バリューとは?バリューを導き出すための質問24

    記事公開日: 2023.07.11

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    「バリュー」は、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の中で文字通り最下層に位置するものとなりますが、ミッション・ビジョンを支える存在とも言え、非常に重要です。

     

    なぜなら、ミッション・ビジョンを達成するための行動の「基準」となるためです。

    ここが無かったり、ぶれたり、曖昧だったりすると、いくら頑張って行動してもミッション・ビジョンの達成が遠のいてしまいます。

     

    ミッションや経営理念があれば大丈夫、と考えている方もいるのではないでしょうか?

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    ミッション・ビジョン・バリューの大まかな作成方法については多くの記事が存在しますが、バリューに絞った作成の解説記事はあまりありません。

    また、バリューの作成方法の多くは「チームで話し合ってまとめる」という形のものが多いですが、今回はあえてそこには触れずに、むしろ社長一人でも作成できる「バリュー」の作成方法について解説していきます。

    1 バリューとは

    1.1 バリューの定義

    バリューとは、ミッション・ビジョンを達成するため、また企業経営を行っていく上で「大切にする価値観」「行動基準」です。

     

    また、バリューは、組織の文化や行動の指針になり、組織のメンバーや関係者は、組織のバリューに基づいて行動し、意思決定を行います。

     

    Value

    =行動指針・価値観

    わが社の社会に対する根本的な考え。

    誰のため、何のため。

    志=全社員で共有するもの

     

    1.2 バリューの重要性

    バリューは冒頭で記載した通り、ミッション・ビジョンを達成するための土台・根幹、そして物事の行動基準・判断基準として必要なものです。言い換えると「組織文化」の醸成とも言えるかもしれません。

     

    逆に、バリューがないと、それぞれが「自分はこれが正しい」と思ってバラバラな行動をしてしまいます。

     

    例えば、古田土会計のバリューの中に、「良い習慣を身につける」とあり、更に具体的な文言として10の行動指針の中に「うそをつかない・約束を守る」などという項目があります。

     

    「日本中の中小企業を元気にする」というミッション達成のために、「このミスはお客様には分からないし、分かったら解約になるかもしれないから黙っていよう。」、「忙しいから約束の時間に少しくらい遅れても大丈夫。その分はアドバイスで取り返す!」等と考えはじめたらどうでしょうか?極端な例ではありますが、実際の現場ではよく起こっていることです。少しの行き違いがやがては大きな差になって表れてきます。それを防ぐ意味でもバリューの存在はとても大事であると言えます。

     

    また、人を大切にする経営学会会長の坂本光司氏の著書「人を大切にする経営学講義」(PHP研究所)の中で以下のように述べられています。

     

    「組織の存在目的・存在意義を示す経営理念がなければ、方向舵を持たない飛行機や船と同じである。ただ風に任せて動いているだけとなり、そんな飛行機や船は乗っている人々に疲労と不安を与えるだけであるからである。」

     

    ここからもバリューの重要性が伝わってきます。

    1.3 バリューを作ることのメリット

    バリューを作成することで以下のようなメリットがあります。

     

    • ミッション・ビジョンの達成速度が上がる
    • 組織の判断基準ができる
    • 個人の判断基準ができる

     

    順番としては③→②→①となるかもしれません。

     

    まず、個人がどのような基準で判断し、行動すべきか、という基準ができます。

    そして、個人では判断できない事象や組織づくりなどにおいて、組織としてどのような基準で判断すべきか、という基準ができます。

     

    その結果、組織全体のパフォーマンス向上につながり、ミッション・ビジョンの達成に向けて大きく道を外すことなく進むことができるようになります。

     

    実際に、バリューがあり、落とし込まれていることによって、お客様から「古田土会計さんのようになりたい(=古田土会計のような社風、社員)。」と言われることが多く、口コミ等で顧客数も増加、売上も40年連続増加となっています。

     

    また、様々な賞を頂くことにもつながっています。もちろん、バリュー(理念)だけではありませんが、逆にこれがなかったら受賞できていたかどうかは疑問でもあります。

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      ※2023年度社員満足度調査において 理念浸透(経営理念やビジョンが社員に浸透している)の項目は8.0点/10点

    1.4 バリューの事例                            

    古田土会計以外に、世の中の企業ではどのようなバリュー(価値観)を掲げているのでしょうか。

    より具体的なイメージをもっていただくために、業種別にバリューの事例を挙げます。

     

    【飲食業】

    スターバックスコーヒージャパン株式会社

    私たちは、パートナー、コーヒー、お客様を中心とし、Valuesを日々体現します。

     

    お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくります。

     

    勇気をもって行動し、現状に満足せず、新しい方法を追い求めます。

    スターバックスと私たちの成長のために。

     

    誠実に向き合い、威厳と尊敬をもって心を通わせる、その瞬間を大切にします。

     

    一人ひとりが全力を尽くし、最後まで結果に責任を持ちます。

     

    私たちは、人間らしさを大切にしながら、成長し続けます。

     

    【小売業】

    株式会社メルカリ

    Go Bold 大胆にやろう

    世の中に大きなインパクトを与えるイノベーションを生み出すためには、メンバー全員が前例にとらわれず、大胆にチャレンジすることが大切です。そのためには挑戦を続け、数多くのトライアル・アンド・エラーを繰り返し、失敗から学びを得ることが重要です。常に会社や自身のビジョン、あるべき姿を見失わず、周囲をリードしながら、ミッションの達成を目指します。

     

    All for One 全ては成功のために

     大きな成功を得るためには、チームの力を合わせることはもちろん、やるべきことを見極め、決定したことに全員でコミットすることが大切です。また、メンバー全員が手段や役割に固執せず、成功するために何が必要で、何を求められているのかを考え抜き、パフォーマンスを最大限に発揮することで、ミッションの達成を目指します。

     

    Be a Pro プロフェッショナルであれ

    一人ひとりがその道のプロフェッショナルとして高い専門性を持ち、日々の学びを怠らない姿勢は、個人のみならずチームに良い影響を及ぼします。自らを高めるためには高度なスキルとポジティブなマインドの両方を持ち、行動に移すことが重要です。自らの仕事にオーナーシップと責任を持ち、成果や実績にコミットすることでミッションの達成を目指します。

     

    株式会社ファーストリテイリング

    ・お客様の立場に立脚

    ・革新と挑戦

    ・個の尊重、会社と個人の成長

    ・正しさへのこだわり

     

    ※加えて、行動規範(Valueの下位概念)として以下が設定されています。

    ・お客様のために、あらゆる活動を行います

    ・卓越性を追求し、最高水準を目指します

    ・多様性を活かし、チームワークによって高い成果を上げます

    ・何事もスピーディに実行します

    ・現場・現物・現実に基づき、リアルなビジネス活動を行います

    ・高い倫理観を持った地球市民として行動します

     

    【製造業】

    キリンホールディングス株式会社

    熱意・誠意・多様性〈Passion. Integrity. Diversity.

    熱意

    自由な発想で、進んで新しい価値をお客様・社会に提案することへの我々の熱い意志。会社やブランドに誇りを持ち、目標をやりきる熱い気持ち

     

    誠意

    ステークホルダーの皆さまのおかげでキリングループは存在しているということへの感謝の気持ち、謙虚な気持ちで確かな価値を提供し、ステークホルダーに貢献するという誠実さ

     

    多様性

    個々の価値観や視点の違いを認め合い、尊重する気持ち。社内外を問わない建設的な議論により、「違い」が世界を変える力、より良い方法を生み出す力に変わるという信念

     

    トヨタ自動車株式会社

    トヨタウェイ 

    ソフトとハードを結合し、パートナーとともにトヨタウェイという唯一無二の価値を生み出す。

     

    ソフト

    よりよい社会を描くイマジネーションと人起点の設計思想

     

    ハード

    人とモノの可能性を高める装置。

    パートナーとともにつくるプラットフォーム。

    それらをソフトによって柔軟に、迅速に変化させていく。

     

    パートナー

    ともに幸せをつくる仲間(顧客、社会、コミュニティ、社員、ステークホルダー)を尊重

    し、それぞれの力を結集する。

                                            

    いかがでしょうか。

     

    概ね、形式的には箇条書きで項目(短いフレーズ)がつらなり、それに対しての解説が加えられている、という構造になっているかと思います。

     

    内容面においては、社員個人がどのように行動すべきか、という行動指針の役割を表現していると言えます。

    1.5 古田土会計のバリュー

    古田土会計のバリューは以下の通りです。

    但し、経営理念=ミッションと捉えることもできますし、ミッション・ビジョン・バリューを総称して経営理念と考える場合もあります。

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    2 バリューの作成のポイント

    バリューの作成ポイントは2つです。

     

    ①「対社員」へのメッセージであること

    バリューは社員がどのように行動すべきか、してほしいか等といった「対社員」へのメッセージが主となります。

    ミッションの作成には、「社会の何を解決したいのか?」、「それはなぜか?」、「そう思ったきっかけは?」等という「対社会」を軸において考えることがポイントとなりましたが、それとは対照的となります。

     

    ②とにかく考えること

    「価値観」を導き出すことになりますので、自身を振り返るとともにまずは「考える」ことが何より大事です。なぜなら、作成後に社員と共有することになりますが、その際に「自分の言葉」で「ストーリー性」をもって伝えることが重要となりますので、どこかから借りてきたような言葉、価値観だとこの辺りが弱くなるためです。

    その後、どうしても出てこない場合は価値感のリスト等をヒントに考えることになります。

     

     

     

    また、

    ・簡単かつ明瞭で

    ・覚えやすい

    ということがよいバリューの条件になります。

    3 バリューを導き出す質問24

    実際にバリューを導き出すための質問を以下に列挙しました。

    静かな場所や集中できる場所で是非取り組んでみて下さい。

     

    ただし、全部の質問に答える必要はなく、自分がこれだと思えるものを見つけてもらえるためにこれだけの質問を集めたので必要に応じて選択してみてください。

    もちろん、これ以外にもご自身で思いついた問いがあればそちらも考えてみて頂ければと思います。

     

    質問は大きく5つのパートに分かれています。

     

    パート1:1~11 個人の価値観に関する質問

    パート2:1214 制限を外す質問

    パート3:1516 ミッション・ビジョン起点の質問

    パート4:1720 組織起点の質問

    パート5:2124 社員起点の質問

     

    パート1 個人の価値観に関する質問

     

    1 あなたが大切にしたいビジネスの倫理観は何ですか?

    回答例:正直、勤勉(コツコツ)、感謝

        スキルも大切ではあるが、土台は人間性

        自利利他

     

    2 あなたのビジネスにおいて、最も大切にしている価値・価値観は何ですか?

    回答例:素直、感謝、お陰様、三方よし

     

    3 あなたが生きてきた中で大切にしている価値感、倫理観は何ですか?

    回答例:うそをつなない、正直、明るく、明朗快活

     

    4 そもそも働く目的は何ですか?

    回答例:関わる人を幸せにしたい

        自己成長

        両親・家族を安心させたい

        金銭的に余裕のある生活をしたい

     

    5 社員にどのような成長機会を提供したいですか?またはどうなってほしいですか?

    回答例:人間的な成長

        例えば、感謝できる、礼儀・挨拶がしっかりできる、約束を守るなど

        その上で、自立できるようなスキルを身に着けてもらいたい

     

    6 会社は何のためにあると考えますか?

    回答例:社員の成長、お客様への貢献、日本を明るく元気にするため、世界を変えるため、

        未来の子供たちのため

     

    7 座右の銘など、好きな言葉は何ですか?

    回答例:継続は力なり、主体変容、弘法筆を選ばず、努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る。

     

    8 好きな本は何ですか?また、それはなぜですか?

    回答例:日本でいちばん大切にしたい会社(坂本光司)

    売上や利益は社員を幸せにするための手段であり目的ではない。人を大切にする経営とは等、経営の本質を考えさせられるため。

     

    9 好きな映画・テレビ(ドラマ・アニメ)は何ですか?また、それはなぜですか?

    回答例:ハイキュー

        「チーム」とは何か?「本当の勝ち負けとは何か」を教えてくれるアニメ

     

    10 好きな有名人は誰ですか?また、それはなぜですか?

    回答例:鍵山秀三郎

        掃除を中心に、頭だけでなく自ら率先して体を動かして組織を作っていった点

        自利とは利他なりを実践されている点

     

    11 両親から、どのような子供になってほしいと言われていましたか?

    回答例:人に迷惑をかけない、疑われても疑わない、正直者はバカを見るでよい

     

    パート2 制限を外す質問

     

    12 制限がないとしたら、会社がどのようになったら最高ですか?

    回答例:皆会社・仕事が好きでやりがい、生きがいをもって働くことが出来ている。

        また、給与も世間よりも1割以上高い水準で支払うことが出来ている。

     

    13 制限がないとしたら、社員がどのようになったら最高ですか?

    回答例:皆楽しそうに働き、経済的・社会的・精神的に自立している。

     

    14 制限がないとしたら、お客様がどのようになったら最高ですか?

    回答例:世界一高い給料を支払うことができ、社員満足度も満点!

        もちろん、お客様満足度も満点!

     

    パート3 ミッション・ビジョン起点の質問

     

    15 ミッション・ビジョンを達成するために必要な要素・価値観は何ですか?

    回答例:お客様目線、お客様第一、仲間を大切にする、きれいな言葉遣い、5S・6S、

        感謝、凡事徹底

     

    16 あなたにとってのビジネスの成功(の定義)とは何ですか?

    回答例:三方よしの経営で継続的に利益を出し、安定成長すること。

        ※自社だけではなく、社員、世の中がよくなっていくこと。

     

    パート4 組織起点の質問

     

    17 組織の成功の定義は何ですか?

    回答例:社員全員がやりがい、生きがいをもってイキイキと働いている。

        

    18 組織が追及する理想的な未来の姿はどのようなものですか?

    回答例:組織として自立・自走している。

        →社員各自が考え、行動し、結果を出している。

     

    19 組織の行動や意思決定において最も重要な原則や倫理は何ですか?

    回答例:うそをつかない、お客様・社員に対して正直である

     

    20 組織は地域やコミュニティに対してどのような貢献をしたいと考えていますか?

    回答例:地域の元気が出るような活動

        地域の美化

     

    パート5 社員起点の質問

     

    21 どのような社員が世の中の役に立ちますか?

    回答例:人間性が土台にあり、その上にスキル(スキルが先ではない)

    誠実、素直、明朗

     

    22 お客様から喜ばれている、信頼されている社員にはどのような特性がありますか?

    回答例:笑顔がよい、明るい、素直、約束を守る、礼儀正しい、時間を守る、誠実

     

    23 成長している社員にはどのような共通点がありますか?

    回答例:業務時間外の時間を有効に使っている(例 勉強、読書、講座)、

    人脈が広い、知的好奇心が旺盛、

    素直、自立

     

    24 どのような社員にはなってほしくないですか?

    回答例:うそをつく、社員を蹴落としてでも自分が這い上がる、不誠実

    4 個人の価値観をリストから抽出する

    3章では質問からバリューを検討していただきましたが、難しい場合もあるかもしれません。

    特にパート1の価値観に関する質問については、以下のリストから5つ程度を目安に抽出することも有効な方法です。

    自立・自律・リーダーシップ・統率する・ビジョンを掲げる・動機づけする・創造する・夢・未来・導く・ワクワクする・チャレンジ(挑戦)・競争する・希望・素直・プラス思考・チームワーク・マネジメント・正しく進める・貢献する・助ける・信頼する・責任感・計画する・人を大切にする・社員を大切にする・お客様第一主義・社員第一主義・ES(社員満足)・CS(お客様満足)、人づくり、親孝行・感謝する・感謝される・礼儀・笑顔・原理原則・元気・習慣・考える・行動する・時間を守る・清潔・整理整頓・守る・人間性を高める・育てる・幸せ・安心する・成長する・達成する・大きくする・目的思考・手段(方法)・目標をもつ・損得・尊徳・志を高く・利他の心・ウソをつかない・約束を守る・本気・平等・公平・使命・価値・成果・モノではなくコト・頭をつかう・成長拡大・安定成長・働きがい・やりがい・いきがい・差別化・悩みを解決する・支援(サポート)する・寄り添う・世のため人のため・助ける・協力する・自信をもつ・スピード・正しい・早い・美しい・さわやか・誠実・広める・狭める・手間暇かける・

    効率化・合理化・プロ意識・品質・コツコツ・正直・勤勉・モチベーション・感動する・謙虚さ・説得する・引き上げる・冒険する・大胆な行動・興奮する・美しい・洗練されている・魅力的な・繊細な・洗練された・清潔である・影響を与える・衝撃を与える・指導する・強化する・引っ張る・チャンスを与える・チェンジ(変化)する・改善する・開拓する・堅実な・冷静な・支援する・足し算・掛け算・引き算・構築する・イメージする・オリジナリナリティ・完璧にする。工夫する・発明する・発見する・突き詰める・掘り下げる・観察する・経験する・じっくり行う・慎重に・スペシャリスト・ゼネラリスト・卓越する・突出する・極める・分析する・教える・人と関わる・好奇心・論理的な・直感的な・感性・生産性・引き出す・伝える・教える・聞く・自由・義務・権利・承認する・明るい・暖かい・勢いがある・認める・褒める・叱る・尊敬する・独立する・エネルギッシュな・忍耐・興奮する・根性がある・理路整然・知的・尊敬される・コミュニケーション・ダイバーシティ(多様性)・家族・健康・ユーモア・明るい・まじめに・愚直に・まとめる・教育・統率する・猪突猛進・慎重に・楽しむ・前進する・着実に・一気呵成に・攻撃的な・感覚的な・ミッション(使命)・厳しく・ベストをつくす・基本に忠実に・土台・基礎・勝利・努力・集中力・粘り強さ・闘志・信じる・まめな・繊細な・男性的な・女性的な・母性(母親のような)・父性(父親のような)・子供性(子供のような)・若々しい・しっかりした・激しい・やさしい・厳しい・柔軟な・決める・直感・デザイン思考

    5「人を大切にする経営」からヒントを得る

    人を大切にする経営学会の代表でもある坂本光司先生が推奨する「人を大切にする経営」からもヒントを得られると思います。

    この中からバリュー(価値観)を検討してみても面白いのではないかと思います。

    「人を大切にする経営へと移行するためのヒント」

     

    業績重視経営ではなく、幸せ重視経営

    自利だけ経営ではなく、利他を考える経営

    急成長・急拡大経営ではなく、安定成長経営(年輪経営)

    社長一人成長経営ではなく、全員成長経営

    売上重視経営ではなく、利益重視経営

    規模を重視する経営ではなく、質を追求する経営

    社員の働き重視経営ではなく、社員の働きがい重視経営

    モノやカネではなく、何よりも人を大切にする経営

    長時間経営ではなく、短時間経営

    管理型経営・同族経営ではなく、大家族主義経営

    低賃金型経営ではなく、高賃金型経営

    景気・流行期待型経営ではなく、景気創造型・市場創造型経営

    指値型経営ではなく、値決め型経営

    損得重視型経営ではなく、善悪重視型経営

    腹十分目経営ではなく、腹八分目経営

    新規顧客重視型経営ではなく、リピーター・口コミ客重視型経営

    他人資本依存型経営ではなく、自己資本充実型経営

    強者優先経営ではなく、弱者優先型経営

    下請け型経営ではなく、自立型経営

    個人戦型経営ではなく、団体戦・チーム戦型経営

    短期重視型経営ではなく、中長期重視型経営

    情報受信型経営ではなく、情報発信型経営

    最終ランナー型経営ではなく、中継ぎランナー型経営

    根なし草的経営ではなく、こだわりの経営

    社員の命と生活を削る経営ではなく、社員の命と生活を守る経営

    過度に労働生産性を高める経営ではなく、心の生産性を高める経営

    イソップうさぎ型経営ではなく、イソップかめ型経営

    アンバランス型経営ではなく、バランス型経営

    価格競争重視経営ではなく、非価格競争重視経営

    制度・マニュアル重視経営ではなく、社風重視経営

    閉鎖的な経営ではなく、超ガラス張り経営

    依存・追随型経営ではなく、独立・自立・提案型経営

    不正を見逃す経営ではなく、人として正しいことをする経営

    私利私欲・公私混同経営ではなく、社会に誇れる経営

    上からリーダーシップ経営ではなく、背中で引っ張る経営

     

    6 バリューに関するQ&A

    6.1 バリューは状況に応じて変えてよい?

    バリューは行動指針・価値観ですので頻繁に変更するものではありません。

    しかし、幹は変わらずとも表現や順番等は状況応じて変更することはよいと思います。

     

    古田土会計の経営理念(バリュー)も当初は

    一、お客様に喜ばれ、感謝される
    二、社員の幸せを追求し、人間性を高める

     

    という順番でしたが、10年ほど前に今の順番に変わりました。

    一、社員の幸せを追求し、人間性を高める
    二、お客様に喜ばれ感謝される

     

    また、二(2)の「数字に強い経営者・幹部・社員を育てる」につきましても、当初は

    「数字に強い経営者を育てる」から追加して今の形になりました。

    6.2 バリューはいくつあってもよい?

    バリューは社員と共有し、常に意識・行動するものになりますので多すぎると逆に何が大事なのかがぼやけてしまいます。

     

    古田土会計のバリューは大項目で2つ、事例に挙げさせていただいたものでも3~5つにまとまっていると思います。

     

    このくらいが目安と考えてよいと思います。

    6.3 バリューは社長1人で考えなくてもよい?

    経営理念に該当するものであれば特にですが、中小企業の場合は社長(経営者)が考えるべきものです。そして、その背景や意味とともに社員に共有し、浸透を図ってください。

    6.4で解説しているクレドであれば、社員から意見を募って作成することもよいと思います。

    6.4 バリューとクレドの違いは?

    バリューは、企業の価値観・判断基準となりますが、クレドは行動指針を指します。

    ミッション・ビジョン・バリューを達成するためのさらに下層の位置づけとなりますが、社風や文化の醸成には重要な役割を果たします。

     

    古田土会計の行動指針は参考までに以下の通りです。

     

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    7 まとめ

    以上、今回は「ビジョン」についてまとめました。

    ビジョンの定義・目的をはじめ、具体的な作成方法(質問)を解説させて頂きましたので、是非作成の役にたててください。

     

    但し、ミッション・ビジョンも同じくですが、作成することがゴールではありません。いかに浸透させて、行動に結びつけるかが大事なポイントですのでそこを忘れないようにお願いします。

     

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