損益分岐点ってなに?計算方法や見方をわかりやすく解説!

    記事公開日: 2022.06.24

    今すぐ無料ダウンロードする

    無料プレゼント:
    会社の数値を経営に活かすための資料
    『未来会計図表』

    今すぐ無料ダウンロードする

    ・「そもそも損益分岐点ってどういう意味なの?」

    ・「損益分岐点の計算式を知りたい!」

    上記のように企業の経営状態を測る指標として用いられる、損益分岐点の意味や計算方法が分からずに、悩んでいる方も多いでしょう。

     

    損益分岐点を把握すれば会社の経営状況を理解できるため、今後の目標設定に活かせます。

     

    そこで今回は、損益分岐点の概要説明や計算式、財務体制を強化するための方法を紹介します。

    損益分岐点とは

    損益分岐点とは、売上高と費用が同額になることで企業の損益がプラスマイナスゼロになる状態のことです。

     

    会社に利益が出ているかを確認するための計算式は、以下のとおりです。

     

    • 利益=売上高-費用

     

    損益分岐点は、事業を存続するうえでの1つの目安です。

    損益分岐点よりプラスであれば利益が出ている黒字状態を表します。

    一方でマイナスは、損失が出ている赤字状態を表します。

     

    赤字状態が長期的に続くと経営が苦しく、倒産する恐れも出てきます。

     

    また、販促などに力を入れてコストが増加した場合は、当初と比較して損益分岐点売上高も上昇してしまうことには注意が必要です。

     

    会社経営をするうえでは、損益分岐点を意識することは欠かせません。

    損益分岐点は収支トントンのライン

    損益分岐点は、先ほど紹介したように収支がトントンになるラインのことをいいます。ここでは、架空のうどん専門店の損益分岐点を例にして収支がトントンになる売上高を考えてみましょう。

     

    • うどん 1杯の価格:800円
    • うどん 1杯あたりの変動費:400円
    • うどん専門店の1カ月の固定費 200,000円

     

    上記のうどん専門店の収支がトントンになる売上が、損益分岐点です。うどん専門店の収支がトントンになる売上は、以下のとおりです。

     

    • うどん1杯を販売したときの利益:800円-400円=400円
    • うどん1杯を販売したときの利益と固定費がトントンになる売上:

    固定費200,000円÷1杯の利益400円=損益分岐点 500杯(400,000円)

     

    上記のとおり、架空のうどん専門店の損益分岐点は「売上数量が500杯・売上高が400,000円」であることが判明しました。

     

    ここで紹介した架空のうどん専門店の例をもとに、自社の損益分岐点を計算してみてください。

    損益分岐点の算出には費用の把握が欠かせない

    損益分岐点を算出するためには、どれぐらいの費用がかかるのかを把握する必要があります。

     

    費用には固定費と変動費の2種類があり、毎月価格が変動する費用も存在するため、毎月の費用を必ず覚えておかなければいけません。

     

    毎月の費用を把握していなかった場合、正しい損益分岐点を算出することができないため、経営状況を明確に確認できなくなります。

     

    明確な経営状況を確認するためにも、毎月の費用を必ず把握してください。

    変動費

    変動費とは、売上の金額に応じて発生金額が増減する費用です。商品仕入代、製品の原材料費や加工費、外注費などが変動費に該当します。

     

    仕入先・外注先との価格交渉をすることで、変動費を削減できるかもしれません。利益を確保したいのならば、変動費の削減を検討してみるといいでしょう。

    固定費

    固定費とは、売上の数字に関わらず毎月決まった額が固定的に発生する費用です。

     

    事務所の家賃や保有している資産に対する固定資産税、人件費、保険料、借入金の支払利息などが固定費に該当します。

     

    固定費は、売上がゼロだったとしても支払う必要がある費用です。ムダな費用は極力削減し、なるべく利益が残りやすい体質にする必要があります。

    損益分岐点の計算式

    ここでは、損益分岐点の計算式として以下の3つを紹介します。

     

    • 損益分岐点比率=「損益分岐点売上高÷実際の売上高×100」
    • 損益分岐点売上高=「固定費÷限界利益率」
    • 損益分岐点の計算例

     

    これからは、それぞれの計算式について詳しく紹介します。

    損益分岐点比率=「損益分岐点売上高÷実際の売上高×100」

    損益分岐点比率とは、実際の売上高に対して損益分岐点売上高が占めている割合のことです。損益分岐点比率の計算式は、以下のとおりです。

     

    • 損益分岐点比率=「損益分岐点売上高÷実際の売上高×100」

     

    実際の売上高が損益分岐点売上高を上回っていた場合、損益分岐点比率が100%を切ります。

     

    つまり、売上高が損益分岐点売上高を上回れば上回るほど損益分岐点比率が下がっていき、逆に下回った場合は損益分岐点比率が100%を上回るのです。

     

    一般的に損益分岐点比率が80%以下であれば、優れた経営状態であるといわれています。

     

    安定して黒字経営していくためには、損益分岐点比率80%以下を1つの目安にすると良いでしょう。

    損益分岐点売上高=「固定費÷限界利益率」

    損益分岐点売上高の計算式は、以下のとおりです。

     

    • 損益分岐点売上高=「固定費÷限界利益率」

     

    限界利益率の計算式は「1-変動費÷売上高」で求めることが可能です。

    損益分岐点の計算例

    ここでは、損益分岐点比率と損益分岐点売上高の計算例を紹介します。

     

    たとえば損益分岐点比率を求める際に、損益分岐点売上高が7000万円、実際の売上高が8000万円だった場合の比率は、以下のとおりです。

     

    • 7,000万円÷8,000万円×100=87%

     

    上記の計算式の場合は、実際の売上高が損益分岐点売上高より上回っているので、損益分岐点比率は100%以下になります。

     

    また、損益分岐点売上高の計算式の計算例としては、以下のとおりです。

     

    • 売上高:8,000万円
    • 固定費:3,000万円
    • 変動費:1,000万円

     

    上記の計算例を公式に当てはめると以下のとおりに計算ができます。

     

    • 限界利益率:1-(1,000万円(変動費)÷8,000万円(売上高))=87.5%
    • 損益分岐点売上高:3,000万円(固定費)÷87.5%(限界利益率)=3,428万円

     

    上記の計算の結果、損益分岐点売上高は3,428万円となります。

    損益分岐点からわかること

    損益分岐点からは、企業の収益性を測れます。

    企業の収益性

    損益分岐点から企業の収益性を把握できるため、会社経営をするなら必ず知っておかなければいけません。

     

    なぜなら、損益分岐点は赤字か黒字かという会社の経営状況を即座に把握できるからです。

     

    どれだけ売上があったとしても費用が高ければ、その分利益を得ることができません。

     

    損益分岐点で利益が少ない理由を知ることができれば、費用を抑えるといった改善策を練ることも可能です。

     

    たとえば、利益を会社に1,000万円残しておきたい時に必要な売上も、損益分岐点で把握ができます。

     

    損益分岐点を利用することで自社の収益性を即座に把握し、今後の目標設定に活かせるでしょう。

     

    もし、損益分岐点を曖昧にしていた場合、売上と支出のバランスが把握できないため、経営がうまくいっているかを把握できません。

     

    自社の経営状況をいち早く確認し、経営状況の改善に活かすためにも、損益分岐点を把握することは大切です。

    損益分岐点を下げて財務体質を強化するための3つの方法

    ここでは、損益分岐点を下げて財務体質を強化するための3つの方法を紹介します。

     

    1. 変動費を減らす
    2. 固定費を減らす
    3. 粗利益額を増やす

     

    これからは、それぞれの方法について詳しく紹介します。

    1.変動費を減らす

    変動費を削減するための方法として、仕入れ単価を下げることが挙げられるでしょう。

     

    仕入先によっては、毎月一定の量を仕入れしている際にまとめて大量に仕入れすることで、値下げ交渉を受け入れてくれる可能性も考えられます。

     

    自社がまとめて大量に仕入れれば、仕入先は毎月小口で販売するよりも運送費用や人件費などの経費を大幅に削減できます。

     

    そのため、自社の値下げ交渉を受け入れてくれるかもしれません。

     

    また、在庫管理を徹底的に図って過剰在庫や不良在庫を抱えないことも変動費の削減につながります。在庫管理を徹底的に図るには、社内での販売と仕入の情報共有が大切です。

     

    変動費は、家賃や人件費など固定費と比較して毎月変動するので削減しやすいです。そのため、変動費を減らせる部分から見直しを検討してください。

    2.固定費を減らす

    固定費を削減するための方法として、従業員の労働時間の管理は大切です。

     

    従業員の時間外労働を事前に申請するように制度化すれば、無駄な残業代を減らせますし、従業員の健康管理にもつながります。

     

    ただ、時間外労働をしなかったら仕事が間に合わないと頭を悩ます方もいるかもしれません。

     

    その場合は、単純作業をパートさんやアルバイトスタッフに割り振って、技術的な業務を正社員に割り振ることができます。加えて、一部業務を外注化するという選択肢もあります。

     

    一方で、中長期的に会社を支えてくれる社員さんは、少しずつであってもお給料を上げていくことも重要です。

     

    なぜなら、会社や自分自身の未来に希望が持てなければ、社員さんはその会社で長く働こうと思えないからです。

     

    中小企業においては人件費の割合が高くなる傾向がありますので、まずは適切な水準になっているか、見直しを図ると良いでしょう。

     

    それ以外には、請求書や領収書などを電子化してみると紙代やインク代、郵送などの費用が大幅に削減できるので経費削減につながります。

     

    固定費をできる限り抑えることで、大きな利益を確保しましょう。

    3.粗利益額を増やす

    粗利益額とは、商品やサービスの価値を示す利益のことで、売上高から売上原価を差し引いた金額をいいます。

     

    他社製品より付加価値の高い商品やサービスを開発して値上げすることで、粗利益額を増加できます。

     

    値上げしたことで離れてしまう顧客も一定数存在するため、値上げで増える利益と顧客減で減る利益を検討したうえで、値上げをしなければいけません。

     

    また店舗販売のみの商品を通販でも販売したり、飲食店であればレイアウトを変更して座れる座席を増やしたりして新規顧客を開拓することで販売数量を増加させる方法もあります。

     

    さらに同じ顧客の購入頻度を増加させることで粗利益額を増やすことが可能です。

     

    たとえば、〇月〇日までにチョコレートを購入したら10万円の商品券が当せんするくじをひけるといった制度を導入すれば、顧客頻度を増加させられるでしょう。

     

    さまざまな粗利益額を増やす方法が存在するので、自社に合う手法から実際に取り入れてみて損益分岐点を下げられるようにしてください。

    まとめ

    今回は、損益分岐点の概要説明や計算方法、財務体制を強化する方法について紹介しました。

     

    変動費や固定費の減少や粗利益額を増加させることで、損益分岐点の改善ができます。

     

    なお、会社の事業構造を可視化し、どこに手を打てば利益が出るかを明確にする資料として、当社でも毎月お客様にご提出している「未来会計図表」がおすすめです。

     

    まだご覧になったことがないという方は、ぜひ一度、活用していただければ幸いです。

    今すぐ無料ダウンロードする

    会社の数値を経営に活かすための資料

    『未来会計図表』

    を無料プレゼント

    今すぐ無料ダウンロードする

    いかがでしたか?お気に召したのであればシェアはこちらから。

    PDF書籍 無料プレゼント