説得力のある事業計画書はどうやってつくる?事業計画書の実例をもとに解説

    記事公開日: 2023.08.18

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     事業計画書とは

      事業計画書とは、企業の事業内容や経営戦略を社内外に説明するための書類です。

     

    収益の見込みや今後どのように事業を運営していくのかなどを詳しくまとめていきます。

    具体的に言えば、「誰」に「何」を「どのように」提供するのか、それをする「根拠」や「強み」は何か、どれくらいの「利益」を見込んでいるのか、事業を始めるにあたりどれくらいの「資金」が必要となるかを、誰でも分かるようにまとめます。

     

    また、事業計画書を簡単に説明すると経営者が考えている事業戦略を文章としてまとめて誰でも分かるようにしたものを指します。

    頭の中でだけ考えていると事業計画は曖昧なもので終わってしまいますが、文章にまとめると必要なことが明確になります。

     

    そして、文章にまとめる時に誰に対して伝えたいのかを考えるとより訴求力が高い事業計画書になります。

    事業計画書を作成する目的とは

    それでは、事業計画書はなんのために作成するのでしょうか。

     

    事業計画書は融資審査の際に必要な書類となります。

    また、自社の事業内容を客観的に見直すきっかけにもなる書類なので、事業が行き詰まってしまった時はコンサルタントに見せる書類としても事業計画書は役立ちます。

     

    作成する理由を一つひとつ解説していきます。

     

    事業内容を明確化するため

    事業計画書を作成する一つ目の目的は、「事業内容を明確化するため」です。

     

    事業計画書はどんな事業で、どんな収益モデルになっているのかを言語化・可視化していくものです。

    売上目標や事業の目標など、経営者が頭で考えていたことを書き出していくことになるので、ビジネスパートナー、投資家、金融機関、専門家、社員など事業に関わる人たちに経営者の考え(事業の方向性や根拠)を共有することができます。

     

    そうすることで、関わる人たちと歩みを合わせて事業運営をしていくことができるようになります。そのため、事業計画書は誰が読んでも分かりやすく、納得できるように、すべての事柄を具体的かつ明確に記載する必要があります。

     

    外部に資金支援などを求めるため

     事業計画書を作成する二つ目の目的は、「外部に資金支援などを求めるため」です。

     

    事業計画書は資金調達する際、金融機関に提出する融資審査の資料として役に立ちます。

     

    金融機関の審査では「返済能力があるのか」という点を重視しています。

    そのため、借りる側がいくら口頭で「返せます」と言っても根拠がないため信用はできません。

    事業計画書は事業の進め方や収益モデル、その根拠を具体的かつ明確に記載することが重要です。

     

    また、融資審査には経営者の熱意も大切な判断基準となりますので、内容だけにこだわらずに、融資審査の担当者に自身の情熱も伝わるように記載していきましょう。

     

    事業計画書を作る際に意識すること

      実際に事業計画書を作る時、意識すべきことは4つあります。

    それは、「どのような事業なのか」「どうやって収益を伸ばすのか」「どれくらいの収益が見込めるのか」「根拠はあるのか」です。

     

    意識すべきことを一つずつ解説していきます。

     

    どのような事業なのか

    事業計画書を作る際に意識することの一つ目は、「どのような事業なのか」ということです。

     

    事業内容が一番に知ってもらいたい内容となります。自分の頭の中で事業概要をまとめてみて、説明が簡単にできるくらい落とし込んでから事業計画書に書き出してみると、相手に伝わりやすい内容になります。

     

    また、想定顧客(年齢、性別、居住地、家族構成、職業、役職、年収、価値観、ライフスタイルなど)や商品・サービスの提供価値、商品・サービスのニーズなどをまとめておくと、どのような事業なのかが明確になります。

     

    どうやって収益を伸ばすのか

    事業計画書を作る際に意識することの二つ目は、「どうやって収益を伸ばすのか」ということです。

    ターゲットとなる顧客を想定し、市場規模を確定し調査することで、事業の収益をどうやって伸ばすのかを具体的に検討します。

     

    収益を伸ばせる方法が明確でなければ、取引先や金融機関はその会社と取引をしたり資金を提供したりする判断ができません。

    商品やサービスの仕入れ、製造、販売、対価の流れを図表でまとめ、ビジネスモデルを分かりやすく明記しましょう。

     

    どれぐらいの収益が見込めるのか

    事業計画書を作る際に意識することの三つ目は、「どれくらいの収益が見込めるのか」ということです。

     

    事業をおこなう上で、どのくらいの収益が見込めるのかは大切な点です。

    どのくらいの収益を見込み、どのくらいの投資ができるのか、経費をかけられるのかが決まってきます。

    売上計画、利益計画、資金調達の計画などを表やグラフにまとめ、具体的な数値を示すことが重要になってきます。

     

    根拠はあるのか

    事業計画書を作る際に意識することの四つ目は、「根拠はあるのか」ということです。

    特に、売上や利益は具体的な数値の根拠を提示することが必要です。販売数、商品やサービスの価格、必要な経費はすべて数値を示すことで事業計画書の信頼性がアップします。

     

    事業計画書に記載すべき事項とは

    ここからは事業計画書を作成していきましょう。

     

    事業計画書には記載すべき記載項目は10あります。

    ①社名や住所

    ②経営者の経歴

    ③事業内容

    ④会社の理念・ビジョン

    ⑤自社の強み(セールスポイント)

    ⑥市場における自社の状況

    ⑦資金計画

    ⑧収支計画

    ⑨将来計画

    ⑩その他

    以上になります。それでは、基本項目を詳しく解説していきます。

     

     ①社名や住所

    事業計画書に記載すべき記載項目の一つ目は、「社名や住所」です。

    事業計画書では事業内容を記載する前に、会社の概要を整理します。社名、屋号、所在地、電話番号を記載します。

    また、ウェブサイトのURL、メールアドレス、代表者名、株主構成などもあわせて記載していきます。

     

    経営者の経歴

    事業計画書に記載すべき記載項目の二つ目は、「経営者の経歴」です。

    企業は創業段階の場合、実績や信用もありません。経営者自身の経歴やスキル、人柄などを知ることが信用に繋がります。

     

    企業がおこなう事業の内容や、経営者の経験・人脈・実績を示し、自分自身をどのように売り込むかを考えて具体的に記載していきましょう。

     

    また、事業計画書を作成するために経営者自身の経歴を書き出します。そのため、自分自身を見つめ直す機会になりますので、些細なことでも気づきがあれば書き出しておきましょう。

     

     ③事業内容

    事業計画書に記載すべき記載項目の三つ目は、「事業内容」です。

     

    事業内容を記載する際、まずは事業のテーマや名称を記載していきます。

     

    自社が何をおこなっていて、何を目指しているのかを分かりやすくまとめることが大切です。

    事業名は短く、できれば20文字程度に収めて、覚えやすいものになっているかチェックしましょう。

    その後、おおまかな事業内容が分かるように、「誰」に向けて、「何」を「どのように」提供するのかを、シンプルにまとめます。詳しい内容はあとの項目で記載します。

     

     ④会社の理念・ビジョン

    事業計画書に記載すべき記載項目の四つ目は、「会社の理念・ビジョン」です。

     

    会社の理念やビジョンは、会社がどうしてこの事業をおこないたいと思ったのか、事業を通して社会に何を提供したいのか、社会をどんな風に変えたいと思っているのかを世の中に伝えるものです。

     

    自社の熱意や他社との違いをしっかり伝えられる理念・ビジョンを考え、顧客や協力者を引きつける事業計画書にしていきましょう。

     

     ⑤自社の強み(セールスポイント)

     事業計画書に記載すべき記載項目の五つ目は、「自社の強み(セールスポイント)」です。

    企業が提供する商品やサービスで唯一無二であるというものはほとんどありません。

     

    そのため、「自社と他社の違い」「自社の方が優れているという強み」を見つけて、自社の事業をアピールしていきましょう。

    セールスポイントは誰にでも分かりやすいような表現で専門用語は使わずに記載するように心がけましょう

    市場における自社の状況

    事業計画書に記載すべき記載項目の六つ目は、「市場における自社の状況」です。

     

    市場の現状や今後の見通しを分析するとともに、競合他社の状況を調べます。そして、新規でその事業に参入する企業として、自社はどのような強みがあるのかを記載します。

     

    また、経済情勢や法の制度など企業をとりまく外部環境も事業と関係が深いことなので背景として触れる必要があります。この分析については、客観的な統計や数字を用いてまとめるようにします。

     

    資金計画

    事業計画書に記載すべき記載項目の七つ目は、「資金計画」です。前述した通り、事業計画書は金融機関から融資の審査を受ける資料としても活用されています。

     

    そのため、資金計画をしっかりと記載するのは最重要事項となります。事業計画を実行するためにはどのくらいの資金が必要となり、その資金をどのように調達する予定なのかを記載します。

     

    これは、実際に見積もりを取り、根拠のある数字を記載することが大切となります。

     

    収支計画

    事業計画書に記載すべき記載項目の八つ目は、「収支計画」です。収支計画は総額だけではなく、見積もりの根拠(1日の顧客数、平均客単価など)を示すことが大切になります。

     

    売上高を算出し、売上原価、必要経費(人件費、家賃、水道光熱費など必ずかかってくるもの)を計算することで、利益を算出しておきます。

    顧客数については、市場の分析や同業他社の実績を参考にして設定すると良いでしょう。

     

     ⑨将来計画

    事業計画書に記載すべき記載項目の九つ目は、「将来計画」です。

    会社を将来的にどう発展させていきたいのか、社会にどのように貢献していきたいのかといった将来の計画を記載します。

     

    ここでは将来性のある企業であるということをしっかりと伝えていきましょう。

     

    その他

    最後に、その他の記載すべき項目を紹介します。

     

    「販売戦略」「主要な取引先・顧客」「社内体制」です。

    どんな商品・サービスを誰に対してどのように提供していくかを記載する際、どのような販売経路で、どのようなプロモーションをして顧客に認知してもらうのかを記載しましょう。

     

    また、どこの取引先のシェア率が高いかを記載することで、より透明性の高い事業計画書になります。最後に社内体制については、どのように経営判断し役割を分担しているか社内組織図を書くことで、他者にも業務内容が理解しやすくなります。

     

    業種別事業計画書の実例

    ここからは業種別に事業計画書の実例を紹介していきたいと思います。ここでは、日本政策金融公庫で紹介されている、「飲食業」「小売業」「サービス業」を紹介します。

     

    日本政策金融公庫では記入例やテンプレートを無料でダウンロードすることができますので、必要があれば活用してください。

     

    飲食業の場合

     一つ目に紹介するのは、「飲食業」です。

     

    日本政策金融公庫の創業計画書の記入例:飲食業(洋風居酒屋)kaigyourei01_220401c.pdf (jfc.go.jp)

     

    創業動機を記入する際、飲食店で勤務経験があれば経験も具体的に書きましょう。また、店長や管理職、料理人として経験があればプラスに評価されるので、漏れずに記載するようにします。

     

    提供する料理が決まっている場合はどのような料理か写真などもつけるとより分かりやすくなります。また、金額も具体的に明記するようにしましょう。

     

    小売業の場合

    次に紹介するのは、「小売業」です。

     

    日本政策金融公庫の創業計画書の記入例:小売業(婦人服・子ども服小売店)kaigyourei04_220401f.pdf (jfc.go.jp)

     

    飲食店同様、これまでの経験や知識がある場合は、事業にどのように活かしていけるのか実例も入れて具体的に書くようにします。

     

    商品や仕入れルートや在庫を管理する方法も具体的に記載します。また、取り扱う商品が決まっている場合は写真も添付しましょう。小売店の事業計画書は、店舗の場所や販売方法が他社との差別化にもなるので、その点も分かりやすく記載していきます。

     

    サービス業の場合

     最後に紹介するのは、「サービス業」です。

     

    日本政策金融公庫の創業計画書の記入例:サービス業(介護サービス)kaigyourei09_220401k.pdf (jfc.go.jp)

     

    サービス業で開業される方はほとんどの方が経験者かと思います。

    経営者の経歴はこれまでの経験や資格を具体的に書き、経験から感じた課題を創業動機とすると前向きな印象を与えることができます。新木顧客の獲得方法や、販売ターゲット、他者との差別化などしっかり調査・分析をしておきましょう。

    事業計画書作成前の事前準備

    事業計画書を作成する前に、事前に準備すべきことがあります。

    すぐに作成しはじめるよりも分析やシミュレーションをおこなうことで、具体的な根拠のある事業計画書を作成することが可能になります。ここからは作成前に何をすべきかを解説していきたいと思います。

    統計データの準備

    事業計画書作成前の一つ目の事前準備は、「統計データの準備」です。

     

    客観的な統計データを分析して、説得力のある事業計画書を作成しましょう。

    統計データは、官公庁や業界団体などの公的なサイトを確認すると、調べることができます。

     

    市場環境は、会社の周辺調査や、競合他社の状況を自身で調査して、データを集めておきましょう。

    資金調達方法の検討

    事業計画書作成前の二つ目の事前準備は、「資金調達方法の検討」です。

    いくら商品やサービスが求められるものであっても、企業の資金繰りがしっかりとできていなければ事業を継続することができません。

     

    つまり、資金計画(資金調達方法)はとても重要なポイントになります。どのくらいの資金を、どこから、どのように調達するのかは何度もシミュレーションしていきましょう。

    事業に必要な人員数の把握

     事業計画書作成前の三つ目の事前準備は、「事業に必要な人員数の把握」です。事業をする時、経営者が1人で運営することもありますが、従業員やアルバイトが必要な場合も多々あります。

     

    1人で運営する場合でも従業員を雇う場合でも、運営する際に何人必要なのかを確認します。

    また、販売する人、仕入れる人を協力してもらうのか、外部の専門家などに協力してもらうことが必要かどうかも具体的に把握しておくようにしましょう。

    事業計画書作成時のポイント

    事業計画書を作成するポイントは下記の5点あります。

     

    内容は具体的に記載する

    根拠のある内容を記載する

    ③6W2Hを意識する

    図やイラストを用いて視覚的に見やすくする

    ポイントを整理して簡潔に記載する

    上記5点を一つひとつ解説していきます。

     

    内容は具体的に記載する

    事業計画書を作成する際の一つ目のポイントは、「内容は具体的に記載する」という点です。

     

    事業計画書というと事業の内容を記載すれば良いと思われがちですが、社名や住所、経営者の経歴、会社の理念・ビジョンから従業員数、ビジネスモデルまで細かく記すことで、企業の概要がわかりやすくなります。

     

    また、資金調達の資料としても使用するため、資金計画についてはさらに具体的に、こだわったものを作成するようにしましょう。

     

    根拠のある内容を記載する

    事業計画書を作成する際の二つ目のポイントは、「根拠のある内容を記載する」という点です。

     

    事業計画書に記載する事柄には根拠が必要です。収支見込みについては特に根拠が求められます。

     

    事業計画書のなかの資金計画では売上や利益の計画が強気すぎると説得力がかけてしまいますし、弱気であれば経営を維持することができないと見られてしまいます。

    バランスを考えつつ、つじつまが合うように作成していく必要があります。

     

    ③6W2Hを意識する                                                

    事業計画書を作成する際の三つ目のポイントは、「『6W2H』を意識する」という点です。

     

    6W2H」とは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「Whom(だれに)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How much(いくらで)」という英単語の頭文字をとって表記された、ビジネスの基本となるフレームワークです。

     

    事業計画書では、「6W2H」を意識して、要点をわかりやすくまとめることで、読みやすさが格段にアップします。

     

     ④図やイラストを用いて視覚的に見やすくする

     事業計画書を作成する際の四つ目のポイントは、「図やイラストを用いて視覚的に見やすくする」という点です。

    文章だけでなく、図表を入れて一目で分かりやすいようにしましょう。

     

    また、視覚的に見やすい工夫をするということはデータを図表で表すことになるので説得力も増します。

     

    事業計画書は他者に説明するだけでなく経営者自身が自社の事業を可視化するためでもあります。

    自身が振り返った時に分かりやすいように、「見やすい工夫」をするようにしましょう。

     

     ⑤ポイントを整理して簡潔に記載する

     事業計画書を作成する際の五つ目のポイントは、「ポイントを整理して簡潔に記載する」という点です。

     

    事業計画書はダラダラと記載していると、他人が読んだ時に分かりにくい文章になってしまいます。他人に伝わらなくては事業計画書を作成しても意味がありません。

     

    適宜ポイントをまとめて、簡潔に記載していくようにしましょう。

     

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