中小企業が求人を出しても応募が集まらない理由とその対策方法

    記事公開日: 2024.09.11

    社員のエンゲージメントを高める経営理念サンプル 無料ダウンロード

    社員のエンゲージメントを高める経営理念サンプル 無料ダウンロード

    求人の募集をしてもなかなか応募が来ないとお悩みの中小企業の方が多いのではないでしょうか。

     

    今の時代、人材確保は企業の成長に直結する重要な要素です。

    ですが、単に求人を出すだけでは思うような結果が得られないこともあります。

    では、どうすれば求人の効果を最大限に引き出し、優秀な人材を引き寄せることができるのでしょうか。

    今回の記事では「給料を上げる」という方法以外で求人に応募が集まる方法を掘り下げていきます。

    1.中小企業の求人に応募が来ない4つの理由

    1-1. 大企業と比べて有効求人倍率に19倍の差がある

    企業の求人数に対して求職者の割合を示す指標に求人倍率があります。

    有効求人数÷有効求職者=求人倍率)

    この求人倍率が低い場合は、企業にとって採用する人を選べる状況を示しますが、逆に求人倍率が高い場合は求人を出しているにも関わらず、応募が来ない状況を表します。

    リクルートワークス研究所による調査では、2025年卒の大卒社員に対して大企業の有効求人倍率が0.34倍であるのに対し、中小企業の有効求人倍率は6.5倍というデータがあります。

     

    リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査」より

     

     

    5000人以上企業と300人未満企業の求人倍率の差

     

    このように大企業は低い倍率を誇る一方で、中小企業は競争が激しい中で目立つのが難しくなります。大企業は多くの求人を一度に出し、その規模や影響力で求職者の注目を集めることができますが、中小企業は限られたリソースの中で、効果的な求人活動を行うことが求められるため、大企業よりも厳しい状況下にいることが分かります。

    1-2. 発信する情報が少ない

    求人に応募が来ないもう一つの理由は、求人情報の発信量が少ないことです。中小企業は大企業に比べて広報活動のリソースが限られているため、自社の魅力や求人情報を十分に発信できていないことが多いです。

    例えば、仕事内容や企業のビジョン、社員の声などの詳細な情報が不足していると、求職者は自社がどのような職場なのかを理解しにくくなります。その結果、興味を持たずに応募を見送ってしまうケースが多くなります。

    大企業では自社HPに採用専用サイトを設けたり、インターンシップ活動等行ったり、情報発信しています。求人情報をもっと積極的に発信し、会社の特色や魅力を伝えることで、求職者の関心を引きやすくなります。

    1-3. 市場の求職者情報をキャッチアップしていない

    中小企業が求人活動でつまずく理由の一つに、市場の求職者情報のキャッチアップ不足があります。

    求職者のニーズや求める条件は時代とともに変化しますが、これに対応できていないと、求職者の期待に応えられない可能性が高くなります。

    例えば、最近の求職者は柔軟な働き方や働きがいを重視する傾向がありますが、中小企業がこれに応じた求人情報を提供していない場合、応募者の関心を引くのは難しくなります。

    求人市場のトレンドや求職者の求める条件を常に把握し、柔軟に対応することで、より多くの応募者を引き寄せることができます。

     

    1-4. 採用企画がない

    採用活動において、明確な採用企画がないことも中小企業の求人に応募が来ない理由の一つです。多くの中小企業は、急な人材の必要性に応じて即興的に採用活動を行ってしまうことが多いですが、これでは効果的な人材確保が難しくなります。

    採用企画がないと、求人活動の目的や戦略が曖昧になり、無駄な時間やリソースがかかってしまいます。採用企画をしっかり立てることで、どのような人材が必要か、どのように求人活動を進めるか、どの媒体を利用するかなどを計画的に決定することができます。これにより、効率的な採用活動が実現し、必要な人材を確保する確率が高まります。

    2.中小企業の求人に応募が集まる方法

    2-1. 人物像を明確にしてメッセージを強める

    中小企業の求人に応募を集めるためには、求人情報の中で求める人物像を明確にし、メッセージを強化することが効果的です。求職者が少ない中で、ライバルの求人ではなく自社の求人に応募してもらうには強いメッセージが必要です。そのためには、まず届けたい人物像を明確にすることです。


    具体的には、どのようなスキルや経験を持つ人材を求めているのか、職場でどのような役割を果たしてほしいのかを明確に記載することが重要です。


    また、企業のビジョンやミッション、働く環境の魅力をしっかり伝えることで、求職者の関心を引くことができます。例えば、キャリアパスの明示や、チームの雰囲気、成長の機会など、求職者が働くイメージをしやすい情報を提供することで、応募者のモチベーションを高めることができます。


    下記に、求人に記載すべき項目と注意点をまとめました。具体的に思い浮かばない場合は、社内で既に活躍しているメンバーを記載することもおすすめです。それでも思い浮かばない場合は、自社がライバルとみなしていて人が集まっている会社の求人情報を参考にするのもおすすめです。


    古田土経営の採用HPはこちら
    https://kodato.com/recruit/



    求人に記載すべき項目一覧

    項目

    説明

    記載例

    ポジション

    求人募集している職種を明示。

    「営業担当」「マーケティングマネージャー」

    役割・責任

    ポジションでの具体的な仕事内容や責任を明確に記載。

    「新規顧客の開拓」「既存顧客のフォローアップ」

    求めるスキル・経験

    必要な技術スキルや業務経験、資格などを具体的に記載。

    「営業経験3年以上」「Excelスキル(中級以上)」

    適性・パーソナリティ

    理想的な性格や行動特性、価値観を記載。

    「チームワークを大切にする」「主体的に行動できる」

    学歴・資格

    必要な学歴や資格を明記。ただし、必須条件と推奨条件に分けると良い。

    「大学卒以上」「営業関連資格あれば尚可」

    キャリアパス

    このポジションでどのような成長やキャリアパスを期待するかを記載。

    「管理職への昇進を目指す」「専門スキルの向上を図る」

    コミュニケーション能力

    コミュニケーションに関する要件を明記。

    「社内外での調整能力がある」「プレゼンテーションスキル」

    チーム

    チームや会社の文化に適合するかどうかを示す要件。

    「柔軟な対応ができる」「前向きな考え方を持つ」

    勤務条件

    勤務地や勤務時間、給与などの条件。

    「フルタイム」「給与は経験に応じて決定」

     

    2-2. 採用媒体を変える

    求人活動の媒体を見直すことで、今まで集まらなかった求人も集まる様になる可能性があります。

    なぜなら、自社の欲しい人物像がその求人媒体で集まっていない可能性があるためです。

     

    例えば、LinkedInIndeedなどのオンラインプラットフォームや、業界特化型の求人サイトを利用することで、専門性の高い人材を効率的に集めることができ、企業のSNSアカウントを通じて情報発信を行うことで、より広範囲にリーチすることができるのもポイントです。

    近年では中小企業でもインターンシップを行い、時間をかけながら求職者に選んでもらうような方法もあります。

     

    下記に、求人媒体毎の特徴をまとめました。

    自社が欲しい人材の年齢層、求めるスキル、いつまでに獲得したいのか、いくらまで費用をかけていいのかを基に、まずは各媒体の無料相談などを利用してみましょう。

     

     

    2-3. 雇用形態を変える

    柔軟な雇用形態を導入することも一つの方法です。

     

    正社員だけでなく、契約社員、パートタイム、フリーランスなど、さまざまな雇用形態を提供することで、多様な求職者層に対応できます。特に最近では、リモートワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を希望する求職者が増えています。

    これに応じた雇用形態を導入することで、求職者のニーズに応えつつ、幅広い人材の獲得が可能になります。

     

    費用感だけで考えると、年収360万円の社員1人採用するよりも年収120万円のパートさんを3人採用しても、かかる人件費は同じです。

    自社の事業の方向性や、周辺地域の状況に合わせて募集する雇用形態を変えて採用することも一つの方法です。

    また、近年ではTimeeなどのスポットで作業員を補填するといった方法もあります。

    中には、スポットで働いて良い労働環境だったので、そのままアルバイトでずっと働くという方もいるようで、一見スポットで働くように見えてもそのまま働きたいという方がTimee利用者にはいるようです。

    2-4. 発信する情報量を増やす

    中小企業の求人では情報量が少なく、求職者が本当に欲しい情報が得られない場合があります。

    より情報量を増やして求職者に届けるには、「掲載情報量の増加」「採用媒体を増やす」「写真や動画を利用する」といった事が考えられます。

     

    以下のポイントに注意して情報発信量を増やしましょう。

     

    提供掲載情報量の増加: 仕事内容、求めるスキル、勤務条件、キャリアパス、会社のビジョンや理念などの詳細を提供し、求職者が具体的なイメージを持てるようにする。

     

    採用媒体を増やす:求人ポータルサイト、業界特化型求人サイト、自社ウェブサイト、SNS、ハローワーク、業界イベントの利用を検討する。

     

    写真や動画を利用する: 企業の文化や職場の雰囲気を伝える写真や動画を掲載し、視覚的にアピールする。

    3.大企業にも負けない採用力を手に入れる方法

    3-1. 採用の方針を立てて場当たり採用をやめる

    採用活動を行う際には、明確な方針を立てることが非常に重要です。

     

    場当たり的な採用活動では、急な人材不足に対応しきれず、効果的な人材の確保が難しくなります。

    採用の方針を立てることで、どのような人材をどのタイミングで採用するのか、具体的な計画を立てることができます。

    例えば、必要なスキルセットや業務内容、採用の優先順位を明確にすることで、採用活動が効率的に進められます。これにより、計画的に必要な人材を確保することができ、採用の質を高めることができます。明確な方針を持つことで、戦略的に人材を獲得することが可能です。

     

    古田土会計グループでは、経営計画書に採用に関する方針を設けて、何を重要視するのか、どんな人は採用しないのか、採用のステップまで決めています。経営計画書には記載しきれていませんが、具体的にどんな経験をしているのか、考え方、能力を記載することによって、より求職者に届くようになります。

     

    3-2. 採用計画を経営計画に盛り込む

    採用計画を経営計画に統合することで、企業全体の戦略と連動した採用活動を実現することができます。

    採用活動を単なる人事業務の一部として扱うのではなく、経営計画の一環として位置づけることで、企業の長期的な成長戦略に応じた人材の確保が可能になります。

     

    例えば、新規事業の立ち上げや事業拡大に伴う人材ニーズを予測し、それに基づいた採用計画を策定することで、リソースの適切な配分が実現します。経営計画と採用計画を一体化させることで、企業のビジョンに合った人材を効率的に確保することができます。

     

    古田土会計グループでは中期事業計画の要員計画に詳細を示し、採用に関する方針で採用計画と経営計画をリンクさせています。

     

     

     

    3-3. 人を大切にする経営を目指す

    中小企業の求人に応募が集まってくるには、中長期的には売上や利益を中心とする業績中心の経営ではなく「人を大切にする経営」を目指すことが重要です。

    具体的には、仕入先、外注先等も含めて、会社を取りまく全ての人々を幸せにする経営の事を指します。

     

    お客様や仕入れ先を大切にするのは勿論ですが、会社の一番近くにいる社員を大切にすることによって、その社員が最大限の力を発揮して会社に貢献し、自社で働くことに「生きがい」と「やりがい」を見出すようになります。

    そうして、社員が安心して働ける会社になり、お客様にも喜ばれるようになると、求職者にとっては「自分の〇〇年後はこんな風になれる」「明るい雰囲気」だなと認識されるようになります。

     

    企業の文化として「人を大切にする」という価値観を根付かせることで、良好な職場環境を築き、自社にとって本当に来てほしい人材が集まるようになります。

     

    会社の企業理念や方針、考え方は中小企業の採用には密接に関わっています。

    中小企業だからこそ「人を大切にする経営」を目指し、「人が集まってくる」会社へと成長していきましょう。

     

    社員のエンゲージメントを高める経営理念サンプル 無料ダウンロード
    社員のエンゲージメントを高める経営理念サンプル 無料ダウンロード

    いかがでしたか?お気に召したのであればシェアはこちらから。

    PDF書籍 無料プレゼント