     

    Whom

    誰をターゲットにしているのか?

    What

    どのような価値を顧客へ提供するのか?

    How

    どのように顧客へ商品やサービスを提供するのか?

    Why

    なぜ利益を生み出すことができるのか?

     

    上記の4つの視点を明確にすれば、事業の利益が出る仕組みが明確になります。事業コンセプトにビジネスモデルの色を反映させて、競合他社との差別化を図りましょう。

    ⑤なぜその商品やサービスが必要であるかを考える

    事業コンセプトを作成する際は、なぜその商品やサービスが必要であるのかを考える必要があります。顧客へ提供する価値を明確化して事業コンセプトに反映させることで、どのような会社なのかを理解しやすくなるからです。

     

    例えば、部屋の掃除をしたくて掃除機の購入を検討している顧客がいる場合は、部屋を綺麗にする状態を保てることに価値を見出しています。そのため、掃除機以外に手っ取り早く部屋の掃除ができるものがあれば、そちらの方がよい商品になります。

     

    顧客に対して良好な商品を提供し続けるためにも、商品やサービスの必要性を明確にしてください。

    事業コンセプトの例

    事業コンセプトの例として、以下の9つが挙げられます。

     

    • 「明日届く文房具」 アスクル
    • 「早い、安い、うまい」 吉野家
    • 「空の旅を世界一安く」 サウスウェスト航空
    • 「トータルセキュリティ」 セコム
    • 「知識・スキルを500円で売り買いできるマッチングサイト」 ココナラ
    • 「複数の人で自動車を共有して維持費を下げる」 カーシェア
    • 「電車の乗り換えをマップで便利に」 乗り換え案内
    • 「海辺でビーチの景色を静かに眺めながら新鮮な食材を楽しめるレストラン」 海辺レストラン
    • 「日本の伝統文化の継承をテーマとした雑貨や服飾のセレクトショップ」 セレクトショップ

     

    ここで紹介した事業コンセプトを理解したうえで、事業計画を作成してください。

    「明日届く文房具」 アスクル

    通信販売会社のアスクルの事業コンセプトは「明日届く文房具」です。アスクルの強みは自社物流によるスピーディーな発送です。全国9カ所の拠点を構えており、当日・翌日に配送することでスピーディーに商品を顧客へ提供しています。

     

    そんなアスクルが遅くても、翌日までに商品提供をしていることが理解できる事業コンセプトとなっています。

    「早い、安い、うまい」 吉野家

    牛丼チェーン店の吉野家の事業コンセプトは「早い、安い、うまい」です。吉野家は、競合他社よりもスピーディーに商品提供することを強みにしています。また、提供スピードもほかの外食チェーン店と比較して早いので、すぐに商品を食べることが可能です。

     

    吉野家は価格の安さよりも美味しさに力を入れており、原材料も国産のみにこだわっています。そんな吉野家の魅力がすべて詰まっている事業コンセプトといえるでしょう。

    「空の旅を 世界一安く」 サウスウェスト航空

    格安航空会社であるサウスウェスト航空は「空の旅を 世界一安く」を事業コンセプトに設定しています。サウスウェスト航空の強みといえば、低価格でサービスの提供を継続的に実施していることです。

     

    サウスウェスト航空はリーズナブルな価格で細かなサービスはほとんど無料で提供しているのにも関わらず、1973年以来ほぼ黒字をたたき出しています。そんな安さを追求した航空会社に適した事業コンセプトといえるでしょう。

    「トータルセキュリティ」 セコム

    セキュリティ会社のセコムの事業コンセプトは「トータルセキュリティ」です。セコムは警備業界で最も発信拠点数が多く、合計2,800ヶ所もあります。発信拠点とは、身に危険があったときにかけつけられるように警備員が配置されている拠点です。

     

    つまり、警備業界で最も発信拠点数が多いセコムはスピーディーに駆けつけられるようにしているのです。顧客の身を守る警備会社らしい事業コンセプトといえるでしょう。

    「知識・スキルを500円で売り買いできるマッチングサイト」 ココナラ

    Webサービスの開発や運営を手掛けているココナラは「知識・スキルを500円で売り買いできるマッチングサイト」をコンセプトとしています。

     

    ココナラの事業コンセプトを確認すれば、一目でどのようなサイトなのかが明らかです。ココナラの趣旨や主な価格訴求が事業コンセプトでできています。

    「複数の人で自動車を共有して維持費を下げる」 カーシェア

    自動車サービスを提供しているカーシェアの事業コンセプトは「複数の人で自動車を共有して維持費を下げる」です。カーシェアの事業コンセプトでは、顧客に与える価値を明確にしています。

     

    カーシェアの利用者の中には、自動車の維持費を下げたいという理由で利用を検討している方も多いでしょう。事業コンセプトで提供価値を明確にすることで、カーシェアのサービスに興味を持つ方が増加する可能性があります。

    「電車の乗り換えを マップで便利に」 乗り換え案内

    乗り換え案内は「電車の乗り換えをマップで便利に」を事業コンセプトにしています。乗り換え案内が顧客に対して「どのような価値を提供しているのか」「どんなシーンで使用できるのか」を明確にしています。

    「海辺でビーチの景色を静かに眺めながら新鮮な食材を楽しめるレストラン」 海辺レストラン

    海辺レストランの具体例として「海辺でビーチの景色を静かに眺めながら新鮮な食材を楽しめるレストラン」を事業コンセプトにできるでしょう。海辺レストランの事業コンセプトは、顧客に対する提供価値や提供方法が明確になっています。

     

    また「海辺でビーチの景色を静かに眺めながら」と記載していることで、食事に多少お金をかけられる30代以上とターゲットの選定も実施しています。

     

    海辺レストランの事業コンセプトは、会社のことを認知していない顧客でも興味を持ってもらえるきっかけになりやすいです。

    「日本の伝統文化の継承をテーマとした雑貨や服飾のセレクトショップ」 セレクトショップ

    セレクトショップの事業コンセプトは「日本の伝統文化の継承をテーマとした雑貨や服飾のセレクトショップ」です。「日本の伝統文化の継承」と記載することで、日本に愛着のある日本人や外国人をターゲットにしていることが分かります。

     

    また「日本の伝統文化の継承をテーマ」と記載しているので、日本各地に伝わる伝統工芸品を提供していることが理解できます。事業コンセプトの作成方法について悩みを抱えている方は、上記の具体例を参考にしてください。

    事業コンセプトは仮説と検証を繰り返そう

    事業コンセプトは、事業内容を明確化したり、外部からの信用を得やすくしたりするために作成します。また、事業コンセプトを作成する際は競合他社との差別化や商品やサービスの必要性を考えるとよいでしょう。

     

    本記事を参考にして事業コンセプトの作成方法を明確に理解することで、自社の特色を交えた唯一無二の事業コンセプトを用意してください。

     

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