コロナショックにも負けない!事業計画を見直す3ステップ

    記事公開日: 2021.10.01

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    「事業計画の達成の見通しが立たず、このまま進んでいいのか迷っている」
    「事業計画を見直したいけど、何をどうしていいのか分からない」など

    計画を見直すことの重要性は分かっていても、どのように取り組めばいいのか分からないと悩む方は多くいらっしゃいます。

    そこで本記事では、事業計画を見直すことの重要性や、具体的な事業計画の見直し方について詳しく解説していきます。

    記事を読み終わる頃には、どのように計画の見直しに取り組めば良いか、見通しが立てられているはずですよ。

    1.事業計画の見直しは事業の成功に必要なステップ

    まず前提として、事業計画の見直しを図ることは大切なことです。なぜなら、市場環境は常に変化しており、初めに立てた目標が必ずしも正しいとは限らないからです。

     

    例えばコロナ禍において、飲食店オーナーが「なぜ、売上が上がらないんだ。もっと広告を強化しないとダメだ」などと言っていたら、店が倒産してしまいます。

     

    それよりも、事業展開を変えてEC販売に乗り出したり、飲食とは別の事業を展開し新たな事業の柱を作ったり、当初の計画から見直しを図った方が良いことは明白です。

     

    そのため、市場の変化に合わせて、計画は柔軟に見直すことをおすすめします。

    2.事業計画を見直す3ステップ

    この章では、事業計画を見直す際の、具体的な手順を3ステップで紹介していきます。

    STEP1.現状の確認

    初めに、現状の確認からスタートしていきます。地道ではありますが、絶対に欠かせない重要なステップです。このステップでは、3段階の対応が必要です。

     

    ① 過去実績を正確に把握する

    初めに、過去の実績を正確に把握します。正しい実績を基に判断をしないと対策の効果も薄れてしまう可能性があるため、このステップは非常に重要です。

    具体的には、売上高、費用、利益などを算出し、計画との差はどのくらいだったかを見ていきます。乖離が大きな箇所に関しては、さらに細かく分析をしていくことをおすすめします。

    例えば、売上高に関して計画と実績の乖離が大きければ、どのお客様にどんな製品がどれだけ販売できたのか?など、詳細の数値まで確認していきます。

    大変な作業に感じるかもしれませんが、実績を正確に把握しなければ、どんなに優れた対策も無駄になってしまいます。そのため、キチンと時間を取って確認することをおすすめします。


    ② なぜ計画がズレたか考える

    過去の実績が把握できたら、なぜ計画と実績の差が生じたのかを考えます。その際に用いる分析手法は、「定量分析」と「定性分析」に分類されます。


    定量分析とは、数字を主体とした分析手法です。例えば、売上高が計画より低かった場合に、お客様一人あたりの単価が下がってしまったことが影響をもたらしているなど、数字的根拠をもって原因を突き止めていきます。

    一方、定性分析とは、現場の状況も踏まえた仮説をベースとした分析手法です。具体的には、お客様一人あたりの単価が下がってしまった要因として「材料を変えたことによる味の変化」「ホールスタッフの笑顔不足」など、数字だけでは分からない要因を洗い出します。

    「定量分析」と「定性分析」を上手く組み合わせつつ、考えられる要因を全て洗い出していきます。


    ③ 対策が必要なものを選出する

    計画と実績の差が出た要因の洗い出しが終わったら、その中で対策が必要なものを選出します。

    というのも、限られたリソースの中で対応するため、より重要なものに絞り込む必要があるからです。

    例えば、「ホールスタッフの笑顔不足」を解消すれば売上が大きく改善する見込みがある一方で、「従業員の福利厚生を手厚くする」という対策ではあまり効果が見込めないとすれば、前者を対策するべきです。

    無限にリソースが無いことを考えれば、効果が高いものから着手するのが定石です。

    STEP2.今後の環境変化の予測

    現状確認が終わったら、次に今後の環境変化の予測を行います。理由としては、市場が変化すれば目指すべきゴールも変わるため、どのような環境変化が訪れるのかを予測しておく必要があるからです。

     

    例えば飲食店において、コロナ禍による来店客数減少という環境変化が起こったとします。

     

    この場合、コロナ禍の長期化により、外食するという行為そのものが日常から切り離される未来になることが考えられます。一方で、コロナ禍によって対面コミュニケーションが制限されることで、コミュニケーションの機会としての外食が盛んになる可能性もあります。

     

    前者の未来を予測すれば、店舗を構え来客数を増やすのではなく、デリバリーなどの販売戦略に特化した方が良いかもしれません。後者であれば、外食をより特別な場所にするための施策が有効になるでしょう。

     

    このように、今後の環境変化の予測を行い、実際に変化が訪れた際に対応できる状況を作っておくことが大切です。また、1つのプランだけを想定するのではなく、複数の選択肢を考えておくことが重要です。

    STEP3.見直し計画の策定

    今後の環境変化に対して見通しを立てたら、最も実現可能性の高いプランを、計画に落とし込んでいきます。一例として、当社がお客様に対して、コロナ禍対応としてお伝えした内容をご紹介します。

    当社がお客様にご提案した対策の一例

    ① 資金調達の確保

    初めにご提案したのは、資金調達です。企業は、赤字だから倒産するのではなく、お金が無くなって倒産するからです。

     

    資金を確保するために、まずは金融機関の融資や、給付金・支援金などあらゆる手段を洗い出し、利用を検討していただきました。

     

    ② 経費の見直し

    次に検討するのは、経費の見直しです。売上高が思うように上がらなかったとしても、支出を見直すことで利益を確保することができるからです。

     

    コロナ禍というタイミングを機会と捉えて、ムダな出費がないかを見直していただきました。

     

    ③ B/Sの見直し

    経費の見直しが終わったら、B/Sの見直しも行います。実質的に活用していない資産をお金に変えることで、財務的に余裕が生まれるからです。

     

    そこで生まれた資金を、新たな投資に充てることもできます。

     

    ④ 新しいチャレンジへの取組

    最後は、新しいチャレンジへの取組です。自社を取り巻く環境を冷静に分析しつつ、企業としての次なる収益の柱となる事業へ投資していきます。

     

    また、新事業展開を考える際には、アンゾフのマトリックスが役に立ちます。

     

    アンゾフのマトリックスは、「市場」と「商品」の2軸でマトリックスを作ります。

     

     

    基本的には、新商品を現市場に展開する「商品開発」か、現商品を新市場に投下する「市場開拓」が望ましいとされており、新商品を新市場に展開する「多角化」は難易度が高いと言われています。

    3.事業計画を見直した後の進捗管理方法3選

    事業計画を見直した後は、継続的な進捗管理が欠かせません。計画を見直した結果、成果につながったか否かを判断しなくてはいけないからです。

    ここでは、代表的な管理手法を3つご紹介します。


    ① PDCA
    PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を取ったものです。「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「Check(評価)」→「Action(改善)」のサイクルを繰り返し行うことで、継続的な改善を促す手法です。

    予め計画を立て、それに沿って実行していく中で改善点を見つける手法のため、実行や評価の基準が明確で、管理や改善が行いやすいことがメリットです。

    一方で、実行後に評価を経て改善策を計画する手法のため、どうしても改善までに時間がかかってしまう点や、前例主義になりやすい点がデメリットとしてあげられます。


    ② OODA Loop

    OODA LoopのOODAは「Observe(観察)」「Orient(状況判断)」「Decide(意思決定)」「Act(行動)」の4つのステップの頭文字をとっています。

    OODAは客観的に状況を把握し、有効と思われる方法を即座に行うため、臨機応変に対応できることが大きなメリットです。インターネットが発達し、刻一刻と市場や顧客が変化する現代でも、スピード感のある対応が可能でしょう。

    一方で、OODA Loopは、現状観察から導き出した有効な解決策を「とりあえずやってみる」手法です。そのため、個人の主観が判断基準になりやすく、戦略自体も近視眼的になりやすいデメリットがあります。

    OODA Loopの実行時には、各個人の判断基準を統一するためのビジョンの共有や、思い込みや勘違いを防ぐ仕組みの構築が必要でしょう。


    ③ OKR
    OKRは、Objectives and Key Resultsの略で、日本語にすると目標管理手法です。目標や結果を「会社→部門→チーム→個人」という具合に各階層ごとに設定し、管理する手法です。

    会社全体の目標と個人の目標をリンクさせ、目標設定・進捗確認・評価を行います。会社としての目標や、それに対して従業員一人ひとりがやるべきことが明確に共有されることが大きなメリットです。

    各個人の目標だけでなく、チームや部門の目標も共有されているため、コミュニケーションが活発化しやすい点も魅力的です。

    4.先が見通せない時こそ事業計画の見直しを

    コロナ禍は、誰もが予測していなかった大きな変化をもたらしました。今後の経済環境や、市場・顧客がどのように変化していくのかも不透明な状況にあります。

     

    このような状況下で、将来を予測し事業計画を策定する必要性に、疑問を感じている方も少なからずいらっしゃいます。

     

    しかし、先が見通せない今こそ事業計画を見直すべきです。

     

    あくまで事業計画は、自社の目標を達成するための道標です。状況が変化し、モノサシが使えなくなってしまったのなら、今の最適なモノサシを改めて作るべきです。

     

    そうすることで、未来にどんな変化が待っていたとしても、自社の現在地を把握し、有効な対策を打てるようになります。

     

    当事務所では、プロの経営指導員がお客様に3日間寄り添い、計画の設計・見直しを行う「経営計画作成25時間合宿」を開催しております。

     

    お客様にとって、最適な事業計画を策定するご支援をさせていただきますので、自力で作り切る自身がないという方は、是非ご参加ください。

    https://service.kodato.com/camp/normal

    まとめ

    今回は事業計画の見直しの必要性と具体的な方法について、解説してきました。事業計画の見直しは、事業環境の変化に対応し、自社の事業拡大を効果的に達成するために必要不可欠なものです。

     

    また、事業計画を立てるだけでなく、定期的にチェックし更に見直しを重ねていけば、常に市場環境に応じた戦略を展開していくことができるでしょう。

     

    自社で事業計画を策定されているのであれば、まずは実績と比較して現在の状況を確認されることをおすすめします。

     

    いきなり計画との比較が難しいという方は、まずは現状を正確に把握されてみてはいかがでしょうか。その際に役立つ資料として、『利益計画検討表』もご用意いたしました。

     

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