事業計画を達成するカギはKPI?KPIを用いた指標設計の方法を解説

    記事公開日: 2023.09.21

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    事業計画書とは

    事業計画書とは、企業の事業内容や経営戦略を社内外に説明するための書類です。収益の見込みや今後どのように事業を運営していくのかなどを詳しくまとめていきます。

     

    具体的に言えば、「誰」に「何」を「どのように」提供するのか、それをする「根拠」や「強み」は何か、どれくらいの「利益」を見込んでいるのか、事業を始めるにあたりどれくらいの「資金」が必要となるかを、誰でも分かるようにまとめます。

     

    また、事業計画書を簡単に説明すると経営者が考えている事業戦略を文章としてまとめて誰でも分かるようにしたものを指します。頭の中でだけ考えていると事業計画は曖昧なもので終わってしまいますが、文章にまとめると必要なことが明確になります。そして、文章にまとめる時に誰に対して伝えたいのかを考えるとより訴求力が高い事業計画書になります。

    事業計画書は何のために作成するのか

    それでは、事業計画書はなんのために作成するのでしょうか。事業計画書は融資審査の際に必要な書類となります。また、自社の事業内容を客観的に見直すきっかけにもなる書類なので、事業が行き詰まってしまった時はコンサルタントに提出する書類としても事業計画書は役立ちます。作成する理由を一つひとつ解説していきます。

    事業内容を明確化するため

    事業計画書を作成する一つ目の理由は、「事業内容を明確化するため」です。事業計画書はどんな事業で、どんな収益モデルになっているのかを言語化・可視化していくものです。

     

    売上目標や事業の目標など、経営者が頭で考えていたことを書き出していくことになるので、ビジネスパートナー、投資家、金融機関、専門家、社員など事業に関わる人たちに経営者の考え(事業の方向性や根拠)を共有することができます。

     

    そうすることで、関わる人たちと歩みを合わせて事業運営をしていくことができるようになります。そのため、事業計画書は誰が読んでも分かりやすく、納得できるように、すべての事柄を具体的かつ明確に記載する必要があります。

    金融機関などから融資を受けるため

    事業計画書を作成する二つ目の理由は、「金融機関などから融資を受けるため」です。事業計画書は資金調達する際、金融機関に融資審査の資料として役に立ちます。金融機関の審査では「返済能力があるのか」という点を重視しています。

     

    そのため、借りる側がいくら口頭で「返せます」と言っても根拠がないため信用はできません。事業計画書は事業の進め方や収益モデル、その根拠を具体的かつ明確に記載することが重要です。また、融資審査には経営者の熱意も大切な判断基準となりますので、事業内容に加えて、融資審査の担当者に経営者自身の情熱が伝わるように記載していきましょう。

    事業の方向性を共有するため

    事業計画書を作成する三つ目の理由は、「事業の方向性を共有するため」です。事業計画書は社内・社外どちらにも情報を知らせるために作成します。事業計画書は、事業そのものが実現可能かどうかもしっかり見極め、事業そのものの優位性や独自性をしっかり検証するようにしましょう。

    経営者の思考整理のため

    事業計画書を作成する四つ目の理由は、「経営者の思考整理のため」です。先ほどもお伝えした通り、事業計画書は経営者の頭のなかを整理して、社内外の方に事業の方向性などを知らせるためのものです。

     

    作成するにあたり、経営者自身の思考整理も可能になります。事業計画書を作成する際、「誰」に「どのような事業」を「何のため」におこないたいか、そして「どんな収益モデル」にしていくのかをしっかり頭のなかで整理して、言語化・可視化するようにします。

    事業計画の実行にKPIが重要視されるワケとは

    事業計画を実行する際、KPIKey Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標)が重要視されます。どうして事業計画の実行にKPIが必要かというと、事業の成功≒KGIKey Goal Indicatorの略で、経営目標達成指標)とすると、KGIは行動の結果として得られる指標で、その指標を得るには時間がかかるからです。

    事業計画に必要なタスク管理のため

    ここからは、事業計画を成功させるためにKPIが重要視される理由を詳しく解説していきます。一つ目の理由は、「事業計画に必要なタスク管理のため」です。KPIを設定すると、やらなくてはいけないタスクが明確化されます。

     

    例をあげると、売上1億円というKGIだけでは、毎日お客さまにどのくらいのアプローチをすべきかが分かりませんが、売上から逆算しKPIでアプローチ数が明確になっていると、今日何人のお客さまにアプローチしなければならないのかというタスクが明確になります。KPIを設定することで事業計画に必要なタスクを明確にし、管理することができます。

    事業計画の進捗を確認するため

     二つ目の理由は、「事業計画の進捗を確認するため」です。先ほどKPIでタスクが明確化し管理できるとのことを解説しました。タスクが明確化しているということは、順調にタスクが進んでいるか、もしくはタスクがこなせていないかも判断しやすくなります。

     

    今日は10人にアプローチが必要というタスクがあったのに関わらず、8人しかアプローチできていない場合は、翌日以降に本日の2人分を取り返す必要があります。事業計画を実行するにあたり、計画通りに進捗しているかの把握が必要となります。足りないのであればどのように巻き返していくか対策を練ることもしていかなくてはなりません。

    事業計画の見直しをおこなうことができるため

    三つ目の理由は、「事業計画の見直しをおこなうことができるため」です。事業計画の進捗状況を確認できるようになれば、事業計画を見直し、改善していくことにもつながります。いくら根拠を集めて緻密な計画を練ったとしても、100%推測通りに進むとは言い切れません。

     

    KPIがあれば、最終結果である売上がでる前に、事業計画の見直しをすることができます。また、KPIを分析することで、どこが非現実的なのか、どう改善していく必要があるのかが明確になります。

     KPIKGIの違いとは

    KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、日本語で言うと「重要業績評価指標」です。一方で、KGIとは、Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」を意味します。事業計画のなかで、達成すべき売上高や利益額などをKGIといいます。

     

    そして、KGIを達成するためのプロセスを細分化して、細分化したプロセスのなかから業務達成するキーポイントとなる業績評価指標を見つけます。この業績評価指標をKPIといい、継続的に効果測定していきます。つまり、KPIKGI達成のための重要先行指標となります。

    KPIKGIを分解することで設定する

    KPIを設定する際、基本的にはKGIを構成する要素を分析していきます。ホテルの売り上げをKGIとして例えてみると、ホテルの売り上げは宿泊されるお客さまの数(もしくはホテルの部屋数)×宿泊単価で決まります。この数字がKPIとなります。

     

    ここからKPIを分解すると、宿泊されるお客さまを増やすためには「ホテル予約サイトで予約してくれる人を増やしていく」「公式サイトから予約してくれる人を増やしていく」などが分解したKPIとなります。さらには、サイトの訪問数増、訪問後の予約率アップも分解したものになります。このようにKPIKGIを分解して作っていくものになります。

    事業計画で活用されやすいKPIの指標6  

    事業計画で活用されやすいKPIの指標6つを紹介します。

    ①売上高

    粗利益(売上総利益)

    営業利益

    貢献利益

    顧客獲得コスト

    顧客生涯価値

     

    上記6つを一つひとつ解説していきたいと思います。

     

     ①売上高

    事業計画で活用されやすいKPIの指標一つ目は、「売上高」です。「売上高」は会社がどれだけ売上を上げることができるのかという誰にとってもわかりやすい指標です。また、管理もしやすくなります。一方で、売上高にはコストの視点が入っていません。

     

    そのため、売上高を上げるためには多くの資金を費やしても問題ないともいえてしまうので、売上高をKPIとして使用する場合は、別途コスト面でも計画を立てる必要があります。

    粗利益(売上総利益)

     事業計画で活用されやすいKPIの指標二つ目は、「粗利益(売上総利益)」です。「粗利益」はコスト視点が入っており、粗利益が高いと製造原価に対して付加価値が高いといえます。そのため、コストや価値を意識した事業計画とすることができます。

     

    一方で、粗利益には販管費(人件費、広告宣伝費など)が入っていないため、一部の製造にお金がかからず販管費の高い企業(コンサル会社、システム会社など)には不向きの指標となります。

    営業利益

     事業計画で活用されやすいKPIの指標三つ目は、「営業利益」です。「営業利益」とは、一定の期間に営業であがった利益のことを指します。営業利益は将来的に得られるであろう金額ではなく、実際に得られた利益を指します。

    貢献利益

    事業計画で活用されやすいKPIの指標四つ目は、「貢献利益」です。「貢献利益」とは「売上高」-「売上高に比例してかかる原価+販売費」のことを指し、固定費を無視した考え方になります。固定費は、地代・家賃、光熱費などがあげられますが、これらの固定費は営業活動とは関係なく、どんなに営業活動を頑張ったとしてもコントロールすることはできません。なので、外資系企業などでは貢献利益を活用しているところも多くあります。

    顧客獲得コスト

    事業計画で活用されやすいKPIの指標五つ目は、「顧客獲得コスト」です。「顧客獲得コスト」とは、1人の顧客を獲得するためにかかった費用です。毎月100万円を使って100人の宿泊客を獲得しているホテルの顧客獲得コストは10,000円となります。

    顧客生涯価値

     事業計画で活用されやすいKPIの指標六つ目は、「顧客生涯価値」です。「顧客生涯価値」とは、1人の顧客が生涯にわたって提供してくれる総額のことを指します。音楽を提供している会社の場合1人の顧客がどのくらい長くサービスを利用し、総額いくら支払ってくれるのかが重要となってきます。

    KPIを設定する際のポイントとは

    ここからはKPIを設定する際のポイントを解説していきます。KPIを設定する際のポイントは4点あります。

     

    ①「SMART」を意識する

    KPIの項目を多くしすぎない

    ③現実的な数値目標をたてる

    KPIツリーを活用する

    上記について、詳しく解説していきます。

    SMART」を意識する

    KPIを設定する際の一つ目のポイントは、「『SMART』を意識する」という点です。SMARTとは、下記の通りに構成されています。

     

    SSpecific):明確性

    MMeasurable):計量性

    AAchievable):達成可能性

    RRelevant):関連性

    TTime-bound):期限

     

    KPIを設定する際、「期限を定めて、明確に、計量でき、最終目標に関連があり、達成可能なものである」ということが重要になるということです。

     KPIの項目を多くしすぎない

    KPIを設定する際の二つ目のポイントは、「KPIの項目を多くしすぎない」とう点です。KPIの項目を多くするということは、取り組まなくてはいけない目標=課題が多いということです。通り組むべきことが多いと現場で働く人は何も達成すればよいか分からなくなってしまい、現場が混乱してしまいます。必要最低限のKPIに絞って設定するようにしましょう。

    現実的な数値目標をたてる

    KPIを設定する際の三つ目のポイントは、「現実的な数値目標をたてる」という点です。数値目標は達成不可能な非現実的なKPIでも、簡単に達成をKPIでも、従業員は「何のために業務に取り組むのかわからない」と思ってしまい、モチベーションの低下に繋がってしまいます。現実的な数値目標を立てることで、より高い成果を発揮することができます。

    KPIツリーを活用する

     KPIを設定する際の四つ目のポイントは、「KPIツリーを活用する」という点です。KPIツリーとは、KGIから逆算してKPIを設定する際に役立ちます。KGIを頂点として、KGIを実現するために必要なKPIをツリー状に記載した図のことをいいます。頂点を売上とした場合、KPIは顧客数や顧客単価となります。顧客数の下には新規顧客、リピーターが入ってきて、顧客単価の下には購買回数や商品単価を設定することになります。

    まとめ    KPIを活用し効率的に事業計画を進めよう   

    ここまで、事業計画を進めるのにKPIが重要なキーとなることをお伝えしてきました。KPIをしっかり理解し、活用していくことで、効率的に事業計画を進めることができます。本記事で紹介した点をぜひ組織運営に活かしてください。

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