企業の利益計算のやり方は?5種類の利益と計算方法

    記事公開日: 2022.11.22

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    ・「そもそも企業の利益の種類ってどれぐらいあるの?」

    ・「企業の利益計算方法を知りたい!」

    このように企業の利益の種類や利益計算の方法が分からずに、悩んでいる方が多いでしょう。

     

    結論から言うと、企業の利益計算の方法を把握することで、早めに自社の利益を高めるための対策ができます。

     

    そこで今回は、企業の利益の種類や利益計算の方法、利益を大きくする方法を紹介します。

     

    企業には5つの利益がある

    企業の利益の種類として、以下の5つが挙げられます。

     

    • 売上総利益(粗利)
    • 営業利益
    • 経常利益
    • 税引前当期純利益
    • 当期純利益

     

    これからは、利益の種類について詳しく紹介します。

    売上総利益(粗利)

    売上総利益(粗利)とは、売上から商品の原価を差し引いた利益のことです。売上総利益は利益の種類の中で最も基本的な利益であり、会社の中心事業の収益力を表しています。

     

    たとえば、ある商品を作ることに必要な材料を仕入れた金額が300円で、実際に販売した商品は500円だった場合、売上総利益200円となります。

     

    売上総利益を把握すれば、自社の商品にどれほど付加価値があるのかがわかるでしょう。付加価値とは、仕入れや開発で他社にない独自性を高めることです。

     

    他社が300円の鉛筆を販売しているのならば、自社は200円で同じ鉛筆と消しゴムを販売して、消費者が購入するメリットを付与することを付加価値といいます。 

     

    会社で収益を高めるためには付加価値を把握し、売上を増加させる必要があるでしょう。

    営業利益

    営業利益とは、売上総利益(粗利)から販売費及び一般管理費を差し引いた利益のことです。

     

    販売費及び一般管理費とは、広告宣伝費や従業員の給料など商品やサービスを販売するためにかかった商品の原価以外の費用のことです。

     

    販売費及び一般管理費になる費用として、主に以下の8つが挙げられます。

     

    1. 広告宣伝費:広告費やチラシ印刷代など
    2. 荷造運賃:商品を運送するための費用
    3. 販売手数料:販売代理店への手数料
    4. 給料手当:従業員の給料や賞与など
    5. 水道光熱費:水道代・電気代・ガス代
    6. 地代家賃:家賃や駐車場代など
    7. リース料:コピー機のリース代
    8. 旅費交通費:通勤手当や出張費など

     

    もし、営業利益が赤字だった場合は、経費削減や売上の増加など経営計画を見直さなければいけません。

     

    販売費及び一般管理費の売上に対する比率を検討し、会社の経営の見直しに活用しましょう。

    経常利益

    経常利益とは、営業利益に営業外収益と営業外費用を反映させた利益のことです。営業外収益とは、企業が本業以外の活動で定期的に得ている収益のことをいいます。

     

    営業外収益の勘定科目として、以下の8つが挙げられます。

     

    1. 有価証券利息:国債や地方債など債権から発生する受取利息
    2. 有価証券売却益:売買目的の有価証券を売却することで得られる利益
    3. 有価証券評価益:企業が保有している有価証券を評価した購入時と現在の差額
    4. 受取利息:金融機関や第三者にお金を預けたり貸し付けたりして受け取れる利息
    5. 受取配当金:企業の保有株式によりほかの法人から受け取る利益の分配金
    6. 仕入割引:仕入れに対して支払った費用の返還分
    7. 為替差益:為替の相場変動や価格改定によって生じた損益
    8. 雑収入:営業外収益のうちどの勘定科目にも当てはまらないもの

     

    また、営業外費用とは、企業が本業以外の活動で定期的に支払っている費用のことです。営業外費用の勘定科目として、以下の4つが挙げられます。

     

    1. 有価証券売却損:有価証券を売却した際に生じる損失
    2. 支払利息:金融機関からの借入金や取引先からの借入金などについて支払う必要のある利息
    3. 社債利息:社債を発行した際に、社債権者に対して支払う利息
    4. 雑損失:営業外費用のうちどの勘定科目にも当てはまらないもの

     

    もし、営業利益が赤字でも本業以外の活動で多くの利益を得ていたら、経常利益が黒字になる可能性があります。

     

    明確な利益を計算するためにも、営業利益を算出したら経常利益も算出することをおすすめします。

    税引前当期純利益

    税引前当期純利益は、経常利益に特別利益と特別損失を加減して算出する利益のことです。特別利益とは、特別な要因で発生した臨時的な利益のことをいいます。

     

    特別利益の例として、不動産を中心とした固定資産売却益や前期の損益を修正することで発生した前期損益修正益が挙げられます。

     

    また特別損失とは、例外的に発生した損失のことです。特別損失の例として、長期間保有している株式や証券売却による売却損が挙げられます。

     

    特別利益や特別損失に該当するか否かは臨時性や金額の大きさによって判断されるため、一律に判断はできません。

     

    臨時的に利益や損失が発生した場合は、税引前当期純利益を求めてください。

    当期純利益

    当期純利益とは、税引前当期純利益から各種税金を差し引いて算出した利益のことです。

     

    会社の利益には、法人税・住民税・事情税がかかるため、会社の正確な利益を求めるためには当期純利益を算出しなければいけません。

     

    当期純利益が最終的な企業の利益です。

    利益計算のやり方

    利益計算のやり方として、以下の5つを紹介します。

     

    • 売上総利益(粗利)の計算方法
    • 営業利益の計算方法
    • 経常利益の計算方法
    • 税引前当期純利益の計算方法
    • 当期純利益の計算方法

     

    からは、それぞれの計算方法について詳しく紹介します。

    売上総利益(粗利)の計算方法

    売上総利益(粗利)の計算方法は、以下のとおりです。

     

    売上総利益=売上高-売上原価

     

    たとえば、1,000円のカレーライスを販売して仕入価格が700円であれば、売上総利益300円です。

     

    売上総利益が高ければ高いほど、順調に利益をあげられている証明にもなります。

     

    基本的に売上総利益の計算には売上原価が用いられますが、製造業の場合は人件費を含んだ製造原価で算出しなければいけません。

     

    また、売上高に対する売上総利益の割合を求められる売上総利益率(粗利益率)を算出すれば、商品やサービスの収益性の高さが理解できるでしょう。

     

    売上総利益率の計算式は、以下のとおりです。

     

    売上高総利益率=売上高総利益÷売上高

     

    売上高総利益率は景気や会社の戦略の有無、販売商品の質などさまざまな要因が数値にれます。

    営業利益の計算方法

    営業利益の計算方法は、以下のとおりです。

     

    営業利益=売上総利益-販売費・一般管理費

     

    売上総利益が4000万円で、給与2000万円、広告宣伝費1000万円、販売促進費100万円、租税公課300万円、地代家賃200万円だった場合の営業利益を求めてみましょう。

     

    営業利益=4000万円-3600万円といった計算式になり、この場合の営業利益は400万円であることがわかります。

     

    ちなみに販売費・一般管理費は業種によって該当する勘定科目が異なるので、気を付けてください。

     

    飲食を含んだ小売業やサービス業の場合は、人件費・家賃・光熱費・減価償却費を差し引いて残った利益が営業利益になります。

    経常利益の計算方法

    経常利益を求める際は、以下のとおりに計算しましょう。

     

    経常利益=営業利益営業外収益営業外費用

     

    営業利益が1,000万円、営業外収益が300万円、営業外費用が200万円だった場合、経常利益は以下のように求められます。

     

    経常利益=1000万円300万円200万円といった計算式になり、この場合の経常利益が1,100万円であることがわかるでしょう。

    税引前当期純利益の計算方法

    税引前当期純利益の計算方法は、以下のとおりです。

     

    税引前当期純利益=経常利益特別利益特別損失

     

    例を挙げると、経常利益800万円、特別利益として固定資産売却益が500万円、特別損失として株式売却損が300万円だった場合、税引前当期純利益が1,000万円だとわかります。

     

    特別な利益や損失が生じた場合は、税引前当期純利益を求めて正しい利益を算出してください。

    当期純利益の計算方法

    当期純利益の計算方法は、以下の式を参考にしてください。

     

    当期純利益=税引前当期純利益-各種税金

     

    先ほど紹介したように会社の利益は法人税・住民税・事業税がかかるため、各種税金を差し引いて当期純利益を算出する必要があります。

     

    税引前当期純利益が800万円、法人税が200万円、住民税が100万円、事業税が150万円だった場合、当期純利益が350万円であることがわかるでしょう。

     

    各種税金を差し引いて当期純利益を算出することで、会社の最終的な利益を求めてください。

    重視するべき利益は、相手によって異なる

    重視するべき利益は、企業によって大きく異なります。一見、どの企業も当期純利益まで求めて最終的な利益を重視するべきだと思ってしまうかもしれません。

     

    しかし、営業利益ですでに赤字の会社が当期純利益を参考にしてもどのような対策をすればよいかがわからないでしょう。

     

    営業利益で赤字だった場合は、販売費・一般管理費を削減しなければいけません。

     

    たとえば、飲食店を経営しているとして、人件費が大半占めているのならシフトの人数を削って人件費を削減することが大切です。

     

    無駄に電気代がかかってしまっているのなら、一部照明を落として電気代を削減する必要もあるでしょう。

     

    このように重視するべき利益は、会社によって大きく異なります。自社の利益計算をして、赤字だった利益項目でどのように対策すれば黒字になるかを検討しましょう。

    会社の利益体質を測るには「損益分岐点比率」がおすすめ

    会社の利益体質を測るのならば、損益分岐点比率が最適です。

     

    損益分岐点比率とは、企業の売上を計画的に黒字化するために必要な指標であり、損益分岐点売上高と実際の売上高の比率のことをいいます。

    損益分岐点売上高は、企業の利益がゼロになるときの売上高のことです。

     

    損益分岐点比率を把握することで、企業の売上を黒字化するためにはどれぐらい売り上げを増加させるべきかが理解できるでしょう。損益分岐点比率の計算式は、以下のとおりです。

     

    損益分岐点比率(%)=損益分岐点売上高÷実際の売上高×100

     

    実際の売上高損益分岐点売上高を上回っていた場合は、損益分岐点比率が100を切ります。

     

    ちなみに80%以下の損益分岐点比率だった場合は、優れた経営をしていることの証明にもつながります。

     

    損益分岐点比率が80%を下回り、利益を大きくできるように対策を練りましょう。

    利益を大きくする方法

    先ほどまで企業の利益の計算方法を紹介しました。利益を計算した結果、自社の利益が少ないことが判明し、利益を高めることを検討している経営者の方も多いでしょう。

     

    ここでは、利益を大きくする方法として、以下の3つを紹介します。

     

    • 売上を増やす
    • 売上原価を下げる
    • 固定費を下げる

     

    からは、それぞれの方法について詳しく紹介します。

    売上を増やす

    企業の利益を大きくするためには、売上を増やす必要があります。

     

    売上を増やすためには、ブログやSNSを用いて宣伝をおこなって新規顧客獲得に努めたり、クーポンの配布やセールの定期的な実施でリピーターを増加させたりするとよいでしょう

     

    Web広告やテレビCMなどで宣伝するためには多額な資金が必要になりますが、ブログやSNSはリーズナブルに自社の宣伝ができます。

     

    一時的に顧客を集められてもリピーターを増加させなければ、企業の利益は安定しません。

     

    また、粗利益率が低い業種は価格の上昇を検討するとよいでしょう。粗利益率が低い場合は、新規顧客獲得やリピーター増加したことで入る利益はあまり大きくならないからです。

     

    価格を高める代わりに、商品やサービスの付加価値を高め、顧客が次回来店したくなるような工夫をして売上増加を目指しましょう。

    売上原価を下げる

    売上原価を下げることも、企業の利益を大きくする方法の一つです。

     

    売上原価を下げるためには、材料費の削減や製造・加工などの工程数の見直し、製造方法の見直しをする必要があります。

     

    材料費を削減するためには、来月の売上予想から材料費に使用しても良い金額を算出するといった工夫が大切です。

     

    また、製造方法の見直しをする際は、繰り返しの多い作業や負荷の多い作業に着目して改善する必要があります。売上原価を低下させ、利益を高めましょう。

    固定費を下げる

    売上を大きくするためには、固定費を下げることも必要です。企業の固定費として、人件費や福利厚生費、水道光熱費などが挙げられます。

     

    先ほども紹介したように人件費を下げるためには、シフトに入る従業員数の数を減少させれば人件費を削減することは可能です。

     

    水道光熱費も、無駄に電気や水道、ガスを使用している部分があれば、こまめに見直して必要最低限の使用にとどめることで、固定費を下げられます。

    必要な利益を明確にしたければ、BS(貸借対照表)も見ないといけない

    会社の利益を明確にしたいのであれば、BS(貸借貸借表)の確認も大切です。貸借対照表とは、決算日の企業の財政状態を表す決算資料のことをいいます。

     

    貸借対照表を把握することで、資金の調達方法や企業の財政状況、黒字化するために必要な利益がわかるでしょう。

     

    企業の経営分析をする際に、損益計算書ばかりに着目してしまう人も見受けられますが、損益計算書では資金の調達方法が把握できません。

     

    もしかしたら、他人から借りたお金で事業を継続している状態の可能性もあります。

     

    貸借対照表を確認し、会社の財務体質を踏まえたうえでどれぐらいの利益が必要なのかを逆算することが、利益計算をするうえで大切です。

    まとめ

    今回は、企業の利益の種類や利益計算の方法、利益を大きくする方法を紹介しました。

     

    企業の利益計算をすることで、自社の明確な利益を把握でき、より利益を高めていくための対策を早いうちからとれるでしょう。

     

    自社の利益をより高めたいのであれば、売上を増やすか売上原価を下げるか固定費を下げる方法がおすすめです。

     

    また、利益計算をする際は経営計画書の作成も同時にしましょう。経営計画書を作成すれば、金融機関に融資してもらいやすくなるからです。

     

    ただ、本記事を読んでいる方の中には経営計画書の作成方法が分からない方もいるでしょう。そこでおすすめなのが、「マネるだけ、埋めるだけで作れる経営計画書作成シート」です。

     

    このシートを使用すれば、項目に沿って埋めるだけで経営計画書を作成できるため、作成方法が分からない方でも安心して作れるでしょう。

     

    ぜひ、経営計画書を作成して自社の利益を高めるきっかけに使用してください。

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