【経営者必見】事業再構築補助金の事業計画書の作成方法!審査基準も紹介

    記事公開日: 2022.11.30

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    事業再構築補助金の利用を検討しているものの、事業計画書の作成方法や審査基準について分からない方も多いのではないでしょうか。

    今回は、事業再構築補助金を利用する際に必要な事業計画書の作成方法や、審査基準について紹介します。

     

    ぜひ参考にして、採択される事業計画書を作成しましょう。

    事業計画書の作成前に確認!事業再構築補助金とは?

    事業再構築補助金の計画書を作成する前に、まずは制度の概要を確認しましょう。

    事業再構築補助金の概要

    事業再構築補助金とは、新型コロナウイルスの影響で変化した経済状況に対応するために中小企業の事業再構築を支援する補助金制度です。

    事業再構築補助金の給付金額は1社当たり100万円~1億円で、補助率は1/3〜2/3にもなります。返済の必要がないため、コスト削減を実現しやすい点がメリットです。

    ただし、補助金は事業者の支出が確認された後に支払われます。事業を始める前に支払われるものではないので、資金繰りに困らないよう事前の資金確保が必要です。

    3つの補助対象要件

    事業再構築補助金に申請するためには、3つの要件を満たす必要があります。事業が要件を満たしているか、事業計画書の作成前に確認しておきましょう。

     

    要件① 売上が減少している
    売上減少の条件は以下の通りです。(2022年1月現在)

     

    ・2020年4月以降の連続する6か月のうち任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年〜2020年3月)の同じ3か月と比べて、10%以上減少していること

    任意の3か月は、連続した月である必要はありません。「2021年1月・3月・5月」などのように、申請要件を満たす月をバラバラに選ぶこともできます。

     

    要件② 事業再構築に取り組む
    事業再構築とは、今の事業を廃業せずに別の形で存続させる事業計画を立てることです。

    事業再構築補助金に申請するには、「事業再構築指針」に則して、以下のいずれかに当てはまる再構築を行う必要があります。

     

    ・新分野展開(今の主軸事業を続けつつ、新たな商品・サービスを通して新事業を始める)

    ・事業転換(今までと業種は変えずに、主軸となる事業を新たに始める)

    ・業種転換(業種を変えて、新しい事業を始める)

    ・業態転換(製品やサービスを今までとは別の方法で製造・提供する)

    ・事業再編(2つ以上の事業が会社法上の組織再編行為を行い、上記4つのいずれかの手法で事業再構築を行う)

     

    それぞれの事業計画を立てるうえで必要となる要件があり、詳細は「事業再構築指針」で確認できます。要件を満たさなければ申請対象にならないため、事業計画を策定する前に事業再構築指針に目を通し、しっかりと理解しておきましょう。

     

    要件③ 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する

    事業再構築補助金の事業計画書は、必ず認定支援機関と共に作成しなければなりません。認定支援機関とは、国によって認められた専門家のことです。補助金額が3,000万円を超える場合は、金融機関が認定支援機関になることもできます。

    しかし、国から認証を受けていないのに事業計画書作成を持ちかける悪質な業者も存在するので、注意が必要です。認定支援機関を選定する際は、中小企業庁が公開している「認定経営革新等支援機関検索システム」を利用することをおすすめします。

    事業再構築補助金における事業計画書の作成方法

    ここからは、事業再構築補助金における、事業計画書の作成方法について確認します。

    事業計画書の仕様

    事業再構築補助金の事業計画書は、A4サイズで15ページ以内(補助金額1,500万円以下の場合は10枚以内)が望ましいとされています。受付は電子申請のみで、PDF形式のファイルを添付する指定があるため、PDF形式への変換がスムーズなWordやExcelでの作成がおすすめです。

    事業計画書の具体的な内容

    採択されるためには、まず記載すべき内容を理解することが大切です。公募要領には、以下の4項目の記載が指示されています。

     

    ・補助事業の具体的な取り組み内容

    ・将来の展望

    ・本事業で取得する主な資産

    ・収益計画

    それぞれのポイントについて解説するので、具体的で説得力のある事業計画書を作成するための参考にしてください。

     

    ① 補助事業の具体的な取組内容

    公募概要には、補助事業の具体的な取り組みについて、以下の内容を具体的に記載することが求められています。

     

    <現在の事業状況>

    ・現在の事業状況

    ・強み、弱み、機会、脅威(SWOT分析)

    ・事業環境

     

    <事業再構築の内容>

    ・事業再構築の必要性

    ・事業再構築(新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編等)の具体的な取り組み

    ・補助事業が行う具体的な内容(提供する製品やサービス、導入する設備など)
    ・補助実施期間内に投資予定の建物や設備の建設・設置・改修に関するスケジュール(図表や写真を用い、日付などまで可能な限り詳細に記載)

     

    <応募する「枠」と「類型」に必要な情報>

    ・応募する枠と事業再構築の種類に応じた「事業再構築指針」に沿った具体的な情報

     

    <競争力強化の実現性>
    ・補助事業を開始することにより他社・既存事業と差別化できる根拠(方法、仕組み、実施体制など)

     

    <従業員への配慮に関する取組内容>

    ・事業再構築に伴い解雇等の必要がある場合、該当従業員に対して行う適切な取組の内容(再就職支援の計画など)


    具体的に記載する必要がある部分が多いですが、事業計画書はA4サイズの15ページ以内で記載することが推奨されているので、できるだけ簡潔に記載するといいでしょう。

     

    ② 将来の展望

    将来の展望は、以下の内容を盛り込んで記載してください。

    ・補助事業の対象となる具体的な顧客像や事業を行う市場の価格的・性能的な優位性、収益性、課題・リスク、解決方法を記載する
    ・成果達成の目標時期、売上規模、製品価格などについて、簡潔に記載する

    適宜、写真や図表を添付することで、より明瞭な事業計画書になります。

     

    ③ 本事業で取得する主な資産

    この項目は、補助事業で取得する予定の単価50万円以上の建物・機械装置・システム等の概要について記載します。名称や分類、取得予定価格、型式・型番など、詳細まで記載が必要です。

     

    ④ 収益計画

    収益計画は、以下の点に注意して記載してください。

    ・補助事業の実施体制、スケジュール、資金計画書等について具体的に記載する
    ・収益計画額の「付加価値額」の算出は、算出根拠まで記載する

    付加価値額とは、商品・サービスから得られた収益のうち、自社が生みだした価値に相当する部分を金銭的に表したものをいいます。

    他社から仕入れた原材料をそのまま横流しで販売するだけでは付加価値はありませんが、原材料を加工し自社の商品として販売することで、加工にスキルを費やした分、付加価値額としてプラスできるのです。

    付加価値額は、企業がどの程度効率的に利益を得られているのかを表す指標として、分析時などに必要となります。

    付加価値額の算出方法は、「加算法」がおすすめです。

    加算法は、日本銀行や中小企業庁をはじめとした多くの機関で用いられており、厳密な定義に基づいた正確な金額を算出できます。


    以下が、加算法に基づいた付加価値額の計算式です。


    付加価値額=営業利益+人件費+支払利息+動産・不動産賃貸料+租税公課

    例えば、営業利益2,000万円、人件費1,000万円、支払利息80万円、動産・不動産賃料500万円、租税公課が80万円の場合、付加価値額は以下の計算式で算出できます。

    2000万円+1000万円+80万円+500万円+80万円=3660万円(付加価値額)

    事業計画書の作成にかかる時間はどれくらい?

    高い確率で採択される事業計画書を作ろうと思えば、一定レベルの時間を要することになります。下記は「ものづくり補助金」のデータではありますが、事業計画書の作成時間と採択率の関係性をまとめたものになります。


    引用:データポータル|ものづくり補助金総合サイト

     

    上記の表から読み取れるように、事業計画書の作成にかける時間と採択率は、一定の相関があることが分かります。

    とはいえ、作成に費やす時間が多ければよいわけではありませんので、いつまでに事業計画書の作成を終わらせる、と自分の中で締め切りを決めて、計画的に効率良く事業計画書を作成することをおすすめします。

    採択事例の事業計画書を参考にしよう

    事業計画書の作成に取り掛かる前に、補助金の採択が決定した企業の事業計画書を見てみると、適切な計画書のイメージが持ちやすくなります。

     

    実際に採択された事業計画書は、採択事例紹介として事業再構築補助金のホームページで公開されています。

    事業再構築補助金の事業計画書審査基準

    事業再構築補助金を申請したからといって、全事業主が利用できるわけではありません。
    補助金を申請したとしても、事業計画書の質が低ければ利用できない可能性が高いです。

    公募要領では、採択の基準として「適格性」「事業化点」「再構築点」「政策点」の4つのポイントが挙げられており、質の高い事業計画書を作成するためにはこれらの基準を満たす必要があります。


    ここでは、それぞれのポイントを確認していきます。

    適格性

    適格性では、事業再構築補助金の申請要件を満たしているのかを審査されます。


    例えば、事業計画では補助事業終了から3~5年後の収益計画まで策定しますが、本当に付加価値額が要件である年率平均3%(グローバルV字回復枠は5%)以上増加する予定なのか、その根拠をしっかり審査されます。

    事業化点

    事業化点は、申請計画が実際に事業として実現可能なのかという観点からの審査項目です。
    事業化点の審査ポイントとしては、以下の4つがあげられます。

     

    ① 社内体制

    補助事業を適切に遂行できる体制が整っているかは、審査項目の1つです。

     

    事業計画がどれ程優れていたとしても、不安のある体制であれば実現性が低いと見なされ、高い評価は得られません。人材や事務処理能力などの事業実施の体制について、事業計画書の中で詳細に説明しましょう。

     

    また、財務面に関しても、金融機関からの融資の確約や金額までしっかりとチェックされます。補助金の入金まで通常枠の場合1年以上かかることを踏まえ、資金繰りや事業の効率性などを確認した上で、事業計画書を作成することが大切です。

     

    ② 市場のニーズ

    事業計画書では、市場ニーズを考慮した計画であることを示す必要があります。競合他社の動向などを踏まえた市場ニーズや、ターゲットとなるユーザー、市場規模を明確に記載しましょう。

     

    ③ 事業の優位性とスケジュール

    補助事業の優位性と収益性についても審査される項目です。補助事業で提供するサービスや製品が、競合他社に対して価格面や性能面などにおいて差別化できること、さらに差別化することでどの程度の収益が見込めるかを示す必要があります。

     

    さらに、事業化に至るまでの遂行方法やスケジュール、課題やリスクと、それらの解決方法についても明確に記載してください。

     

    ④ 費用対効果

    補助事業を行うことにより、高い費用対効果が得られるかについても審査されます。

    補助金を投入することで増えると想定される付加価値額の規模や、生産性向上の見込みに関しても、事業計画書にしっかりと記載しましょう。
    さらに、新規分野への挑戦であったとしても、事業者がすでに持っている人材・技術・ノウハウなどの強みを活かせる計画であるのか、記載が必要です。

    事業化点で高評価を得るには、上記4つの項目を中心に、詳しく説明しましょう。

    再構築点

    再構築点は、事業者の取組が「事業再構築」の趣旨に沿っているかについての審査項目です。
    再構築点の審査基準として、以下の4つがあげられます。

     

    ① 今までと全く異なる業種への転換など、リスクが高い事業の再構築を行うものか
    ② 新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築する必要性があるか
    ③ 市場ニーズや自社の強みを踏まえた、資源の最適化を図る取組であるか
    ④ 新しいビジネスモデルの構築を通じて地域イノベーションに貢献する事業か

    再構築点は、事業再構築補助金を利用するべき事業者なのかという点が詳しく審査されます。新型コロナウイルスによって、どのような被害が生じたか詳しく記載すると分かりやすいでしょう。

    また、今までやっていなかった事業を始めるだけでは不十分であり、その事業が地域にどのように貢献するのかも検討しておく必要があります。

    政策点

    政策点は、補助金を給付する政府が推奨する項目を満たしているかを確認する審査項目です。
    政策点の審査基準として、以下の5つがあげられます。


    ① 最先端の技術を活用した、日本の経済成長を率先し得る事業内容か
    ② 新型コロナウイルスの影響を乗り越え、V字回復を達成するために有効な投資内容になっているか
    ③ 適切なマーケティングなどによって差別化ができており、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか

    ④ 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の経済成長を率先する事業と期待できるか
    ⑤ 単独では難しい課題について、複数の事業者が連携して取り組むことで高い生産性向上が期待できるか

    政策点では、事業再構築補助金がどのように経済や地域を牽引していくのかが審査されます。事業を始めることによる経済効果や地域との関わりも考慮しておくと、加点されやすくなるでしょう。

    事業再構築補助金における事業計画書の加点項目

    公募要領では、加点項目として「緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点」と「経済産業省が行うEBPMの取組への協力に対する加点」が示されています。

    加点項目を押さえることで、事業再構築補助金を利用できる確率が向上します。

    ここでは、公募要領に記されている加点項目について紹介します。

    緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点

    事業計画書の加点項目として、以下のポイントがあげられます。

    ・緊急事態宣言の影響で、指定期間内のいずれかの月の売上高が、対前年(または対前々年)の同月比で30%以上減少していること
    ・指定期間内のいずれかの月の固定費が、同期間に受給した協力金の額を上回ること


    上記に当てはまる場合は、証明できる資料を添付した上で、詳しく事業計画書に記載しましょう。

    EBPMの取組への協力に対する加点

    事業計画書の加点項目として、経済産業省が行うEBPM取組への協力も求められています。


    EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング:エビデンスに基づく政策立案)とは、補助金などの国が行う政策を客観的な根拠に基づいて効果的に実行、評価をすることです。信頼性のあるデータを集計して政策の効果を可視化することを目的としています。

    この加点項目に関しては、事業計画書に特別記載する事柄はなく、必要なのは申請時の電子申請システム上でのチェックだけです。ただし、承諾した場合は、採否に関わらず事業の財務情報などを数年間提供する必要があります。

     

    上記2つの加点項目は必須ではありませんが、採択率を上げるためにぜひ取り入れましょう。

    まとめ

    今回は、事業再構築補助金の事業計画書の作成方法や審査基準についてご紹介しました。
    事業計画書には、具体的に根拠まで記載する必要がありますが、A4サイズの15ページ以内にまとめることが推奨されているので、必要な情報を簡潔に記載するようにしましょう。

    また、事業計画書のイメージができていない方や、採択される確率をより高めたい方は、当社のコンサルタントが解説した、「事業再構築補助金の採択を勝ち取る事業計画書フォーマット」を参考にされてみてください。

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