事業再構築補助金を検討する際、ほぼ全ての人がつまずくのが、「認定支援機関をどこにするのか」という問題です。
申請を出すうえでは欠かせない存在で、一度決めたら長いお付き合いにもなるため、しっかり検討したうえで選ばなければなりません。
ところが、いったいどんな視点で支援機関を探し、どこに依頼すれば良いか、十分な情報はなかなか出回っていません。
そこで本記事では、認定支援機関でもある当社がおすすめする認定支援機関の3つの探し方と、依頼先を選ぶ際の4つのポイントを解説します。
記事をご覧いただければ、支援機関を選ぶための視点がバッチリ身に付きます。
1.事業再構築補助金とは?
事業再構築補助金とは、新型コロナウイルス感染症により売上減少の影響を受けた中小企業向けの補助金の一種です。
ポストコロナ・ウィズコロナ時代の変化に対応するため、新分野への展開や業態転換・事業規模の拡大など、思い切った事業の再構築を目指す企業に対して補助金が支援されます。
対象となる企業は日本国内に本社を有する中小企業で、年に数回募集が行われます。補助金として支援を受けられる金額は会社により異なりますが、1社あたり100万円~1億円の支援を受けられる可能性があります。
2.事業再構築補助金の申請に認定支援機関は必要か?
事業再構築補助金を検討すると、必ず「認定支援機関」という言葉が出てきます。この章では、認定支援機関とは何か、また事業再構築補助金の申請に認定支援機関は必要なのかについて解説します。
認定支援機関とは?
認定支援機関は、正式には「認定経営革新等支援機関」といい、下記のような機関が認定されています。
- 税理⼠法⼈
- 税理⼠
- 弁護⼠法⼈
- 弁護⼠
- 監査法⼈
- 公認会計⼠
- 中⼩企業診断⼠
- 商⼯会
- 商⼯会議所
- 金融機関
- コンサルティング会社 など
認定支援機関は、税務・⾦融及び企業の財務に関する専門知識と経験を持つ機関に対し、国が認定している制度です。専門家が中小企業の経営をサポートすることで、中小企業の持つ経営課題を解決していくことが期待されています。
事業再構築補助金の申し込みに際して、認定機関は主に2つの役割を果たしています。その役割とは、事業計画へのアドバイスと確認書の発行です。詳細は、後述します。
事業再構築補助金の申請に認定支援機関の協力は必須
事業再構築補助金の申請に認定支援機関の協力は必要不可欠です。申請の必須事項には下記の通り定められています。
【必須申請要件】
2.事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む。
引用:事業再構築補助金 【随時更新】|経済産業省
そのため、事業再構築補助金を申し込むには認定支援機関と一体となって事業計画を作成することが義務付けられています。認定支援機関は事業計画に対して、実現性の確認やアドバイスを行います。
また実際に申請を申し込むときには、認定支援機関が作成した「確認書」を添えて提出しなければなりません。確認書は、事業再構築補助金の申請要件を満たし、かつ作成した事業計画の達成が見込める場合に認定支援機関より発行される書類です。
事業再構築補助金の申請には認定支援機関への依頼が必ず必要になるため、信頼のおける支援機関を見つけなくてはいけません。
3.認定支援機関の3つの探し方
この章では、認定支援機関の3つの探し方を紹介します。
顧問税理士・会計士事務所等などに相談する
既に顧問契約のある、税理士・税理士事務所、会計士事務所に相談するのもおすすめです。
認定支援機関としての活動実績があれば、そのままサポートをお願いできるからです。自社の事業や実績を一から説明する必要がないため、効率的に事業計画の作成が進められるでしょう。
認定経営革新等支援機関検索システムを利用する
中小企業庁が運営している「認定経営革新等支援機関検索システム」というWebサイトを利用します。このサイトでは、都道府県や認定支援機関種別などから認定支援機関を検索可能です。
事業再構築補助金に関する相談をしたい場合は、検索条件を絞る際に支援実績の「事業再構築補助金」にチェックを入れて検索します。
サイトでは支援機関の名称・都道府県・市区町村・認定支援機関種別・支援実績などを確認できます。事業再構築補助金支援実績の項目では、その支援機関が支援してきた支援事業者数・採択事業者数・採択率の確認が可能です。
知人に紹介してもらう
過去に事業再構築補助金を利用した知人がいる場合は、認定支援機関を紹介してもらう方法があります。事前に認定支援機関の話を聞き、連絡頻度やサポート内容、報酬金額などの気になる疑問を解消しておくと良いでしょう。
ただし、信頼できる知人からの紹介とは言っても、必ずしも自社にマッチするとは限りません。
その点については、慎重に判断する必要があります。
4.認定支援機関を選ぶ4つのポイント
この章では、認定支援機関を選ぶ際の、4つのポイントをお伝えします。
ポイント1:採択率が低すぎないか
認定支援機関を選ぶときには、まず支援機関の採択率を確認します。採択率とは、支援数に対して、どのくらい採択されたのかを表す数値です。
採択率が高ければ高いほど、効果的な支援を実施している認定機関だと判断できます。逆に、支援数が多かったとしても、採択率が低い機関からは適切なサポートが受けられない可能性があります。
なお、各認定支援機関の採択率は中小企業庁が運営する認定経営革新等支援機関検索システムで確認できます。HPなどを見て良いと感じた支援機関があれば、採択率を確かめてみてください。
ポイント2:報酬が高すぎないか
提示される報酬額が高すぎないかどうかも、重要なチェックポイントです。認定支援機関に依頼した際の報酬の相場は下記の通りです。
【報酬の相場】
着手金 :0円~10万円程度
成功報酬:事業再構築補助金総額の10%前後
悪質な支援機関や支援機関を紹介する中間業者へ依頼をしてしまうと、相場より大幅に高い金額を請求されるケースがあります。
また、着手金は発生するケースとしないケースがあります。着手金も含めた報酬の総額が相場からさほど離れていないようであれば、着手金の有無は気にする必要はありません。
ポイント3:自社の業種・業界に詳しいか
自社の所属する業種・業界に明るい認定支援機関を選ぶことも重要です。なぜなら、認定支援機関とは会社や業界の今後について話し合う場面が出てくるため、まったく話が通じないと作業が進まないからです。
契約前の打ち合わせで実際に話をしたときに、一緒に仕事をすることに対する不安を感じるかどうかは、意識してみると良いでしょう。
もちろん、実際に業界に所属している自社の方が内情は知っているため、あくまでも計画作成の段階では自主性も求められます。
ポイント4:相談しやすいかどうか
相談しやすいかどうかも、認定支援機関を選ぶポイントの1つです。
認定支援機関とは資料を作成する間、密に連携を図る必要があります。話しづらい・なかなかコンタクトが取れないなどの問題があっては、スムーズに資料を作成できません。
また、認定支援機関とは事業再構築補助金採択後も長期的にお付き合いを続けていく必要があります。良好な関係を築けると感じられた支援機関を選ぶことをおすすめします。
まとめ
事業再構築補助金の申し込みには認定支援機関との協力が必須です。そのため、認定支援機関をどこにするのかは慎重に検討を行う必要があります。
認定支援機関を探すには
- 顧問税理士・会計士事務所などに相談する
- 認定経営革新等支援機関検索システムを利用する
- 知人に紹介してもらう
の3つの方法があります。
また、依頼する認定支援機関を選ぶときには
- 1.採択率が低すぎないか
- 2.報酬が高すぎないか
- 3.自社の業種・業界に詳しいか
- 4.相談しやすいかどうか
の4つのポイントをチェックし、自社にとって最適な支援機関を探されてみてください。
なお、第2回公募の事業再構築補助金において、申請者を採択に導いた認定支援機関を一覧にまとめた『【事業再構築補助金】認定支援機関まとめ』をご用意いたしました。
認定支援機関ごとの採択数もまとめていますので、依頼先を決める際の参考として、ご覧ください。
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