財務と経理は何が違う?財務の詳しい役割を徹底解説!

    記事公開日: 2023.04.17

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    • 「そもそも財務と経理って何が違うの?」
    • 「財務にどのような役割があるのかを知りたい!」

     

    財務とは、将来を見据えて会社のお金を管理する方法のことです。財務に関して理解を深めることで、経営目標を達成するための戦略を立案しやすくなったり、資金管理が適切にしやすくなったりと、さまざまなメリットが得られます。

     

    そこで今回は、財務と経理の違いや財務の詳しい役割を解説します。本記事を読むことで、会社のお金が管理しやすくなり、業務効率化につながるでしょう。

     

    財務は戦略から運用まで幅広い役割がある

    財務は、企業経営において重要な役割を担う部門の一つです。財務の役割は戦略から運用まで幅広く、会社の財政状況を管理し、企業価値を最大化するための戦略策定にも携わります。以下の6つの項目に分類して、財務の概要や役割について解説します。

     

    • 財務とは
    • 財務戦略
    • 予算編成
    • 資金調達
    • 資金運用
    • 監査の対応

     

    財務は企業経営において不可欠な要素であり、財務部門には、企業経営に関する深い知識や専門的なスキルが求められます。財務について正しく理解することは、会社経営における資金管理において、大きなメリットをもたらすことになります。

     

    ここで解説した財務の概要や役割を理解したうえで、安定した会社経営を目指してください。

    財務とは

    財務とは、企業が収益を上げるために必要な資金を調達し、運用することを通じて、企業価値を最大化することを目的とした部門です。

     

    財務部門の主な役割は、企業の資金状況を常に監視し、予算編成や資金調達、資金運用などの業務を行い、会社の経営に必要な資金を適切に調達・運用することです。

     

    財務部門は、企業価値を高めるために、さまざまな戦略を立てます。たとえば、投資先を選定し、適切な資金配分を行うことで、会社の利益を最大化することが可能です。また、余剰資金を効果的に運用することで、企業価値を高めることもできます。

     

    財務部門は、会社経営において欠かせない役割を担っています。財務部門が十分な知識とスキルを持ち、正確な情報を提供することで、会社経営をより効果的に支援することができます。

    財務戦略

    財務の役割として挙げられるのは、財務戦略の立案です。財務戦略とは、運転資金の使い方や集め方を計画立てることをいいます。

     

    適切に財務戦略をすることで資金の無駄遣いをすることなく、会社経営を円滑に進められます。

     

    もし、財務戦略の手法を間違えてしまった場合は、資金不足に陥って倒産リスクが高まったり、資金調達が難しくなったりとさまざまなデメリットが生じかねません。

     

    そのため、効果的な財務戦略を立案することは会社経営を円滑に進めていくうえで、欠かせないのです。そんな財務戦略を効果的に進めていくためには、以下の手順で進めることを心がけるとよいでしょう。

     

    1. 現在の会社の財務状況を確認・把握する
    2. 経済環境を理解する
    3. 経営に携わる人々の意向を確認する

     

    財務戦略は、会社の財務状況に応じた施策をすることが大切です。たとえば、金融機関からの信頼性が低ければ銀行から融資を受けにくいので、金融機関から融資を受ける以外の方法で資金調達を考えなければいけません。

     

    また、世界的な経済状況や社内環境なども財務戦略に大きく影響します。例を挙げると新型コロナウイルスといった世界的な感染症が流行している場合としていない場合では、予測できる利益が異なってくるでしょう。

     

    それに加えて、社内の人手が不足している状況だと財務戦略の立案内容も変わってきます。そのため、財務戦略を立案する際は経済状況や社内状況に応じた戦略を立てるべきです。

     

    さらに、自分以外で会社経営に携わる人々がいるのであれば、その人たちの意向も聞いておくべきです。あらかじめ経営陣の意向を聞いておくことで、後からトラブルになることを防げます。会社が適切に資金を使うように導くためにも、財務戦略の立案は大切です。

    予算編成

    財務の役割として、予算編成が挙げられます。予算編成とは、それぞれの部署に予算を割り振り、各部署が割り振られた資金を適切に使用できているのかを確認する役割です。

     

    たとえば、予算編成では商品を製造するための原価を予測して求めたり、1つの商品が売れたらいくらの利益が得られるのかを推測したりします。

     

    適切な予算編成をすることで、利益を得られる商品やサービスを製造できるでしょう。また会社ではさまざまな事業を並行しておこなっている場合が多いので、予算編成を怠ってしまうと資金不足の状況に陥る可能性があります。

     

    会社経営をする際は必ず予算編成をおこない、どれほどの利益が得られるビジネスなのかをあらかじめ把握しておくとよいでしょう。

     

    ちなみに予算編成をした結果、実際はどれほどの予算を使用していたのかも分析する必要があります。予算編成と実際使用した予算の誤差が5%以内であれば改善すればよいですが、誤差が10%以上の場合は予算編成そのものが間違っている可能性があります。

     

    予算編成と実際に使用した予算の誤差が10%以上であれば、今後予算編成の方法を考え直しましょう。

    資金調達

    財務の仕事の1つとして、資金調達が挙げられます。資金調達は、新たな事業を始めるための運転資金を集める際に必要な役割です。

     

    主な資金調達の方法としては、金融機関や投資家から集めたり、株式や社債を発行したりすることが挙げられます。

     

    とはいえ、どちらの方法も会社の信用がなければ資金調達することができないので、資金調達しやすくするためにも安定した会社経営をしている実績を作ることが大切です。

     

    安定した会社経営をしている実績を作るためには、やはり会社の業績を高めていくほかはありません。

     

    金融機関から資金調達をする場合は、企業概要書や決算書、資金繰り表など会社の業績を表す書類を提出する必要があるので、会社がどれほど儲かっているのかが相手に伝わります。

     

    金融機関の立場で考えれば、利益があまり出ていない企業よりも大きな利益が出ている企業の方が返済してくれる可能性が高いため、融資しやすくなります。

     

    安定した会社経営をするためにも、会社の業績をさらに向上させられるようにしていきましょう。

    資金運用

    財務には、資金運用と呼ばれる仕事もあります。健全な会社運営をしている場合は、事業に関係のない余剰資金が生まれる可能性が高いです。

     

    余剰資金をうまく運用すれば会社の利益向上につながるため、積極的に資産運用をしていくことをおすすめします。

     

    会社が資産運用することで、損益通算をして節税効果を得られたり、株式投資をすれば株主優待が2倍相当になったりと、さまざまなメリットが得られます。会社が資産運用をする際のおすすめの方法は、以下のとおりです。

     

    • 不動産投資:購入した不動産を他人に貸すことで家賃収入が得られる投資方法
    • 株式投資:株式会社発行の株式を売買して売却益や配当金を得る投資方法
    • 投資信託:投資運用の専門家にお金を預けてお金を増やしてもらう投資方法

     

    上記のように、資産運用にはさまざまな方法があります。ここで解説した内容を参考にし、自身の会社に適した資産運用方法を選びましょう。

    監査の対応

    財務には、監査の対応をする役割があります。監査とは、会社の書類に虚偽の報告がないかを外部機関が確認することです。

     

    監査は、企業が株主や取引先などに大きな損害を与えないために存在します。たとえば、投資家であれば決算書の数字をもとに出資判断をします。しかし、決算書の数字が間違っていれば、投資家が間違った出資判断をしてしまい、大きな損失を被る可能性もあるのです。

     

    企業が書類に間違った情報を記載しないためにも、企業は定期的に監査の対応をしなければいけません。また、監査の対応を効率的におこなうためにも、文書のデジタル化の推進や内部統制を有効的に機能させる必要があります。

     

    もし、文書のデジタル化が推進されていなければ、大量の書類の中から必要とされている文書を見つけ出すのは大変です。

     

    しかし、文書をデジタル化していれば、様々な条件で文書の検索ができるので、スムーズに書類の提出ができるでしょう。

     

    ほかの業務を円滑に進めるためにも、監査の対応がスムーズにできるように工夫しましょう。

    財務と経理の違い

    ここでは、財務と経理の違いとして、以下の2つの項目に分類して解説します。

     

    • 経理は会計の一部
    • 過去の会計なのか 未来の会計なのか

     

    財務と経理は、意味が混同されがちです。ここで解説した内容から財務と経理の違いを明確に理解し、意味を混同しないように気をつけましょう。

    経理は会計の一部

    会社のお金を管理する部署は、財務以外に経理が存在します。経理とは、会計の一部で帳簿記帳や給与計算など企業活動に伴うお金の流れを記録・管理することです。

     

    経理は、主に日々伝票を作成したり、帳簿を記帳したりする役割を担っています。

     

    もし、経理部が会社になければ、財務諸表の作成に時間がかかるため、請求や支払いに多大な時間を要してしまいます。

     

    加えて、財務諸表を作成するのは専門的な知識が必要となるため、経理関係の知識を兼ね備えた人材を集めた部署が必要になって、経理部が会社に存在しているのです。

    過去の会計なのか 未来の会計なのか

    財務は将来動かす予定の資金を管理するのに対し、経理は過去の活動によって動いた資金を管理するという違いがあります。

     

    つまり、財務も経理もお金を管理するという意味では同じですが、お金を管理する時系列が異なっているのです。ここで解説した内容から財務と経理の違いについて理解をし、意味を混同しないように気をつけましょう。

    財務と会計の必要性とは

    ここでは、財務と会計の必要性として、以下の2つを解説します。

     

    • 財務が必要な理由
    • 会計が必要な理由

     

    財務と会計について理解をするためには、なぜ企業で必要とされているのかを把握する必要があります。

     

    財務と会計が必要な理由について理解を深めることで、財務と会計の大切さが把握できるでしょう。ここで解説した内容を参考にし、財務と会計の必要性について理解を深めてください。

    財務が必要な理由

    財務は、会社が継続的に成長するために必要です。もし、会社に財務がなければ、会社の未来のためにお金を管理することはないため、お金を不必要に使いすぎて資金不足に陥る可能性があります。

     

    資金不足に陥れば、会社が倒産してしまうため、安定した会社経営をするためには必ず財務が必要なのです。

     

    加えて、財務がなければ会社の経済状況を把握することもできないので、会社の業績内容に応じた業務改善もなかなかできずに財務状況の悪化につながります。

     

    ほかにも、財務がなければ監査の対応に時間がかかるため、ほかの業務内容の圧迫につながる恐れもあるでしょう。会社の経済状況を安定させるためにも、財務は必要です。

    会計が必要な理由

    会社の経済状況を安定させるためには、会計が必要です。会計とは、日々のお金や資産の管理をする役割を担っています。

     

    もし、会社に会計担当者がいなければ、業務におけるお金のやり取りの記録も残せていないため、企業が得ている利益を把握しにくいです。

     

    企業が得ている利益を把握していなかったら、業績が悪い場合には改善策が出せないので、業績が悪化の一途をたどる恐れがあります。

     

    加えて、会社の業績が良くてもどの事業が業績好調に導いているのかもわからないため、ほかの事業の改善策を練られず、さらに業績を伸ばしていくことが困難です。

     

    また、会社の財政状況が明らかになっていない企業は社会的な信用も得られないので、金融機関から資金調達もできないでしょう。

     

    そのことから、会計がなかった場合は、会社の存続が難しくなって倒産に陥る可能性が高いです。会社経営を安定させるためにも、会計業務は必要です。

    財務は税理士に依頼するのが効果的?

    結論から言えば、財務は税理士に依頼するのが効果的です。事実、中小企業の中には、財務の一部を税理士に依頼している会社があります。

     

    財務を税理士に依頼することで、財務業務にかけるはずの時間を他の業務に有効活用できたり、人件費の削減につながったりと、さまざまなメリットが得られます。

     

    一方で、税理士に依頼するよりもERPを導入したほうが高い効果が得られるかもしれません。

     

    ERPとは、会計業務・人事業務・生産業務・物流業務・販売業務と会社の根幹となる業務を統合して、情報の一元化を図るシステムのことです。

     

    会社にERPを導入することで、セキュリティの向上や会計基準の順守などさまざまなメリットが得られます。

     

    財務業務を現在よりも効率化させたい方は、税理士への依頼かERPの導入を検討するとよいでしょう。

    ERPを導入するメリット3選

    ここでは、ERPを導入するメリットとして、以下の3つを解説します。

     

    1. ガバナンスの強化
    2. セキュリティの向上
    3. 会計基準の遵守

     

    ERPを導入する判断を下すためには、導入することで得られるメリットを把握する必要があります。ここで解説した内容を参考にし、ERPを導入する判断をするとよいでしょう。

    ①ガバナンスの強化

    財務業務にERPを導入することで、ガバナンスの強化ができます。ガバナンスとは、会社を経営するうえで公正な判断をするために監視する仕組みです。

     

    ERPを導入することで情報の一元化ができるため、管理者が会社の財務状況について把握しやすくなり、ガバナンスの強化につながります。

     

    もし、ERPを導入しなかったら、管理者が見えない場所での不正利用や情報漏えいなどの可能性も考えられるでしょう。

     

    会社のガバナンスを強化するためにも、財務業務にERPを導入することは大切です。

    ②セキュリティの向上

    財務業務にERPを導入すれば、セキュリティの向上につながります。ERPでは、先ほど解説したように会計・人事・生産・物流・販売のそれぞれのデータを一元化できるため、部門ごとのセキュリティ対策をする手間が省けます。

     

    また、ERPの中には、機密性の高い情報を暗号化する機能を兼ね備えているものもあるため、情報が外部に流出してしまう可能性を減らせるでしょう。情報流出の可能性をさらに減らしたいのであれば、ERPを導入するべきです。

    ③会計基準の遵守

    ERPを導入するメリットとして、会計基準の遵守が挙げられます。会社の会計基準は頻繁に変更されるため、変化情報を常に把握して対応するのには多大な時間と労力がかかる恐れがあります。

     

    しかし、ERPを導入すれば、会計基準の変更に柔軟に対応してくれるため、会計基準を遵守しやすくなるのです。会計基準の変更情報を把握する労力を削減するためにも、ERPの導入を検討してください。

    企業の成長には財務が欠かせない

    今回は、財務と経理の違いや財務の詳しい役割について解説しました。財務と経理は、財務が未来の運転資金を管理するのに対し、経理は過去の取引で生じたお金を管理する違いがあります。

     

    また、財務には、予算の編成や資金運用、監査の対応などさまざまな役割が必要です。財務は安定した会社経営をするために必要な役割を担っているため、財務の役割について本記事をとおして理解しておきましょう。

     

    ちなみに財務についてさらに理解を深めるのであれば、経営計画書の作成をおすすめします。経営計画書を作成することで、自社の事業規模や事業内容の再確認ができるため、自社の経営状況について理解を深めやすいのです。

     

    経営計画書を作成する際は「マネるだけ、埋めるだけで作れる経営計画書 作成シート」を利用するとよいでしょう。

     

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