経営を成功させるためには、マネジメントの重要性を理解する必要があります。しかし、単なる「管理」としか捉えられていないことがあります。
マネジメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカーは、マネジメントを「組織として成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義しており、経営やマネジメントの基盤として、今なお多くの企業で参考にされています。
マネジメントをひと言でいうと「組織をゴールに導く機能」で、目標や目的を果たすために、リソース(人・お金・時間など)を最大限に活用して、PDCAを回していくものです。
弊社では、4,000社以上の中小企業の支援をしておりますが、中小企業は「人手不足・資金不足・技術不足・設備不足」など、資源が限られているなかで、成果を最大化するためには戦略的なマネジメントが求められます。
本記事では、これまで実践してきたマネジメントの経験を踏まえて、マネジメントの役割や機能、リーダーシップとの違い、さらに具体的なスキルや実践方法について解説します。
マネージャーとしてスキルアップするためには理論を学ぶだけでなく、実際の現場での経験が何よりも大切です。組織の成果を最大化し、継続的に成長させるためのヒントを知りたい方は、この記事をご覧ください
1. マネジメントとは?
1.1 マネジメントは「組織をゴールに導いていくための管理活動」
まずは「マネジメント」という言葉の概念や定義について、確認しておきましょう。
マネジメントとは、組織や事業を効果的に運営し、組織をゴールに導いていくための管理活動を意味します。
後でも解説しますが、一般的に以下に該当する仕事はすべてマネージャーが管理するものです。
● 組織の管理(計画立案・実行・改善)
● 資源の選択と配分(人・資金・時間・設備のリソース活用)
● 人材開発
つまり、マネジメント能力とは、一言でいうと「管理して活かす力」とも言えます。マネジメントの目的は、組織として成果を上げることです。そのための組織づくり・チーム運営がマネージャーの仕事となります。
1.2 ドラッカー流の「マネジメント」の3つの目的
マネジメントという概念自体は古くから存在していました。しかし、マネジメントという考え方を体系的に理論化し、現代社会における重要性を提唱したのが、ピーター・ドラッカーです。
ドラッカーのマネジメント理論は、今日の多くの企業や組織で実践されています。その理論は、単なる企業の管理手法にとどまっていません。
ドラッカーはマネジメントの目的を次のように定義しています。
①自らの組織に特有の使命を果たす
マネジメントは、組織に特有の使命、すなわちそれぞれの目的を果たすために存在する。
②仕事を通じて働く人たちを生かす
現代社会においては、組織こそ、一人ひとりの人間にとって、生計の資、社会的な地位、コミュニティとの絆を手にし、自己実現を図る手段である。
③自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する
引用:『【エッセンシャル版】マネジメント 基本と原則』
組織には「世の中にどんな価値を提供するか」「誰のどのような課題を解決するか」というような使命が存在します。その使命を果たしていくために、関わる方を活かしていくことが
マネジメントの目的といえます。
どれだけテクノロジーが発展して世の中が変化していっても、上記の3つの目的は普遍的であり、現代の企業経営にも活かせる部分が多くあります。
1.3 経営を成功させるためにマネジメントが必要な理由
経営を成功させるうえで、マネジメントは非常に重要で、マネジメントの質が組織の生産性に直結すると言っても過言ではありません。そして2024年現在、その重要性はさらに増大しているでしょう。
その背景として「人材の多様化」「人手不足」が挙げられると考えています。
特に中小企業は、人材の確保に苦労しています。人材不足は、企業の成長を阻む大きな要因になってしまいますし、世代間ギャップなどの価値観の多様化によって、従来のマネジメント手法に限界を感じている方もいらっしゃいます。その中で、賃上げも対応していく必要があり、一人当たりの生産性向上が必要不可欠です。
弊社でも多くの若手が活躍していますが、一人ひとりに長所と短所があり、一人ひとりが力を発揮できるようなマネジメントを意識しています。
これまでは「組織の同一性」が企業の生産性に寄与していましたが、現代社会においては一人ひとりの個性が企業の成長を後押ししています。そのため、できるだけ各社員の強みを伸ばして、弱みを補う組織が求められるのです。
しかし、言うは易し行うは難しと言われるように、一人ひとりの社員の特性を理解した人的リソースの配置は簡単ではありません。そこで求められるのが、マネジメント力です。
ここで大前提として大事なのは、会社の使命感や価値観に共感している人材であれば、活かすことできますが、そもそも価値観などがズレていると育てるのは限界があります。
2. 経営におけるマネジメントの主な3つの役割・機能
ここからは、マネジメントの主要な役割と機能について解説します。
①人を活かす(組織編制・人材開発)
②実施責任を果たす(PDCA・組織運営)
③継続するための仕組み作り(動機づけ)
2.1 人を活かす(組織編制・人材開発)
マネージャーの役割としては、社員の潜在能力を最大限に引き出し、組織の目標達成に貢献できる人材を育成することになります。
具体的には、以下の業務が挙げられるでしょう。
● 一人ひとりの社員の特徴を把握する
● 適切な人材配置
● 役割や責任を明確にする
● 公平な評価とフィードバックシステム
役割や責任が不明確で、「自分は何を期待されているのか?」が曖昧だと力を発揮しきれません。また評価の仕組みがないと、「頑張ったことが正しいのか?」が伝わりません。
求めることを明確にしたうえで、部下とのコミュニケーションを通じて、個々人の強み(スキル・知識・経験・性格)を活かしていくのが理想です。
効果的な人材開発は、社員の満足度と生産性を向上させ、組織全体のパフォーマンスを高めます。また、人材の定着にも寄与し、長期的な組織の成功につながります。
マネジメントが機能して、一人ひとりのポテンシャルが発揮できると、チーム・組織としても相乗効果が生まれます。
具体的には下記のようなイメージです。
それぞれが100%(1)の力を発揮している場合はチームの力は100%(1)になります。
リーダー × メンバー × メンバー × メンバー チーム 1 1 1 1 =1 |
チーム全員で力を発揮でき、ひとり一人が120%の力を出せるとチーム全体では2倍以上のパワーになります。
リーダー × メンバー × メンバー × メンバー チーム 1.2 1.2 1.2 1.2 =2.07(2倍) |
2.2 実施責任を果たす(PDCA・組織運営)
実施責任を果たすことは、マネジメントの中核的な機能の一つです。
組織の方向性が定まっていても、具体的な目標や計画がなければ、絵にかいた餅に終わってしまいます。
会社全体の戦略や方向性に沿った、測定可能な目標に落とし込んでいき、そして、決めた計画を着実に実行して改善を繰り返すPDCAを回す力が求められるのです。
計画立案をひとりで行うわけではありませんが、誰もが納得できるように伝わる形にまでブラッシュアップするのはマネージャーの腕の見せ所になります。
また、実行力が弱く、せっかく決めたことが徹底されてないと成果は出づらくなります。そこで、決めたことを実施させることもマネジメントの大事な機能になります。
PDCAとは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)の4つのステップの繰り返しにより、組織のプロセスを継続的に改善するためのフレームワークです。詳しくは、下記の記事をご覧下さい。
参考:PDCAとは?目標達成を加速させるPDCAサイクルの回し方
2.3 継続するための仕組み作り(動機づけ)
組織の共通目的を設定し、メンバーのモチベーションを高い状態で維持することも、マネジメントの重要な役割です。これにより、組織全体が一丸となって目標に向かって進むことができます。
組織としての共通のゴールやビジョン、価値観を定義する際は、全従業員に浸透させることが大切です。なかなか目に見えにくい部分ではありますが、テキストで明文化している企業はマネジメント面で結果を出していることが多いように思います。
例えば、以下のような内容です。
・組織として大事にしている価値観を行動指針として明文化
・提供している商品、サービスは誰のどんなことに役に立っているかを言語化
動機付けのためには、個々人が自身の役割や意義を理解し、貢献できていると感じられる環境が大切です。「貢献できている」感覚を持てると、モチベーションはプラスになっていきます。
3. 「リーダーシップ」と「マネジメント」の違い
ここまでの内容を見ると「マネージャーとリーダーは似ている」と感じられた方もいるのではないでしょうか。実際、リーダーシップとマネジメントでは違う機能を有しているのですが、共通している部分も多くあります。
ここでは、その両者の言葉の違いを確認しておきましょう。
3.1 リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーシップとマネジメントの違いを一言で説明すると、「ゴールを示し、メンバーの心に火をつける」のがリーダーシップなのに対し、マネジメントは「ゴールが絵空事にならないように、実現への道筋を作って管理する」こととなります。
わかりやすく説明すると、リーダーシップとは組織のモチベーションを高く維持することに注力するのに対し、マネジメントではその高いモチベーションをどこに発揮し、何に向かわせることで組織としての生産性を最大化できるかを検討して組織を管理することに注力するのです。
下記の比較表を見ていただくと、違いをイメージできるかと思います。
リーダーシップ |
マネジメント |
ビジョンの設定と共有 |
ビジョン達成のためのPDCA |
何をするかを決める |
物事を正しく行う |
変革を推進 |
統制・安定・維持 |
モチベーションの向上 |
資源の配分と管理 |
創造的思考 |
問題解決 |
個人の名前で機能 |
組織上の役割として機能 |
人間関係の構築 |
ルールやシステムに依存 |
長期的な視野 |
短期的な目標 |
3.2 マネージャーとリーダーの違い
表ではリーダーシップとマネジメントでは、求められる能力も出すべき結果も違うことを解説しました。実際、組織を動かしていくには、どちらの役割も必要になります。
実際の現場ではマネージャーとリーダーが完全に独立していることのほうが少ないのではないでしょうか。
また、役職名だけにとらわれることなく、一社員であっても組織としての目線を持つことが大切です。そのような組織こそがマネジメント面でも成功し、結果的に企業の成長を実現しています。
3.3 マネジメントとマネージャーの関係性
これまで、マネジメントは「組織をゴールに導いていくための管理活動」「管理して活かす力」であり、具体的な役割としては、①人を活かす(組織編制・人材開発)②実施責任を果たす(PDCA・組織運営)③継続するための仕組み作り(動機づけ)ということをお伝えしました。
この役割を果たすのはマネージャーとなります。
マネージャーの仕事は、主に上記の通りですが、それ以外にも下記のように多岐に渡ります。
・目標設定と計画立案
・タスクの割り振り
・進捗管理
・メンバーの育成、指導
・コミュニケーションの調整
・リソース管理(人員、時間、予算など)
・問題解決、意思決定
・評価
・モチベーションの維持
・情報共有と報連相
・クレームやミスの対応
マネージャーは部下を持ってマネジメントしていくわけですが、上記の通り、やることも多岐に渡るので、目先の問題に対処するという短期思考かつ対処療法になりがちです。
目的は組織をゴールに導いていくための管理活動なので、常に、目的やゴールはどこか?を忘れないようにすることが大切です。導いていくという観点において、リーダーシップ的な要素も必要となってきます。
4. マネジメントが求められる場面・具体例
マネジメントの重要性について、ここまで解説しました。
この項目では、マネジメント能力が求められる具体的な場面と事例について解説します。
私自身の経験談も交えながら説明していきます。
4.1 場面①:チームマネジメント/タレントマネジメント
1つ目はチームマネジメントです。タレントマネジメントと呼ばれることもありますが、各社員が最大限の力を発揮し、組織の結果に還元できるような仕組みづくりがマネージャーには求められます。
社員をマネジメントする上で、効果が大きいのは「共通言語・共通認識を持つ」ことです。
ルールが明文化されていない企業では、マネージャーによって言っていることが違うという問題が生じます。認識のズレが起きて、組織としての生産性が上がらず、人材育成もうまくいきません。そのような問題を避けるため、弊社では細かいルールを設定して、やるべきこと・やってはいけないことが明確になっています。
細かいルールやマニュアルにネガティブな意見もありますが、このルール設定があるからこそ、評価されるアクションと評価されないアクションの違いが社員に明示でき、迷いがなくなります。
また、社員一人ひとりには必ず、強みと弱みが存在します。その際、弱みに着目しないマネジメントを私は意識してきました。組織として行動する以上、各人の強みでその他の弱みを補えれば問題ないからです。
ルールを明文化し、長所伸展の考えに基づいた人材登用を行うことで、チームとして一体感のあるマネジメントを実現できるようになります。
4.2 場面②:タイムマネジメント
タイムマネジメントも、マネージャー業務では頻繁に登場します。
マネージャー業務に携わる方のなかには、プレイングマネージャーとして現場での仕事も並行して行っているという方も多いのではないでしょうか。そうなると、プレイヤーとしての仕事とマネジメントの立場としての両方のタイムマネジメントが重要になります。
マネジメントの比重を増やしていく必要がありますが、そこで必要なのは、「人に任せられる仕組みづくり」です。属人性を排除した仕組みを構築することで、自分の業務を他の人に任せながら、マネジメントという自分にしかできない仕事にリソースを投下できるようになります。
プレイヤーとしての側面もあるマネージャーは、人に仕事を任せていかないと、マネジメントできる余力は生まれません。
特に中小企業ではプレイングマネージャーが中心です。マネージャーとして時間が確保できないと悩まれている方は、全てを自分で達成するのではなく、人に任せる仕組みづくりという”マネージャーにしかできない仕事”に注力することを意識してみてください。
意識する上で、具体的に、自分の使っている時間を、ざっくりでいいので、プレイヤーの時間とマネジメントの時間の比率を出して、定点観測していくことをオススメします。
4.3 場面③:セルフマネジメント
マネージャーは組織を運営・管理することが仕事です。しかし、大前提として自分自身のマネジメントが疎かであっては組織を管理することは不可能でしょう。
そのため、セルフマネジメントもマネージャーとしての必須業務に当たります。では、自分の管理とはどうすればよいのでしょうか。
私は「説得力のあるマネージャーかどうか」という視点で、自分自身のセルフマネジメントに努めています。
例えば、社員に「挨拶をする習慣をつけよう」と提案しているマネージャー自身が挨拶をしていなかったら、他の社員らはどのように考えるでしょうか。また、プロジェクトの方針などを他の社員に伝えるときに希望的観測で述べたり、説明が不明瞭だったりするとどうでしょうか。
他の社員らに「示しがつかない行動をする」ことはマネージャー失格だと考えています。マネージャーとして組織を動かしたいなら、自分自身の頭で考えて、その計画通りに見本として行動する力が必要になります。
説得力のある上司になるために、自分自身を1つの小さな組織と捉えて、セルフマネジメントすることをおすすめします。
マネジメントが求められる具体的な場面・事例を3つ紹介しましたが、いずれも
・資源(人・時間・お金など)は有限であり、どう活かすか?
・効果が出ること、インパクトがあることの優先順位を上げて取り組む
ということが重要ポイントです。
5. マネジメント力を発揮するために必要な3つのスキル・能力
次に、マネジメント力を発揮するために必要なスキルを紹介します。
5.1 自ら働きかける力
自ら働きかける力とは、世間一般でいう「コミュニケーション力」にあたります。
マネジメントにおいて大切な力が、コミュニケーション能力です。しかし、コミュニケーション能力は数値化することが難しく、対人スキルのため相性なども存在してしまいます。
そのため、私も「コミュニケーションの質を上げる」ことを意識するよりも「コミュニケーションの量を増やす」ことを大事にしています。
質は目に見えない部分ですが、量という結果は数値化でき、誰しもが努力すればできるものです。
弊社では、マネージャーとして社員一人ひとりの力を発揮するために、週に一度の振り返りをルール化し、コミュニケーション量の確保に努めています。
世の中にはコミュニケーションについて分析された書籍が多数出版されています。しかし、最終的には人との相性があるのが現実です。そのため、質だけを追い求めるのではなく、まずは目に見える形でコミュニケーションの量を増やす施策を打ってみてはいかがでしょうか。
コミュニケーションという観点では、EQ(心の知能指数)も大切です。自身や周囲の人達の感情を適切に察知して、うまく扱っていく能力ですが、別の角度で捉えると、
「相手に興味・関心を持って、自ら接していける力」でもあると考えています。
相手に興味を持ち、そして、コミュニケーションの量を重視して、自ら働きかけることが求められます。
5.2 何とかする力
何とかする力は、マネージャーが直面する様々な課題に対処するために不可欠なスキルです。
効果的な問題解決を実現するための、最も基本的な考え方が「PDCAサイクル」になります。PDCAを繰り返すことで、継続的な成長を目指せるからです。
【PDCAサイクル】
● Plan(計画)
● Do(実行)
● Check(評価)
● Action(改善)
現実的には、
・当初、予定していた計画が思い通りに現場が動いてくれない
・動いてくれてはいるけど、徹底度合いが足りない
・決めた通りに実行したけど、結果が出ない
といったことが起こります。
こういった状況を打破するためには、マネジメントの立場が、いかにメンバーを巻き込んで、何とか形にしていくことが求められます。
社員とのコミュニケーションをどれだけ確保していても、実行するプロジェクトの実現可能性が低ければ、社員の士気は下がってしまいます。
決めた目標・計画・方針を、何とかして達成しようとする力が求められます。
5.3 リーダーシップ能力
リーダーシップ能力は、チームを目標に向かって導く上で不可欠です。マネジメントとリーダーシップの違いは先ほども述べましたが、どちらにも共通している部分が多いです。
組織を構成するのは、あくまで人間で、一人ひとり個性があります。論理的にプロジェクトの概要を説明することでやる気が上がる社員がいる一方で、感情的な面を刺激することでモチベーションが向上する社員もいます。
チームの信頼と尊敬を得ながら、組織全体のパフォーマンスを向上させるためには、素晴らしい意見・アイデア・計画を想起するだけでなく、その”伝え方”も非常に重要なのです。
伝える上で大事なのは、説得力で、「自分の背中を見せる」ことでも十分に発揮できます。一貫性のある上司という側面を常に見せ続けることが、マネージャー・リーダーとしての資質が試される部分だと言えるでしょう。
6. マネジメント力を高めるための具体的な3つの方法
最後に、マネジメント力を高めるための具体的な方法について実体験を元に解説します。
6.1 マネジメント能力を向上させる情報をインプットする
マネジメント能力を向上させる最も一般的な方法は、マネジメント論について書かれた書籍を読んだり、セミナー講習を受けたりすることです。
学習をしないと、今まで自分が経験してきたマネジメント(マネジメントを受ける立場、マネジメントを実践する立場)を軸に、良し悪しを判断してしまいがちなので、学ぶことが重要です。
画期的な方法ではありませんが、情報がないことには実践できないため、このような初歩学習は侮れません。
マネジメントにおススメの書籍を5冊ご紹介しますので、ご参考下さい。
・『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』 ピーター・F・ドラッカー著
・『リーダーの仮面』 安藤広大著
・『リーダー1年目のマネジメント大全』 木部智之著
・『マネジメントへの挑戦』 一倉定著
・『1分間マネージャー』 ケン・ブランチャード著
6.2 自分自身のセルフマネジメントを実践し続ける
自分自身のセルフマネジメントができない人は、組織のマネジメントでも苦戦するでしょう。そのため、日頃から「自分自身をマネジメントする」という観点で仕事に取り組むことをおすすめします。
そうすることで、マネジメント職でなくてもマネジメントのイロハが身体に定着します。
例えば、いつもやっている業務を「もっと効率化できないか?」「仕組み化して手離れできないか?」「そもそも何のためにやっているのかを定期的に見直す」ことを実践してみます。実践して得られた結果を分析し、さらなる改善につなげることで個人単位でPDCAを回す訓練ができます。
現場で活躍できる人が、マネージャーポジションでも活躍できるとは限りません。しかし、日頃からセルフ・マネジメントすることを習慣化している人は、マネジメント面でも力を発揮できるでしょう。
6.3 現場でマネジメントを経験する
マネジメント力を鍛える最も手っ取り早い方法は、現場で実際にマネジメントを経験することです。
最初から一流マネージャーと呼ばれるような方々と同じように動くことは難しいかもしれませんが、「習うより慣れろ」の精神でチャレンジを繰り返すことが大切です。
特に会社からマネジメント業務を頼まれることは、会社の成長に責任を持つことを意味します。
7. まとめ
マネジメントについてお伝えしましたがいかがでしょうか?
マネジメントは、単なる管理ではなく、企業のリソースを活かし、持続的に成長するために必要不可欠な要素だとご理解いただけたのではないかと思います。
組織の管理、リソースの最適な配分、目標設定、実行する仕組み、評価・フィードバックなど、どれも必要なものです。
ここまで、重要な内容を多く解説してきましたが、私が思うマネジメントの重要要素は「仕組み化」と「人を活かすという発想」だと考えています。
ルールで業務を仕組み化し、個人の特性を理解した人間(マネージャー)によるマネジメントを行うことで、組織を構成する社員一人ひとりが自立し、自己規律が少しずつ動き出すからです。
一朝一夕で身につくスキルではありません。しかし、セルフ・マネジメントでPDCAを回し続ければ、必ず結果がついてきます。
今回の内容が、あなたの理想のマネージャー像に近づく一助になれば幸いです。
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